株式会社MIXIが展開する「minimo」は、美容師やネイリスト、アイデザイナーなどのサロンスタッフとユーザーをつなぐサービスです。
サービス開始から10年以上にわたり、多くのユーザーの「なりたい」を支えてきた一方で、
事業が成長し、関わるメンバーが増える中で、「ユーザーファースト」という言葉の捉え方に少しずつズレが生まれていました。
ユーザーを大切にしたいという想いは同じでも、誰を思い浮かべているのか、どのような価値を届けるべきなのかが人によって異なると、議論は抽象的になりやすくなります。
本記事では、セブンデックスが支援したMIXI minimo事業部のプロジェクトを振り返りながら、ユーザーファーストを組織として体現するために、どのようにユーザー像や提供価値、行動指針を定義していったのかを紹介します。
プロジェクトの詳細は、下記実績ページにまとまっていますので、ぜひご覧ください。
目次
1.minimoが抱えていた課題
minimoは、SNS mixiのコミュニティをきっかけに生まれたサービスです。
美容領域において、ユーザーの「なりたい」と、サロンスタッフの技術や想いをつなぎ、長年にわたり多くのユーザーに利用されてきました。
MIXI minimo事業部では、日頃から「ユーザーファースト」を大切にしており、ユーザー視点を持つことへの意識も高い組織でした。
一方で、サービス開発や施策の議論になると、メンバーそれぞれが想起するユーザー像にズレがありました。
ユーザーに対する熱量はある。けれど、同じユーザーを見ているとは限らない。
その状態では、議論が抽象的になったり、判断基準が揃わなかったり、コミュニケーションコストが生まれてしまいます。
サービスが11年目を迎え、次の成長フェーズへ進むタイミングだからこそ、minimoが誰に、どのような価値を届けるサービスなのかを改めて定義する必要がありました。
2.まずは事業理解から
プロジェクトの初期段階で重視したのは、minimoというサービスを表面的に理解するのではなく、事業としての戦略や目指す未来まで深く理解することでした。
これまで作成されてきた戦略資料やKPIを読み込み、事業としてどのような価値筋を描いているのか、今後どのような成長を目指しているのかを整理しました。
あわせて、ボードメンバーやマネージャーへのインタビューを実施し、事業部内で感じている課題や、今後大切にしていきたい考え方を把握していきました。
インナーブランディングや行動指針づくりでは、きれいな言葉をつくるだけでは意味がありません。
事業の方向性、組織の状態、メンバーが日々向き合っている課題を理解したうえで、現場で使える言葉に落とし込む必要があります。
そのため、まずはminimoの事業と組織を理解することからプロジェクトを始めました。
3.サービスの価値を定義する
次に取り組んだのが、minimoというサービスがユーザーに提供している価値を定義することです。
サービスには、事業としての戦略や差別化要素があります。しかし、それがユーザーにとってどのような価値や満足体験につながっているのかが整理されていなければ、日々の意思決定に活かしづらくなります。
そこで、minimoが持つ強みや差別化要素を、ユーザー視点で捉え直しました。
ユーザーはminimoを通じて、
「どのような期待を持ち、どのような体験に価値を感じているのか。」
「サロンスタッフとの出会いや施術体験を通じて、どのような満足を得ているのか。」
こうした問いを整理しながら、事業戦略とブランド価値を接続していきました。
大切にしたのは、「事業として目指す姿」と「ユーザーに届ける価値」が矛盾なくつながっている状態をつくること。
これにより、minimoがどのようなサービスとして選ばれ続けるべきなのかを、組織として共有しやすい形に整えていきました。
4.ユーザー像を明確にする
サービスの提供価値を整理した後は、その価値を届ける対象となるユーザー像を明確にしていきました。
「ユーザーファースト」を実践するためには、まず組織の中で想定しているユーザー像が揃っている必要があります。
