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【企業の業界別】企業のブランディング事例集

企業の価値を伝え、他社との差別化を図る中で重要になってくるブランディングですが、具体的にどのようなブランディングがあるのか、どのような工夫があるのか、知りたいのではないでしょうか?

こうした背景をもとに、この記事ではブランディングについて、食品業界、採用、インスタグラムを利用したブランディング、アパレル企業のブランディング事例、ブランディング失敗例などを事例集としてまとめています。企業ごとのクリエイティブな事例をまとめているのでぜひ最後までご覧ください!

ブランディングとは

ブランディングとは「企業や製品のアイデンティティを定義し、そのイメージを構築・管理するプロセス」です。どのようなイメージを持ってもらいたいか戦略を立てるところから始まり、そこからロゴや広告、アプリ、パッケージなど、さまざまな接点に戦略を落とし込んでいきます。「その企業のらしさ」をイメージできるようになることで、ブランドは戦略通りの確固たるブランド像を獲得することができます。

以下の記事でブランディングそのものについて詳しく解説していますので見てみてください!

次からはブランディングに成功した企業の事例集をまとめています。

企業のブランディングに成功した事例を紹介!

日本鋳鉄管株式会社

日本鋳鉄管株式会社は水道や排水などの配管システムに利用される鋳鉄管を製造・販売する企業です。

ここでブランディングのビフォーアフターを見ていきましょう。

ブランディング前は…

1.情勢の変化から市場が縮小傾向にあり、企業として変革が必要
2.ステークホルダーとの接点が少なく、事業価値が伝わりづらい

そこで、

①コーポレートロゴを刷新

日本鋳鉄管株式会社ロゴコンセプト
https://sevendex.com/work/nichu

・未来を見据えた上で普遍的なものであること(2100年にそのロゴが存在していても違和感がない状態)
・伝統的な表現を使わずに、厳格さを出す

②ウェブサイトのデザインを更新

日本鋳鉄管株式会社ウェブサイト写真
https://sevendex.com/work/nichu

ミッション、ビジョンを明確にした上でデザインをすることにより、事業価値や企業理念が社員だけでなく顧客にも伝わるデザインになりました。

大和ハウス

住宅・建設・不動産分野で国内最大規模の売上高を持つ企業である大和ハウス。

調査に基づき、ブランドの狙うべきマーケットの選定などから、想定する顧客像、競合とのポジショニングなどを整理し、掲げるべきタグラインやキャッチコピーなど、思想を実装していく上で鍵となる中心要素をまとめました。そして、顧客との接点となる部分のビジュアルデザインを磨き、企業の伝えたいブランドイメージや理念などが伝わるウェブデザインに!

大和ハウスウェブサイト写真
https://sevendex.com/work/daiwahouse

食品のブランディング

湖池屋

湖池屋商品パッケージ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000679.000003039.html

湖池屋はリブランディングにおいて、今後の姿としてイメージしたのは「老舗の料亭」でした。そこで、新たなロゴとして、縁起が良くハニカム構造の六角形の中に「湖」の文字を配し、家紋を思わせるデザインに。六角形には、これまでの湖池屋が大切にしていた「親しみ」「安心」「楽しさ」に、「本格」「健康」「社会貢献」を加えた新生湖池屋の6つのコアバリューを込めています。そしてロゴの下には、ポテトチップスを整然と並べ、創業当時、手作業で一枚一枚こだわって揚げていた創業者のポテトチップスへの想いを表現したそうです。この利ブランディングは2017年にグッドデザイン賞を受賞しています。

とらや

とらやお菓子
https://www.toraya-group.co.jp

とらやは、日本の伝統的な和菓子を製造・販売する企業として知られています。同社は、和菓子作りの伝統と技術を大切にし、一貫した品質の製品を提供することで、「高級で贅沢な和菓子」のブランドイメージを築いていきました。「おいしい和菓子を喜んで召し上がっていただく」という経営理念を守り続けながら、時代の変化に合わせて、商品は季節感や自然の美しさを反映する独自のデザインが施されています。

とらや会社年表
https://sun-ad.co.jp/works/toraya/

とらやの歴史や製品の由来などを展示やウェブサイトに掲載し発信することで、消費者とのつながりを深めています。とらやの長い歴史はブランドの信頼性を高め、丁寧な接客と高品質な店舗デザインは顧客への尊敬と感謝の気持ちを示しています。これらすべての要素が融合し、とらやは高級感・伝統・品質・信頼性を象徴するブランドとしての地位を確立し、消費者に認知されています。

採用ブランディング

採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、「候補者から選ばれる」ことの難易度が高まっている中で、採用候補者から見た企業のブランドイメージを確立し、求人広告、スカウト、採用HP、Twitterなどで一貫したイメージを訴求することです。企業が人材市場で優秀な人を惹きつけ、採用し、維持するためのブランドイメージや良い評判の構築に焦点を当てています。

