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UIデザイナーが気を付けておきたい著作権のこと

はじめに

UIデザインの制作では、写真やイラスト、ロゴなどを扱う場面が多々あり、トラブル発生時には被害者にも加害者にもなる可能性があります。
今回はUIデザイナーが踏まえておきたい著作権についてまとめてみました。

著作権の基本

著作権は知的財産権のひとつで、「創作的に表現されたもの」を制作したときに著作者に対して自動的に与えられる権利のことです。
制作した人は「著作者」となり、プロ・アマチュア関係無く誰にでも「著作権」を有する権利が与えられます。
著作者は著作物を他人に変更・複製をされない権利を持っています。言いかえると、他人に変更・複製を許諾することができる権利でもあります。

また、著作者は個人である必要はなく、UIデザイナーが所属する会社で制作した著作物については、通常は会社が著作者となります。

UIデザインは著作権で保護されにくい

著作権は創作的に表現されたものに与えられますが、実は「創作的であるかどうか」を判断する明確な基準はありません。
さらに、表現の源となる「企画、アイデア」は著作権法の保護の対象となりません。
故に、著作権侵害であるかどうか、はたまた表現なのかアイデアなのか、その判断は個々に委ねられているというのが現状です。

創作的であることよりも実用的であることが重視されるUIデザインにおいては、著作権が認められない部分も多く、レイアウトや配色は「アイデア」と判断され保護の対象とならないと言われています。
ですが、一般的には、著作権が認められる写真やテキスト、イラストが含まれている完成されたUIデザインは、著作物と判断される可能性が高いでしょう。

意匠法の改正でUIデザインも守られるかも?

意匠法は、著作権と同じく知的財産権のひとつで、「製品デザインを独占する権利」のことです。
工業デザインに認められていることが多く、模倣品の対策として登録されているものが多いようです

2020年4月、意匠法の改正があり、UIを含む画面デザインも保護される対象となりました。
しかしながら、特定のデザインパターンを模倣することでユーザにとっての使いやすさを担保する側面もあるUIデザインの現場では、必ずしも新規性の高さが優れたデザインとなるわけではありませんよね。
また、出願前に公開されているものには、意匠登録が認められません。

多くのアプリケーションやWebサイトにとって、意匠登録のための出願をするのはあまり現実的ではないように思えます。
とはいえ、意匠法で認められると価値のあるデザインと認められますので、他社との差別化であったり、活用される場面はたくさんあるのではないでしょうか。

自分が制作したUIデザインを守る

ここまでUIデザイン自体の著作権についてお話をしてきましたが、ここからはデザイン制作を進める中で実際に直面する可能性の高い著作権トラブルのケースを紹介します。

クライアントからデザインデータの提供を依頼される

クライアントワークの場合、通常、デザインデータの著作権は制作を担当した会社側に帰属します。
デザインデータの提供をクライアントから依頼された場合、クライアント側を著作者とするには、著作権を譲渡する契約が必要です。

デザインデータまで納品物に含まれると認識しているクライアントもいることがありますので、トラブルを避けるためにはできるだけ権利の帰属先や使用条件等を事前に明らかにしておくべきでしょう。
もし許諾外のデザイン転用を発見した場合には、差し止め請求等の措置をとることができます。

他人の著作物を安全に使用する

デザインに画像を使用する

Webサイトや検索エンジンで見つけた写真、イラストやテキストは他人の著作物であるため、無断で使用し公開することは著作権の侵害となります。
必ず担当者に使用許諾を確認するか、ライセンス表記を確認できる素材を利用するようにしましょう。

素材のライセンスの注意点

素材を使用する場合はライセンス表記を必ず確認してください。
有償・無償に関わらず、ほとんどのストックフォトサイトには利用規約があり、ダウンロードまたは購入をすれば自由に使用できるというわけではありません。
特に無償の素材の場合、商用利用の可否やクレジット表記の要否などが細かく決められている場合がありますので、よく確認しましょう。

トレースでイラストやビジュアルを作成する

イラストやビジュアルを作成する際に、トレースや模写をすることもあるかと思います。
その場合でも、元画像を掲載するのと同様の扱いが必要になります。
Webサイトや検索エンジンで見つけた画像は使用せず、使用許諾の確認できる画像を使用しましょう。

フォントを使用してロゴを作成する

基本的には、フォント自体には著作権は認められていません。
しかし、既存のフォントをそのままロゴにしようとする場合は注意が必要です。
フォントを提供するフォントベンダーによって、フォントの改変の可否やフォントを使用したロゴの商標登録の可否など、利用規約が制定されていると思いますので、よく確認しましょう。

おわりに

著作権を正しく理解することは、自分の著作物を守るためにも、他人の著作物を尊重するためにも大切なことだと思いますし、信頼されるUIデザイナーであり続けるために必要なことだと思います。

本記事で扱った内容は、著作権の全てを網羅しているわけではなく、ほんの一部です。
より幅広い内容を深く理解できる書籍やWebサイトがありますので、興味を持った方はぜひ調べてみてください。