企業ブランディングとは、自社のブランドがステイクホルダーから見られる自社のイメージを確立する為に大切な要素となります。この記事では「企業ブランディング」の意味や、作成する目的・実施手順などを解説します。日本の中小・大手企業の事例もご紹介するので、参考になれば幸いです。
目次
企業ブランディングとは?意味・目的を簡単に解説
企業ブランディングは、企業が自社の存在価値・信頼性・魅力を社会に対して一貫して発信し、「この企業だから選びたい」と思わせるための戦略的な取り組みです。
製品やサービスの質だけではなく、企業の理念・文化・ビジョンなど、あらゆる要素を総合的にブランディングすることで、競合他社との差別化を図り、市場での唯一無二の地位を獲得することを目指します。
企業ブランディングが強固に確立されると、顧客からの信頼度が高まり、価格競争に巻き込まれにくくなるなど、多くのメリットがもたらされます。
企業ブランディングについて解説
企業ブランディングは、ロゴやスローガンといった「ビジュアル要素」だけにとどまらず、社内カルチャー・顧客対応・サービス品質・コミュニケーション戦略など、多角的な要素を全て含んだ統合的なアプローチを意味します。
例えば、以下のようなアプローチが代表的です。
ブランドコンセプトの明確化
市場や顧客に対して、企業がどんな存在でありたいかを定義する。
一貫したメッセージ発信
オンライン・オフラインを問わず、企業の価値やメッセージがブレないように設計・運用する。
顧客体験(UX)の向上
サービスの品質だけでなく、顧客との接点(店舗・Webサイト・SNS・カスタマーサポートなど)をすべて考慮したブランド体験を提供する。
これらの要素を包括的かつ継続的に整備することで、顧客・従業員・投資家をはじめとするステークホルダーに「他の企業にはない魅力」を確実に伝え、長期的な信頼関係構築の実現に近づきます。
企業ブランディングを行う目的
企業ブランディングの主な目的は、強力なブランド価値を構築し、持続的に企業の成長を促すことです。具体的に目的としてリストアップしてみましょう。
企業の存在感・信頼感の向上
市場での知名度を高め、顧客からの信頼を勝ち取る、という目的です。消費者に「この企業だから安心できる」「このブランドなら間違いない」といった認識を与えられれば、大きな競合優位性となります。
顧客ロイヤルティの獲得
一度商品やサービスを購入した顧客がリピートしてくれる状態を作り出すことは、大きなメリットになりえます。強固なブランディングが確立されると、競合他社に値段や広告でアピールされても離れにくい“コアなファン”、いわゆるロイヤルカスタマーが育ちます。
差別化による市場競争力の強化
製品のスペックや価格での差別化が難しくなっている今、「その企業特有のストーリー」「その企業だからこそ得られる体験」が強力な武器となります。企業ブランディングは、こうした目に見えない価値を明確に示し、市場での独自ポジションを確立する鍵となるのです。
優秀な人材の獲得と社内活性化
ブランディングがしっかりしている企業は、「その企業で働きたい」という共感を得やすくなり、人材獲得や従業員のモチベーション向上にも良い影響を与えます。社外のみならず社内ブランディングも意識することで、従業員が自社に帰属意識を持ち、さらにブランド価値を高めるという好循環が生まれます。
効果やメリット
企業ブランディングによる効果・メリットは、企業運営に大きなインパクトをもたらします。その中でも代表的なものを見ていきましょう。
長期的な売上拡大と収益性向上
強固なブランドは価格競争に巻き込まれにくく、付加価値の高い商品・サービスを提供しやすくなります。結果として単価アップやリピート購入率の向上が見込め、長期的にみても収益を安定的に伸ばすことにつながります。
マーケティング・広告費の最適化
ブランド認知度が高まると、過度な広告宣伝に頼らなくても自然と顧客を獲得しやすくなります。口コミやSNSでのシェアなどオーガニックな広がりが期待でき、結果的にマーケティングコストの削減にもつながります。
競合他社との差別化
モノやサービスがあふれる時代において、ユーザーは企業そのもののストーリーや価値観に共感し、購入するモノやサービスを決めることが増えてきています。ブランディングが確立されていれば、「その企業しか提供できない価値」を顧客へ伝えやすく、競合優位性を確立することができます。
企業価値向上・ステークホルダーからの信頼獲得
顧客だけでなく、取引先や投資家に対しても企業の格やステータスを示せるため、新たなパートナーシップや優良な投資を獲得しやすくなるなど、多方面から企業の成長をもたらします。
社内におけるモチベーション向上
経営理念やブランドコンセプトが浸透している企業では、従業員の一体感・モチベーションが高まりやすく、離職率の低下にもつながります。企業ブランディングは社内の結束力を高め、生産性の向上を促す重要な要素でもあるのです。
企業ブランディングを戦略的に実行し、社内外ともに一貫したメッセージやビジョンを打ち出すことで、企業価値が向上し、市場での支持と高い収益性を手に入れることが可能です。
これからの時代は「何を提供するか」だけでなく「どの企業が提供しているか」という点が、消費者の購買行動を大きく左右します。
企業ブランディングに取り組むメリットについて、なんとなく理解していただけたのではないでしょうか?
