東邦ガス株式会社さまのブランドブックをデザインしました

東邦ガス株式会社さまのリブランディングプロジェクトにて、セブンデックスのデザイナーとしてブランドブックをデザインしました。

愛知県、岐阜県、三重県の東海3県を中心に都市ガスを届け、業界第3位である東邦ガスグループ。ガス事業をコア事業として、100年以上に渡り地域のインフラを支えてきました。
カーボンニュートラルの推進により市場環境が大きく変化する中、時代の流れに適応するため、2022年に「東邦ガスグループビジョン」を公表。このグループビジョンの達成に向けて、企業として目指すべき方向性を明確にし、社内外を含む企業イメージの刷新と向上を目指すために2025年3月にリブランディングを実施し、「わたしたちの思い」と「コミュニケーションフレーズ」を公表しました。

セブンデックスはブランドアイデンティティの定義から、浸透のためのクリエイティブ制作まで担当しました。

ブランドブックは東邦ガスグループの全グループ会社に配布されるインナー向けのコンテンツですが、公開の許可をいただきましたので、制作プロセスやデザインの一部をご紹介いたします。

“見たことのない”ブランドブックをつくる

リブランディングプロジェクトのクリエイティブ制作において掲げたコンセプトが「シーンをつくる」。ただ伝わるだけでなく、クリエイティブが起点となり“現象を起こす”ことを狙うものです。ブランドブックにおいては、「リブランディングを知らせる資料」ではなく、「社員同士で東邦ガスグループの未来を共有するツール」として使用されることを目指しました。

そこで、東邦ガスグループの過去、現在、そして未来をひとつのストーリーとして結びつけ、そのストーリーを漫画形式で表現するという発想が生まれました。

現在に至るまでの東邦ガスグループの過去を踏まえた上でリブランディングの内容を理解し、さらには目指す未来像を共有することで、ただ情報を伝える資料であることに留まらず、深い理解とともに社員自らがアクションを起こすキッカケとなることができるのではないか、と考えました。漫画という表現手法を用いることで、多くの方にとって親しみやすいブックを実現しました。その結果、コンテンツ量が膨大なのに読みやすい、これまでにないブランドブックとなりました。

ブックデザイン

制作したブックの一部を、流れに沿って紹介します。ちなみに、コンテンツ企画から、ライティング、ブックデザイン、漫画のプロット構想・シナリオ制作、漫画制作、イラスト制作まで、全てセブンデックスが手掛けました！

導入

東邦ガスグループの新入社員が主人公の設定です。メンターとなる存在が現れ、主人公に教えをもたらすというプロットです。過去・現在・未来と時空を超えるストーリーでスケールを感じさせます。配布の日程に合わせて2025年の春を舞台にすることで、臨場感も狙ってみました。

過去：東邦ガスグループの歴史

歴史ページに限らず、全てのページにおいて、コンテンツの内容を充実させながら、写真・図・イラストを活用した視覚的なレイアウトにすることで、読み応えと読みやすさの両立を実現しています。

現在：新ブランドの解説

新ブランド「わたしたちの思い」「コミュニケーションフレーズ」を説明するページです。表層的な理解に留まらないように、策定の経緯や込めた思いを丁寧に解説しています。

インタールード：社員インタビュー

インタールード（幕間）的に入れた、インタビューページ。新ブランドの策定に関わった社員のみなさんにご協力いただき、決定した新ブランドについてどう考えているのか、インタビューにて伺わせていただきました。読者が、新ブランドを自分ごととして捉えやすくするための工夫として企画しました。

未来：新ブランドを実現した未来の姿

ストーリーは、メンターが主人公に未来を紹介する場面で締めくくります。ブックの終わりに「賑わいの生まれた未来の東海地域」を、「探し絵」スタイルで描いたイラストを見開きで掲載しました。ストーリーの終わりにインパクトを演出すると共に、じっくりと見る楽しみも生まれる、ブックという媒体にぴったりのイラストになりました。

幕は開けたばかり

ブランドブックが配布されたところでデザイナーとしての役割はここで一区切りを迎えますが、リブランディングの本当の始まりはこれからです。このブランドブックが東邦ガスグループ社員のみなさんに届き、未来を共に築く一員となるきっかけとなることを、心より願っております。