採用ブランディングで成功している企業の事例には、以下のようなものがあります。

Netflix

Netflix仕事場
https://www.rcrecruit.com/en/an-employer-brand-success-story-netflix/

Netflixは、その企業カルチャーで有名です。自分でスケジュールを管理し、どう仕事するかを決められる自由さと同時に、全員が責任を持って課題を対処しようとする姿勢が求められています。会社は社員を管理することよりも、Netflixのためにベストを尽くすよう背中を押すことを目標としており、その自由さを求める高い責任力を持つ人にとって魅力的な職場となっています。

またNetflixは最高の職場環境として、専門分野で卓越した能力を持つ優秀な人材が共通の大きな目標に向かって切磋琢磨するドリームチームを掲げています。Netflixは自分たちを家族ではなくプロのスポーツチームと捉えており、社員たちの間には深い絆と親しみがある一方で、同僚から高い要求を突きつけられることもあるような、刺激のある環境を重要視しています。

SONY

SONY仕事場
https://www.sony.com/en/SonyInfo/technology/stories/entries/2020_yoshida/

SONYは、存在意義として「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」を掲げており、技術革新と創造性を重視していることが伝わると思います。SONYは金融やゲーム、音楽などさまざまな事業を展開するようになり、全世界に11万人もの社員がいるグローバル企業になりました。その中で、「ソニーとは何者なのか」、「ソニーグループが何のために存在するのか」を明確にすることで、理念に共感し、同じ志を持つ人材が集まります。

以下の記事で採用ブランディングについて詳しく解説しています。

Instagramを利用したブランディング

レッドブル

Red Bullロゴ
https://www.redbull.com/jp-ja/

「冒険者を称え、翼をさずける」というブランドアイデンティティを掲げ、「選手たちと共に、無名なスポーツや大会を世に広める」という「選手=主役」の姿勢を貫いています。

その結果、レッドブルの「エキサイティングな毎日を過ごす冒険者」に「翼を授ける」という「独自の役割(=ブランドポジショニング)を築き上げ、今では多くの若者から支持を得ています。レッドブルは1本275円と、エナジードリンクの中では高価にもかかわらず、若者から指名買いされるブランドに成長しています。

インスタグラムをみてみると、商品写真よりも、自社が関わるスポーツイベントや音楽ライブといった「オフラインイベント」に関する写真や動画をメインに運用していることが、主な特徴です。

Red Bull Japan インスタグラム

画像や動画を掲載し、その場の臨場感を伝えることのできるinstagramを活用することで、「エキサイティングな毎日を過ごす冒険者」に「翼を授ける」という独自のブランディングを築き上げています。

無印良品

無印良品仕事場
https://www.muji.com/jp/ja/store

無印良品はあれほどたくさんの種類のモノを売っているのに、どの商品を見ても「無印っぽいな」と思わせる力があります。無印良品のスローガンは「自然と。無名で。シンプルに。地球大。」です。それを象徴するかのように、無印良品の商品はどれも自然と暮らしに馴染む形と色をしています。無印のインスタグラムを見てみましょう。

無印良品インスタグラム

みてみると、どの投稿も一目で商品の雰囲気がわかるだけではなく、無印良品らしく一貫してシンプルな雰囲気になるような写真選びがされています。このように一つ一つの投稿が全て商品を上手く紹介できているだけではなく、投稿の積み重ねの結果、一つのアカウント全体で会社・お店の世界観を統一できている無印良品はインスタでのブランディングを始める際に参考になるでしょう。

大人気アパレル企業のブランディング

ユニクロ

ユニクロのリブランディング戦略は、ブランドアイデンティティの明確化とグローバル市場への適応が中心でした。これにはチェーンからブランドへ変わることを指します。

ブランドアイデンティティとしては、品質や性能のクオリティ、デザイン、そして企業コンセプトやストーリーの共感価値をユニクロは明確にしました。ロゴや公式フォントの刷新や、シンプルな「Life Wear」コンセプトの導入により、ユニクロは新しい価値を提供し、グローバルなブランドとしての地位を確立しました。

ユニクロのLife Wear

 ・生活ニーズから発想した服

 ・細部への工夫に満ちた服

 ・シンプルで完成度の高い部品としての服

 ・変化を先取りして進化し続ける服

 ・あらゆる人のための上質な服

ナイキ

独特な「スウォッシュロゴ」と「Just Do It」というスローガンで知られるNikeは、強力なブランド力で大きな成功を収めています。スポーツウェアに強みを持ちながらも、ファッション、音楽、ストリートカルチャーとも深くつながることで、幅広い顧客層に企業イメージを浸透させています。

またNikeは、運動データをトラッキングし、パフォーマンスを分析するサービス「Nike+」を過去に実践しました(現在はナイキランクラブ)。

このサービスはNikeのウェアと連携させユーザー体験を向上するだけでなく、このプラットフォームを通じてNikeを購入していない顧客層にもNikeのブランドイメージを届けることができます。Nikeが単なるスポーツメーカーではなく、顧客の健康をサポートするパートナーであるというイメージを強く持たせました。