企業ブランディングの事例を中小企業と大手企業に分けて5つ紹介
中小企業のブランディング事例を紹介
近畿編針株式会社
近畿編針株式会社は、2016年創業100周年を迎えらた、老舗の編針メーカーです。 同社は2016年12月に「編み物の世界を追求する」という意味を込めた「Seeknit」という新ブランドを立ち上げ、企業ブランディングを行いました。
ターゲット顧客の明確化
同社は、顧客層を絞り込むことで効果的なブランディングを実現しました。特定のニーズや嗜好を持つ顧客に焦点を当てることで、より的確なマーケティング戦略を立てることができます。
ブランドコンセプトの策定
ターゲット顧客に合わせたブランドコンセプトを設定しました。これにより、顧客の価値観や期待に沿った製品開発やサービス提供が可能となりました。
デザインの一貫性
ブランドロゴや製品パッケージに一貫性を持たせることで、視覚的な統一感を創出しました。これにより、顧客の記憶に残りやすいブランドイメージを構築することに成功しました。
株式会社グレープストーン「東京ばな奈」
株式会社グレープストーンは1978年に設立したお菓子メーカーです。
1991年に「東京ばな奈」の販売を開始しました。 東京ばな奈の企業ブランディングは以下のようになります。
「東京」というブランド価値を活用
同社は、日本で初めて商品名に「東京」を取り入れた商品です。この先駆的なネーミングや「東京みやげに東京ばな奈」というリズミカルなキャッチフレーズを使用して消費者に発信する事で、東京のお土産=東京ばな奈というイメージがついたブランドを確立しました。
一貫したブランドイメージ
よく目立つ黄色い看板が印象的ですが、それに合わせて商品のパッケージも黄色に統一するなど一貫したブランドイメージを構築しています。
お客様のニーズに適した工夫
同社は「東京ばな奈見いつけたっ」というキャッチフレーズのもと、 老若男女誰にでも喜ばれる味を目指し。積極的に新商品開発やリニューアルを行っています。また、出張の為東京駅を訪れたサラリーマンを意識し、A4サイズのパッケージにする工夫を行っています。
BALMUDA(バルミューダ)
家電メーカーのBALMUDA(バルミューダ)は2003年に設立された家電メーカーです。
現在は日本だけでなくアジア各国、一部のヨーロッパでも事業を展開し、ブランド力を強めています。
ユーザーへの体験価値提供に注力
同社は単なる製品の販売ではなく、消費者の使用体験に重点を置いたマーケティングを実施ました。例えば、トースターなら食べ物を温める機能を追求し、窯から出したばかりのパンの味を再現しました。こういった製品は日常的な家電に新しい価値を付加し、顧客に感動体験を提供しています。
デザイン重視
バルミューダの製品と言えば、シンプルなデザインであるイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に同社ではシンプルで洗練されたデザインを追求し、インテリアの一部として認識されるような製品を開発しています。
ストーリー性の重視
同社は商品を販売する際に、公式ウェブサイトで製品ごとの開発秘話を紹介したり、 代表者の体験から生まれた製品開発ストーリーの共有などを行っています。消費者に各製品の開発背景や思いを積極的に伝える事で「体験を届ける」企業スタイルと一貫している取り組みとなっています。
これらの取り組みから国内外から高い認知度を獲得し、 高級家電ブランドとしての地位を確立しました。
大手企業のブランディング事例を紹介
トヨタ自動車
トヨタ自動車は自動車業界において世界最高レベルのブランド力を誇っています。インターブランド社の「ベスト・グローバル・ブランド100」ランキングでは、自動車部門で2004年以降18年連続1位を獲得した経歴を持ちます。
一貫した品質を重視している
同社は、製品の品質を最優先に考えています。具体的には 生産プロセスの各段階で厳しい品質チェックを行うなどの厳重な品質管理や、新車開発の徹底的なテストを実施し、耐久性や安全性の確認を行います。また、部品の選定にも高いこだわりを持ち、信頼性の高い車両を提供しています。
品質の高い商品により高い信頼の獲得
