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ナビゲーションを決定する上で考えるポイント

サイトやアプリケーションの使いやすさやビジネスゴールを実現する要素として、まずコンテンツ(何の情報を伝えるか)がありますが、同じくらい重要な要素としてサイト構造・ナビゲーション(どのように情報を整理し伝えるか)があります。今回は、適切なナビゲーションを決定するための観点について、いくつかご紹介します。

ナビゲーションとは

概要

ナビゲーションとは、サイトの導線・経路のことです。

ユーザーが、画面を辿って目的や関連の情報・機能に辿り着きやすいように、ビュー間の繋がりを設計します。

パターン

ナビゲーションの代表的なパターンとして、構造型ナビゲーション、関連ナビゲーション、機能ナビゲーションがあります。それぞれご紹介します。

構造型ナビゲーション

ストラクチャの階層構造に従って、サイトの階層内を上り下りするためのナビゲーションです。代表的なものに、グローバルナビゲーションとローカルナビゲーションがあります。

  • グローバルナビゲーション

サイト・アプリケーションのどのページからでもアクセスすることができ、基本的に常時表示されているため、どのページからでもアクセスすべき重要なビュー(ユーザーがタスクや目的を達成するための導線の起点や、ビジネスニーズを満たすビューなど)を配置します。

また、サイトやアプリケーションの概要を明らかにして、ユーザーの疑問である「何が見れるのか」「何ができるのか」に答える役割もあります。

  • ローカルナビゲーション

グローバルナビゲーション以下の階層のページにアクセスする際に用います。情報の探索をサポートしたり、グローバルナビゲーションのトピックの詳細を表現したりします。

関連ナビゲーション

異なるストラクチャ、階層でのつながりを作るナビゲーションで、コンテキストナビゲーション、クイックリンク、フッターリンクが代表的です。

  • コンテキストナビゲーション

特定のページの文脈に応じて、関連するリンクを配置します。

  • クイックリンク

グローバルナビゲーションに表示していない重要なコンテンツがある場合に、そのアクセスをサポートするリンクです。

  • フッターリンク

通常サイト下部に表示されるリンクで、利用規約、プライバシーポリシー、サイトマップなどサイトの主題とは直接的に関係ない補足的な情報を表示します。

機能ナビゲーション

その他、サイト利用を支援するためのナビゲーションで、上述したナビゲーションには含まれない、検索、ヘルプ、ツールボックスなどです。

ナビゲーションを決めるために考えるポイント

ナビゲーションのパターンをいくつか紹介しましたが、サイトを制作する上では、これらのいずれか1つを採用するというわけではなく、以降で紹介する観点を考慮した上で、複数を組み合わせてナビゲーションを設計します。

大部分がストラクチャ設計と重複しますが、ナビゲーション設計独自の観点としていくつか追加しています。

コンテンツの関係性

コンテンツの中には、同一ビューまたは同一階層に紐づけた方が、ユーザーにとって使い勝手が良い場合があります。例えば、営業向けの顧客管理アプリケーションにおいて、顧客情報と営業ステージ管理等のアクションは、同一または即座に遷移できるビュー内にあった方が望ましいといった場合です。

ドメインの一般的なナビゲーション

デザインの対象となるドメイン(サービス領域)の一般的なナビゲーションは、ユーザーのメンタルモデル(期待するコンテンツ同士の紐付きや遷移構造、動き等)に影響します。

事前に競合サイト等を調査し、一般的なナビゲーションから外れすぎないようにすることで、使い勝手に影響がでないようにします。

ユーザーの目的

ユーザーがそのサイトやアプリケーションで実現したい事から、常に表示させる情報や情報の優先度は変わります。例えば、中古車販売サイトの場合、ユーザーの主な目的は安く自動車を手に入れることです。
その場合、価格や性能などの情報の優先度は高くなりますが、一方で高級車専門の販売サイトでは、価格よりもブランドや製品紹介のほうが優先度が高いでしょう。

ユーザーの行動特性

次に、ユーザーの行動特性です。これは、ユーザーがどのように情報を探すか・閲覧するかという事です。
例えば、初心者向けとプロ向けの情報サイトでは、ユーザーの持つ事前知識に大きな違いがあるので、当然掲載する情報やその見せ方にも違いが生まれます。
例えば、初心者向けにはまずトップページなどで基礎知識をイラストなどでわかりやすく表示し、プロ向けには専門的・先端的な情報をすぐに検索できるようにするといった違いです。
行動特性は、ユーザーの持つ知識以外にも様々あります。使用デバイスや物理的な環境、利用頻度などサイトやアプリケーションの内容に応じて事前に行動に影響のある変数を洗い出しておきましょう。

特にユーザーの情報の探し方はストラクチャの設計に直結します。ユーザーの探索行動については、以下のパターンがあり、これらを想定して設計を進めることが重要です。

  • 既知情報探索モード:すでに知っている情報を探す
  • 調査探索モード:特定の知識を収集しながら情報を探す
  • 認識不足モード:自分が何を知りたいか分からない状態で情報を探す
  • 再探索モード:一度見つけた情報を再度探す

ビジネスゴール

次に、ビジネスゴールです。
これは、ビジネス上実現したい目的と定量的な成果です。例えば、ECサイトにおいて商品Aの売上を1ヶ月で120%向上させるといった目的がある場合、サイトトップなど最もユーザーが訪れるページに商品Aに関する特集を掲載するなどサイトの見せ方に影響があります。

終わりに

以上の観点を考慮して、適切なパターンを組み合わせることで、優れたナビゲーションを作成できます。
ぜひ実践してみてください。

参考文献

  • IA100 —ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計
  • アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅

会社紹介資料

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新卒でITメガベンチャー企業に入社し、POとして複数の新規事業立ち上げ・運用に従事。その後、デザイナーにジョブチェンジし、デザインコンサルティング会社、起業を経て、セブンデックスにUIデザイナーとして参画。