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プロジェクト進行の解像度をキックオフまでに可能な限り高める
プロジェクトマネージャーの仕事としては、プロジェクトの目的である与件を達成する為、それぞれのプロセスで達成状態を定義し、達成の為に必要な計画、調達、実行を行います。また達成状態に向けた実行では、事業部・デザイナー・エンジニアなどにディレクションも発生するケースもあるかと思います。
この事から分かる通り、プロジェクトの全体感を把握しつつ適切に協力者に依頼する事が必要です。
その為、プロジェクトを問題なく進めていく際にWBSとスケジューリングがどれだけ明確に想像できているか？がプロジェクトの成功に大きく影響を及ぼします。
WBSとスケジューリングの考え方の違い
WBS
Work Breakdown Structureの略で、作業を分解して構造化するプロジェクト管理手法です。プロジェクト全体の作業を大きな粒度のタスクから細かいタスクにまで分解し、タスクの漏れを無くします。
スケジューリング
プロジェクトの期間ごとにそれぞれのフェーズでどれくらいの時間配分をするかを日程に落とす作業です。WBSでは目的に対して必要な事が網羅的に並べてありますが、時間の概念はありません。プロジェクト期間の制約を加味しながら、達成状態に向けた現実的な日程に落とし込んでいきます。
スケジューリングする際の注意点
以下はスケジューリングをする際の注意点の一例です。
- それぞれどのタスクに対して・どれくらい工数を割いて・アウトプットはどのような形が望ましいか？
- プロジェクトメンバーの特徴はどんな所に強みがあるのか？
- クライアントにどれくらい確認期間が必要か？
- まだクライアントと未確定な論点があり、それらによってプロジェクト進行のリスクになり得るか？
- 外部リソースを活用する際はどんな情報があれば発注ができるか？
などを想定します。
特に経験が浅いプロジェクトマネージャーの場合それぞれのプロセスにどれくらいの時間がかかるか？が想定がつかないケースが多いと思います。
その際は、
フェーズごとのアウトプットについてアウトプット様式・その際に必要な情報・そのアウトプットを出してどんな意思決定を社内orクライアントとしたいのか？
まで想像する事が望ましいです。
その際は、フェーズごとのアウトプットについて
- アウトプット様式
- その際に必要な情報
- そのアウトプットを出してどんな意思決定を社内orクライアントとしたいのか？
まで想像する事が望ましいです。経験が無いことによって後になってアウトプットの要素が足りない、などの問題が発生しない準備が必要です。
シミュレーションをやってみる
特におすすめしたいのが、プロジェクトの全体プロセスの通してシミュレーションしてみる事です。
例えば、サービスサイトのフルリニューアルを実践するとなった際に以下のプロセスがあったとします。
- 調査フェーズ（市場調査・自社調査・競合調査・ユーザー調査・調査結果分析）
- 定義フェーズ（UXフェーズ）
- 設計フェーズ（要件設計・UIデザイン）
- 検証フェーズ（ユーザーテスト・改善）
全プロセスを一挙にプロジェクト初期で実施するのが難しい場合は、フェーズが始まる前にフェーズで実施する具体的なタスクを実践します。
例えば：①調査フェーズの市場調査・自社調査・ユーザー調査（インタビュー）・調査結果分析を1日でやってみるといった形です。
そうする事で未経験でもどんなタスクがあり、それぞれの業務がどんな状態であれば次のプロセスにスムーズに行くか？などの観点が増え、プロセスの解像度を高める事が可能です。
シミュレーションをやってみた上でWBSとスケジュールを修正する
未経験の場合は、WBSやスケジューリングを完成するまでに5~7回程書き直すのが望ましいです。
そうする事で達成状態の定義がより明確になり、それぞれの連なりや必然性も漏れなく把握できるようになります。
ただ、実際にシミュレーションをすると漏れている観点に気がつけます。シミュレーションをした上で再度WBSとスケジューリングを修正する事でより確からしいプロセスと進行計画が描けるようになります。
まとめ
今回はサービスサイトのフルリニューアルを事例に記事を記載させて頂きましたが、全く別のソリューション（新規事業開発、ブランディング戦略、DX戦略）などでも思考の方法としては同じかと思います。（*未経験の領域、ソリューションの場合は並行して多量のインプットも勿論必要です）
未経験でもプロジェクト前から解像度を上げられる方法を是非トライして、顧客により価値提供できるプロジェクトの進行を心がけたいですね。
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