上記のような取り組みを通じて高品質な製品を提供し続けることで、顧客の信頼を獲得しています。信頼は企業ブランドの根幹であり、高い信頼を得る事ができれば、リピート購入や口コミ効果が拡大し、結果としてたな顧客を獲得する機会の増加が見込まれます。
これらの取り組みにより、トヨタ車は「壊れにくい」「長持ちする」といったイメージが定着しており、消費者に安心感を与えています。
イオン株式会社
イオン株式会社は国内のモータリゼーションが進展する中、1992年に1号店をオープンしました。そこから人々の暮らしの変化を見据えて企業ブランディングを行ってきました。
顧客中心主義
同社は「お客様第一」の理念を掲げ、積極的に顧客中心のアプローチを行っています。総合小売業としてのブランドイメージを確立し、お客様の声を取り入れる仕組みを導入、それによって多様な顧客ニーズに応える幅広い商品展開を実現しています。具体的には「トップバリュ」をはじめとするプライベートブランド商品の展開により、品質と価格の両面で顧客満足を追求しています。
環境・社会貢献への取り組み
同社は環境保護や社会貢献活動を通じて、企業の社会的責任(CSR)を重視するブランドイメージを構築しています。例えば、「脱炭素社会の実現に向けた取り組み」として2025年までに国内全モールの使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替える目標を設定しています。実際に、Web明細サービスの推進により、2022年度には年間約6.5万トンのCO2排出量削減を実現した実績などを持ちます。
このように。イオン株式は顧客中心主義を基盤としながら、総合小売業としての強みを活かす事で常に進化し続けるブランドとしての地位を確立しています。
企業ブランディングのおすすめ勉強方法:本やウェビナーをご紹介
『ブランディングの教科書: ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる』 – 羽田康祐
『ブランディングの教科書』は、ブランド戦略の理論と実践をバランスよく学べる一冊です。ブランド構築の基本から高度な戦略までを分かりやすく解説しています。初心者でも理解しやすい平易な言葉で書かれており、具体的な事例や最新のマーケティングトレンドも豊富に取り入れられています。ブランド戦略を学びたい初心者から実務に役立てたいマーケティング担当者、ビジネスリーダーまで幅広くおすすめできる本です。
特徴
- 明快な理論解説: ブランディングの基本的な理論をわかりやすく説明し、初心者でも理解しやすい内容になっています。ブランドの概念やその重要性についての基礎を固めることができます。
- 実践的なアプローチ: 理論だけでなく、実際にどのようにブランドを構築し、管理するかについての具体的な方法を紹介しています。事例も豊富で、実際のビジネスシーンに即したアドバイスが満載です。
- 最新トレンド: 現代のマーケティング環境や消費者行動の変化を踏まえた最新のブランディング手法やトレンドを取り入れており、時代に即した戦略を学ぶことができます。
書籍名 | ブランディングの教科書 |
著者 | 羽田康祐 |
出版会社 | NextPublishing |
ページ数 | 292ページ |
販売価格 | 2,420円(税込) |
『手にとるようにわかる ブランディング入門』- 金子大貴
『手にとるようにわかる ブランディング入門』は、豊富な図版と実践的なワークシートが特徴の書籍です。ブランディングの基礎から実践までを学びたい方にとって、特に会社のブランディング戦略に活かせる実用的なガイドブックとしておすすめです。
特徴
- 図版が豊富: 他の書籍と比べて図版が豊富で、視覚的に理解しやすくなっています。ブランディングの概念やプロセスを視覚的に捉えることができ、内容が頭に入りやすいです。
- 実践的なワークシート付き: ブランディングの取り組み方をフェーズごとに解説し、それに対応するワークシートが付いています。これにより、書籍の内容を実際の業務に当てはめながら振り返ることができ、具体的な戦略立案に役立ちます。
書籍名 | 手にとるようにわかる ブランディング入門 |
