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魅力的なキャッチコピーの作り方|制作プロセスとテクニックをご紹介

印象的なワンフレーズで人々の心を強く捉える「キャッチコピー」。テレビCMや屋外広告など、生活の中のさまざまな場面で目にすると思います。この記事では、キャッチコピーの意義を解説するとともに、実際に弊社で行われているキャッチコピーの作成プロセスを例とともに紹介していきます。

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キャッチコピーとは

短いフレーズで、訴求したい商品・サービスを的確に表すキャッチコピー。

キャッチコピーとは、英単語の「catch」と「copy」を組み合わせた和製英語で、日本語にすると「広告文(copy)」で「注意を引くこと(catch)」。つまり、「ユーザーの関心を引くための言葉」です。キャッチコピーは、見た人々の注意を引き、商品やブランドの魅力や独自性を的確に伝えることが目的です。そのため、短い言葉でありながら、強い印象を与えることが求められます。

ブランド戦略としてのキャッチコピー

キャッチコピーはあくまで、「ブランド認知」を形成するための1手段です。そのため、キャッチコピーを作ることを目的とするのではなく、まず人々にどんな商品・サービスとして認識してほしいのか、という理想状態を言語化することが大切です。

キャッチコピーの制作プロセス

ここで、弊社でのキャッチコピーの作成プロセスを紹介していきたいと思います。

  1. 対象となる商品・サービスの解像度を高める
  2. コピーの役割を決める
  3. メッセージの用件定義をする
  4. 表現の異なる案を複数出してみる(発散)
  5. ひとつに絞る(収束)

1. 対象となる商品・サービスの解像度を高める

キャッチコピーを制作するには、前段の整理がとても重要です。

「誰を対象にしているのか」
「その商品やサービスが描きたい未来は何か」
「ブランドの価値、強みや弱み、独自性は何か」
「どのようなビジネスニーズを狙っていくことでブランドの立ち位置を獲得していくのか」

このように、対象となる商品・サービスのリサーチを通じて解像度を高めます。

例えば以下のように、競合分析のフレームワークを用いるのも良いでしょう。

競合分析やリサーチの方法

2. コピーの役割を決める

対象の立ち位置を把握できたら、次はコピーの役割を決めましょう。 一概に「コピー」といっても、様々です。 コピーの種類によって、どのように機能させるのか、ターゲットにどのような行動変容を促していくのか、などが変わっていきます。例えば、以下のように分けることができます。

まず、キャッチコピーには大きく分けて2種類のものが存在します。マス向けに自社のサービスイメージを伝える「イメージキャッチコピー」と、ユーザーに購入や来店といったアクションを起こさせるための「セールスキャッチコピー」です。

イメージコピー

イメージキャッチコピーとは、商品やサービスのイメージを形成することを目的に使われる文章です。 つまり、イメージコピーの役割は、そのコピーやコピーが書かれた広告等を見てもらい、商品・サービス、あるいは会社に興味・関心を持ってもらうことです。


すぐおいしい、すごくおいしい(チキンラーメン, 日清食品)
「お、ねだん以上。」ニトリ (ニトリ)
日本を、1枚で。(Suica, 東日本旅客鉄道株式会社 )

セールスコピー

セールスコピーは、興味・関心を持ってもらった後、さらに購買行動にまでつなげるのを目的としています。


・たった○○円で人生が変わる○○
・○○を手に入れて、○○になる方法
・○○をかなえる5つの方法



次に、キャッチコピーに似た概念をご紹介します。

タグライン

タグラインは、英語でtaglineと書き、「タグ(tag)」は、物事を認識・識別するための付け札やラベル、またはそれを付けること、「ライン(line)」は一筆、一節を意味します。つまり、タグラインは「(企業やブランドを)認識するための一節」となります。


・Value from Innovation(富士フイルム)→革新的な製品を提供して価値を創造していることをアピール
・Think Different(Apple) →革新的で個性的なアプローチを表現