誰のために考えるのかが曖昧なままだと、施策や機能改善の議論も抽象的になりやすくなります。
そこで、UXリサーチを通じてユーザーの価値観やニーズへの理解を深め、チームの共通指針となるペルソナを策定しました。
ペルソナは、単なる資料ではありません。
施策を考えるとき、機能改善を検討するとき、コミュニケーションを設計するときに、「このユーザーにとって本当に価値があるのか」を立ち返るための判断軸です。
そのため、策定にあたっては、ペルソナとは何か、なぜ必要なのかといった前提も丁寧に整理しました。
さらに、現場のメンバーが覚えやすく、日常の会話でも使いやすいように、ニーズを由来にした名前をつけるなど、浸透しやすさにも配慮しました。
5.行動指針へ落とし込む
ユーザー像や提供価値を定義しただけでは、組織の行動は変わりません。
重要なのは、それらを日々の判断や行動に落とし込める状態にすること。
本プロジェクトでは、「minimoユーザーファースト」を組織文化として体現するために、事業部の行動指針を策定しました。
ボードメンバーやマネージャー層との対話を通じて、これまでminimo事業部が大切にしてきたこと、そしてこれからの事業成長に向けて必要なことを言語化していきました。
抽出したキーワードは、抽象的なスローガンで終わらせず、具体的な行動に置き換えることを重視しました。
たとえば、ユーザーを大切にするという考え方を、日々の議論や意思決定の中でどのように実践するのか。迷ったとき、何を基準に判断するのか。
そうした問いに答えられる指針にすることで、ユーザーファーストを組織の共通言語として機能させることを目指しました。

6.組織に根づく言葉をつくる
行動指針を策定するうえで大切にしたのは、正しいだけでなく、組織に馴染む言葉にすること。
どれだけ意味のある指針でも、メンバーが自分たちらしいと感じられなければ、日々の行動にはつながりにくくなります。
そのため、言葉の検討では、minimo事業部の雰囲気やテンション、メンバーの人柄を踏まえながら、馴染みやすく、使いやすい表現を探っていきました。
また、MIXI社としてのPURPOSEやVALUESとの関係性も整理。
企業全体の指針と、事業部としての指針が並んだときに、メンバーが「何を意識すればよいのか」で迷わないようにするためです。
インナーブランディングでは、言葉をつくること以上に、その言葉が組織の中でどう受け取られ、使われていくかが重要です。
7. ブランド成長はここから始まる。
今回のプロジェクトは、minimo事業部がこれまで大切にしてきた「ユーザーファースト」を、改めて組織の共通言語として定義し直す取り組みでした。
事業戦略やKPIを読み込み、ボードメンバーやマネージャーへのインタビューを通じて組織の課題を把握する。
そのうえで、サービスの提供価値を整理し、UXリサーチを通じてユーザー像を明確にし、行動指針へ落とし込んでいきました。
一連のプロセスを通じて目指したのは、minimoに関わるメンバーが、同じユーザー像を見ながら、同じ方向に向かって意思決定できる状態をつくること。
ブランドは、外に向けた見え方だけでなく、日々の施策や機能改善、チーム内の議論など、一つひとつの判断や行動の積み重ねによって形づくられていきます。
だからこそ、誰に、どのような価値を届けるのか。迷ったときに何を基準に判断するのか。組織の中で共通認識を持つことが、ブランドを育てていく出発点になります。
今回策定したユーザー像や行動指針は、minimoに関わるメンバーが日々の意思決定の中で使い続けることで、サービスの体験やコミュニケーションに反映され、ブランドとしての一貫性を少しずつ強めていきます。
セブンデックスでは、ブランド戦略やUXリサーチ、ペルソナ設計、行動指針策定、インナーブランディングまで、事業と組織の両面から一貫して支援しています。
ユーザー視点を大切にしているものの、組織内で判断基準が揃っていない。
サービスの価値やユーザー像を、チームで共通認識化したい。
事業成長に向けて、組織の行動指針や文化を整えたい。
このような課題をお持ちの場合は、ぜひ一度ご相談ください。