著者 | 金子大貴 |
出版会社 | かんき出版 |
ページ数 | 256ページ |
販売価格 | 1,760円(税込) |
『ブランディング 7つの原則【改訂版】 成長企業の世界標準ノウハウ』-インターブランドジャパン
『ブランディング 7つの原則【改訂版】 成長企業の世界標準ノウハウ』は、ブランディングの基本から応用までを体系的に学べる一冊です。7つの原則を中心に、実例を交えて解説しているため、理論と実践の両面からブランディングを理解することができます。グローバル市場でのブランド戦略を考える際にも非常に有用です。マーケティング担当者や経営者、ビジネスリーダーにとって、ブランド価値を高めるための必読書です。
特徴
- 7つの原則: ブランディングにおいて重要な7つの原則を詳しく解説しています。これにより、一貫性のあるブランド戦略を構築するためのフレームワークを学べます。
- 実例豊富: 成功企業の具体的な事例が多く紹介されており、実際のビジネスでの応用方法を学べます。
- 世界標準のノウハウ: グローバルな視点からのブランディングノウハウが詰まっており、国際市場でのブランド戦略を考える際に役立ちます。
書籍名 | ブランディング 7つの原則【改訂版】 成長企業の世界標準ノウハウ |
著者 | インターブランドジャパン |
出版会社 | 日本経済新聞出版 |
ページ数 | 304ページ |
販売価格 | 3,380円(税込) |
ウェビナー:戦略的ブランドはどのように生み出されるのか
ここまではおすすめの書籍をご紹介してきましたが、弊社が発信しているウェビナーもブランディングのインプットに活用していただけるのではないでしょうか。
弊社の代表:中村が、ブランド構築の経営における重要性と、その思考プロセスについて解説しています。以下のリンクから視聴可能ですので、ぜひご活用ください。
企業ブランディングの依頼におすすめの企業
株式会社セブンデックス
弊社セブンデックスは、マーケティング×デザインに特化した「企業に寄り添い、事業成長にコミットするデザインコンサルティングファーム」です。企業ブランディングにも強みを持っています。
UXUI / ブランディング / マーケティングを主戦場としており、顧客体験からコミュニケーションまで一気通貫でデザインし、多角的な視点から企業価値の向上と事業成長を支援致します。
サービスやブランドの戦略部分からともに考え、デザインの分野を主軸に伴走してくれるのが特徴です。また、UXUIを主戦場にしつつも、飲食店の店舗デザインやパッケージデザインなどオフラインのプロダクトデザインも行うなど、幅広い分野の実績をもつ会社です。
弊社では、その他にブランディングの依頼におすすめの企業を以下の記事内で紹介しております。更なる情報が必要な方はぜひご覧ください。
また、こちらの企業もおすすめです。
株式会社ARUTEGAは東京・大阪を拠点にするWebサイト制作を起点にしたデザイン会社です。企業サイトのデザイン制作・マーケティングを粘り強くサポートし高い集客力を実現します。
デザインブランディング・企業研修・コンテンツSEO対策に強みを持っています。
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企業ブランディングの実施方法や手法を紹介
企業ブランドの現状分析:内部・外部からのアプローチ
企業ブランディングを成功に導くためには、まず自社の強み・弱みや市場での立ち位置を正確に把握することが不可欠です。
内部分析では、経営理念・企業文化・提供サービスの品質などを客観的に洗い出し、強化すべき点を明確化します。外部分析では、競合他社のブランディング手法やターゲット顧客のニーズ・トレンドを徹底的にリサーチし、自社が発信すべき独自価値を導き出します。
これらの情報を組み合わせ、現状と理想像のギャップを把握することで、精度の高いブランディング戦略を構築できるのです。
ブランドコンセプトの策定:企業の核となる価値の明確化
現状分析の結果を踏まえ、企業が「世の中にどんな価値を提供するのか」「なぜこの企業でなければならないのか」を一言で言い表す“ブランドコンセプト”を策定します。