このように、タグラインは企業やブランドの特徴や理念を表現するために重要な役割を担っています。

役割期間対象
タグラインブランド認知向上中長期全生活者・従業員
キャッチコピーブランド認知向上/販売促進短期顧客
タグラインとキャッチコピーの違い


このように、「どこで使用して、コピーを作る最終的なビジネス目標は何なのか(認知向上なのか、購入を促したいのか、など)」を定めた上で、それに合ったコピーの役割・種類を決める必要があります。

3. メッセージの要件定義をする

達成したい目標が決まったら、要件を定義しましょう。これは、「目標を達成するために必要な条件」とも言えます。例えば、以下のようなものが要件となります。

  • 事業内容が分かる
  • 頭に残りやすい
  • 壮大さやスケールの大きさが伝わる
  • カジュアルな社内の雰囲気が伝わる

要件が定義されることによって、方針が明確になります。このように要件定義は、良いコピーを作るために不可欠な基礎を築くことができる重要なステップです。

4. 表現の異なる案を複数出してみる(発散)

達成したい目標と要件定義ができたら、それに合わせてコピーを作ります。ここでポイントとなるのが、「異なるトーンや表現で複数案作成すること」です。

例えば、

熱い ー スタイリッシュ ー 落ち着いた感じ

など、ニュアンスの違いを言葉で表してみます。

タグライン、キャッチコピー作りの例

5. ひとつに絞る(収束)

ステップ4で複数案を出し発散できたら、最後に1つに絞る収束フェーズに入ります。
ここでは、どのような観点で「決める」のかの軸をまず決定する必要があります。

例えば、

  • どのトーンがよりユーザーに受け入れやすいか
  • どのトーンが会社の雰囲気にあっているか

などです。

この軸を決めたら、あとはその要件の「満たし度合い」で最終的な意思決定をします。

魅力的なコピーを作るためのテクニック

ここからは、どうすれば「魅力的な」コピーを作ることができるのか、そのためのテクニックをご紹介します。

ターゲットを決める

キャッチコピー作りには「ターゲット設定」が欠かせません。

ユーザーは一般的にピラミッド型で分類されると考えられています。その中の、どの部分のどのような人にアプローチしたいのかを明確にしましょう。

顧客ピラミッド

ターゲットを考える時は「ペルソナ」を設定することが有効です。ユーザーとなる人たちが、どんなことに悩みを持っているのか、何を求めているのか等を考えてみましょう。

ペルソナ作りのプロセスは下記記事で詳しく解説しています。

メリットよりもベネフィットを示す

ターゲットを明確にしたら、その人たちが「何を求めているのか」を言語化し、それに対し対象となる商品やサービスが何を提供できるのかを示すのも一つの手です。

メリット:商品やサービスの特徴・利点
ベネフィット:商品・サービスから得られる利益

例:Apple社「Mac book Air」

メリット:薄型で軽く、持ち運びが便利
ベネフィット:軽くて持ち運びやすいため、場所を選ばず仕事ができ、効率が上がります。

心理学のテクニックを活用する

キャッチコピーに心理学のテクニックを活用するのも良いでしょう。

同調効果

「多くの人が持っているから価値が高いものだろう」という多数派の意見を好意的に捉える傾向を同調効果と呼びます。「何人に一人が利用している」「話題の〇〇」といったトレンド性が高いことを示すことが効果的です。

スノッブ効果

同調効果とは反対に、「周りのみんなが持っているものは欲しくない」という考え方をスノッブ効果といいます。多くの人が持っていない特別なものに価値があるという心理現象です。「〇〇限定」のように、入手が難しいイメージを与えるのが効果的です。

アンカリング効果

いちばん最初に接したものや最も印象的な情報・数値があなたの意思決定や判断に影響を与えてしまう傾向のことを指します。例えば、「通常価格5000円→セール価格3990円」となっていると、お得感を感じやすくなります。

おわりに

ここまでキャッチコピーについて書いてきましたが、キャッチコピーの意義や考え方、制作プロセスが伝わったでしょうか。

キャッチコピーは商品やサービスの第一印象を決定づける重要な役割があります。ただ、それだけではなく、ブランディング全体やマーケティング戦略に関わってくるからこそ、前提の整理から実際にコピーを作って決めるところまで、一定の工数が必要になるのです。

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