Nike+広告写真
https://www.nike.com/jp/nrc-app

ブランディングの失敗事例

コカコーラの事例

コカ・コーラの1985年のリブランディング試みは、製品の味を変更することで大きな失敗となりました。この変更は「New Coke」として導入されたが、消費者からの強い反発を受け、わずか79日後にオリジナルの味「Coca-Cola Classic」として再導入されました。この失敗は、ブランドへの消費者の深い愛着と感情的なつながりを軽視した結果でした。

トロピカーナ

Tropicanaは製品パッケージを更新しましたが、新しいデザインは消費者に受け入れられず、売上が20%減少し、約3000万ドルの損失となりました。

トロピカーナパッケージ画像
旧ロゴ(左)、新ロゴ(右)
https://note.com/offtopic/n/n1e16325d214f

GAP

2010年に新しいロゴを発表したGAPは、ブランドの近代化を試みましたが、新しいロゴは一般的で無個性と見なされ、消費者に混乱を招きました。このリブランディングの失敗により、約1億ドルの損失が発生しました。

GAP企業ロゴ
旧ロゴ(左)、新ロゴ(右)
https://blog.btrax.com/jp/logo-gap-and-airbnb/

ブランディングおすすめ企業

ここからはブランディングを得意とする12の企業を紹介しています。

会社名実績
株式会社セブンデックス三井不動産(新規事業創出支援・UXUIデザイン支援)
日本鋳鉄管株式会社(デザイン経営の推進、ブランド価値の創造・構築、VI制作)
株式会社FUNPANY「POTALU」(クリエイティブ全般の支援、メニュー開発・店舗設計)
リクルートスタッフィング( サイトのUXUIデザイン支援)
gooddesigncompany.com相鉄ホールディングス(相鉄デザインブランドアッププロジェクト(車両、駅、制服等のデザイン))
Oisix(ロゴ制作、商品パッケージ)
中川政七商店( ロゴ制作、商品パッケージ・店舗デザイン)
anicecompanyURBAN RESEARCH DOORS(カタログのアートディレクション・デザイン)
john masters organics (EC,、動画や写真のディレクション)
JUN&ROPE (EC、動画や写真のディレクション)
MIMIGURI株式会社ゆめみ(コーポレートアイデンティティ、コピー作成)
東京大学工学部(ブランディングのコンセプト作り〜クリエイティブ作成)
GRAMCOバンダイナムコグループ(リブランディング(ロゴ制作やアイテムデザイン等))
駒沢大学(リブランディング(ブランドコンセプトやスローガン))
Interbrandニコン(ブランドシンボル・ブランドステートメント策定)
富士通(ブランド・アイデンティティ作成)
花王「ASIENCE(アジエンス)」(ブランド名策定)
Landor & Fitchランコム(店舗のコンセプト設計とデザイン)
Australian Open (ロゴデザイン、デジタルグラフィック)
Walmart (アプリ・体験・広告等のデザイン)
BANNISTARサンスター G・U・M(パッケージデザイン開発)
P&G アリエール(マーケティング戦略及びパッケージデザイン開発)
EIGHT BRANDING DESIGNヤマサ醤油(ブランディング)
nana’s green tea(ブランディング)
ユースキン(コーポレートおよび製品のブランディングデザイン)
PARKSmartHR (コンセプトブック)
8 THE THALASSO(商品コンセプト、ネーミング、全体アートディレクション)
Nスタ(ロゴ、アートディレクション)
RISKY BRANDヒルトン東京お台場(レストランのブランディング)
マイナビ(コーポレートブランディング)
野村不動産グループ(コーポレートブランディング)
Takramラクスル株式会社(ビジュアルアイデンティティのリニューアル)
株式会社メルカリ(ロゴ、Rebrandingウェブサイトの制作)
ISSEY MIYAKE FLORIOGRAPHY(ブランディング)

さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

顧客に選ばれるブランディングならセブンデックス

戦略的にブランドを作り上げていくことでビジネスを効果的に前進させていくことができるブランディングは、非常に重要な役割を果たします。戦略を考えるだけでは意味がなく、その戦略を的確に表現できて人に伝えることができるクリエイティブを制作でき、それらを長期的に分析改善することが必要です。これらの工程全てを行うデザイン会社はそう多くありません。多くの場合が、戦略だけ・表現だけを行なってしまっているのが現状です。

ブランディングを同じ熱量で進めてくれるプロと一緒に行うことは、より良いブランドを作り上げるためにとても重要です。全ての工程を一気通貫して行うことができるセブンデックスにぜひご相談ください。

ブランディング支援資料

セブンデックスのブランド構築プロセスと実績詳細が解説されている資料を無料でダウンロードできます。

Web制作やイベント企画、1年間クロアチアに留学するなどのバックグラウンドを持つ。ファッションに関心を持ち、大学ではアパレル、SNSマーケを主に研究している。慶應義塾大学総合政策学部に在籍。