企業ブランディングの軸となるこのコンセプトは、経営陣だけでなく従業員・顧客など全てのステークホルダーに訴求できるものにしましょう。理念やビジョン、コアバリューを盛り込みながら、シンプルかつ明確な言葉で表現し、一貫性を保つことが重要です。
企業の進むべき方向性が明確になれば、あらゆる行動や意思決定に”ブレ”が減り、ブランド全体の魅力が強固になります。
ビジュアル要素のデザイン:ロゴ・カラー・フォントなどの統一
ブランドコンセプトを視覚的に伝える手段として欠かせないのが、ロゴマークやカラーパレット、フォントなどの“ビジュアル要素”です。
これらは企業の第一印象を左右する重要な要素であり、ブランディングの要でもあります。社内外の目線でデザインテストを行い、企業の本質を的確に表現できるかを徹底的に検証しましょう。
ロゴはシンプルでありながら印象に残るもの、色彩は企業の価値観や提供するサービス特性とマッチするものを選定し、ガイドラインとして統一することで、企業とステークホルダーとのあらゆる接点でブレないブランドイメージを形成できます。
メッセージ開発とストーリーテリング:企業らしさを言語化
ロゴやカラーが企業の“顔”である一方、その“言語”となるのがメッセージやストーリーです。
商品・サービスの特徴だけではなく、「どのような社会課題を解決するのか」「どういった思いでビジネスを行うのか」といった物語性を打ち出すことがポイントとなります。企業ブランディングにおいては、事実を羅列するだけでなく“物語”として語ることで、顧客の感情に訴えかけやすくなります。
例えば社名の由来や創業者の想い、失敗から学んだ教訓など、独自性を表現できるエピソードを積極的に取り入れ、企業が目指す世界観を共感を呼ぶ形で幅広く発信しましょう。
社内浸透施策:従業員をブランドの担い手に
企業ブランディングは社外への発信だけでは完結しません。ブランディングの成否を分けるのは、従業員一人ひとりがブランドをどのように理解し、実践しているかです。
定期的な研修やワークショップ、ブランドガイドラインの周知徹底などを通じて、全社的にブランドコンセプトを共有します。さらに、従業員が自社の活動に誇りを持てるような社内コミュニケーションを整備することで、自然に「ブランドのファン」になってもらうことが重要です。
こうして従業員が自発的にブランドを体現できる環境を整えることで、企業ブランディングの相乗効果の向上を目指します。
マーケティングチャネル戦略:SNS・オウンドメディア・イベント活用
ブランディングメッセージを社会に広く届けるためには、各種マーケティングチャネルを戦略的に選定・活用することが不可欠です。
SNSではタイムリーかつ双方向のコミュニケーションが可能で、特にビジュアルやストーリーを効果的に拡散できます。オウンドメディア(ブログ・メルマガ・動画チャンネルなど)は、より深い情報発信と専門性のアピールに最適です。また、展示会やセミナーなどのリアルイベントでは、直接的な体験価値を提供し、ブランドへの信頼感を高められます。
チャネルごとの特性を踏まえ、統一感のあるブランドイメージを一貫して発信することで、“どこで見ても同じブランドイメージ”という信頼を与えられるでしょう。
ブランディング効果測定:KPI設定と継続的な改善サイクル
企業ブランディングは一度構築して終わりではなく、常に世の中の変化に応じて進化させ続ける必要があります。そのためにも、KPIを設定し、定量・定性双方の観点から効果をモニタリングしましょう。
たとえば、ブランド認知度や好意度、SNSのエンゲージメント率、顧客満足度、リピート購入率などを継続的に追いかけます。定期的なアンケート調査や競合比較分析を組み合わせれば、ブランドイメージの向上や課題をより詳細に把握可能です。
得られたデータをもとにPDCAサイクルを回し、常に最適解を探り続けることこそ、企業ブランディングを一過性のもので終わらせないための秘訣です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では企業ブランディングについての解説と企業様の事例をご紹介してきました。読者の皆様のお役に立てる情報がありましたら幸いです。