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【グロースプロセス】プロダクトの成長を妨げる原因を特定する方法

プロダクトを成長させるためには、1度リニューアルするだけでなく、継続的に改善し続けなければいけません。

そのために、ユーザーの声を聞いてみたり、施策のアイデアを発散したりしているわけですが、「やってみた施策がなかなか成果に結びつかない」ということも多くあるのではないでしょうか。

プロダクトグロースにおいては、この「正しい施策を考える」ということが非常に難しいところで、よくある失敗例として以下の2つがあります。

①解決したい課題の原因を特定できていない
②原因に対して、施策が機能していない

本記事では、「①解決したい課題の原因を特定できていない」にフォーカスし、

プロダクトを成長させるために必要な、「原因特定」の方法についてご紹介します。

プロダクトグロースの大まかな流れ

まず、プロダクトグロースの大きな流れについてお話しします。
グロースの大きな流れとして、一つの課題解決に対して「①計画」→「②分析」→「③設計」の3つのステップが存在します。

①の計画フェーズでは、プロダクトが抱える複数の課題に対して取り組む優先順位をつけ、「最速でプロダクトを成長させるには、今どの課題に対して着手するべきなのか」を決めていきます。

そこから、課題解決に必要な期間や工数などをざっくり見積もり、スケジュールを決定します。

②の分析フェーズでは、課題に対して複数の原因が考えられる中で、最もクリティカルな原因を特定します。「お腹が痛い」という患者に対して、昨日の食事が当たったのか、ウイルス性の胃腸炎なのか、ストレスによるものなのか。その状況を引き起こしている原因を特定していきます。

③の設計フェーズでは、「②」で特定した原因に対して、適切な解決策を探っていきます。

この3つを通じて、1つの課題に対しする改善施策を決定し、完了したらまた次の課題へ着手します。

▼グロース全体のプロセスについてはこちら

課題に対する原因を特定するための方法

冒頭に触れた「解決したい課題の原因を特定できていない」に該当するのは、

「②分析」のフェーズです。

課題を引き起こしている原因を感覚的な予測で決めてしまい、正しく特定できてない。それにより、施策を試しても改善に繋がらないということが多くあります。

「②分析」の細かいステップを辿りながら、正しい原因特定方法について見ていきましょう。

①課題分析

まず、取り組む課題を分析し、課題に対する解像度を上げていきます。

プロダクトの仕様や、プロダクトを取り巻く環境の変化も含めて、課題に関係する周辺環境への理解を深め、次の「原因仮説構築」に繋げていきます。

②原因仮説構築

次に、「課題の原因となっているものは何か?」という今回の問いに対して、

簡単なデータの分析や、思い当たる節を辿ったりしながら、「これが原因かもしれない」という仮説を構築していきます。

例えば、「ユーザーの離脱が多い」という課題をに対して考える際、

原因としては、「思っていたのと違かった」という利用前の期待値とのギャップかもしれませんし、
「使い方が複雑で使いこなせていない」という複雑性が原因かもしれませんし、
「使うシーンが少なくなった」という外部要因かもしれません。

原因を特定するには、まずは想定されるものをMECEで洗い出す必要があります。

③立証方法検討

仮説を立てたら、次にその仮説を検証するフェーズに入っていきます。

検証にはデータが必要になるため、まずは「何のデータを集めたら検証できそうか」ということを考えいきます。

先程の、「ユーザーの離脱が多い」という例で考えると、
「思っていたのと違かった」「利用前にイメージしていたものと違った」
が原因だとするのであれば、離脱した人は2回目以降のリテンション率が低いことが予想できます。

逆に、上記の理由で離脱が起きているのであれば、2回目以降も利用してくれている人(利用前とのイメージギャップが無い人)は、3回目以降も継続的に利用してくれていて、現在はアクティブユーザーとなっていることが予想できます。

つまり、「アクティブユーザーとなっている人は2回目のリテンション率が高く、アクティブユーザーでない人は1回目の利用のみで終わっている」という状態であれば、この仮説は真であると言えます。

このように、日本語で構成された文章を数式に翻訳し、仮説の審議を判定できる方程式を立てていきます。

④立証材料の収集方法検討

方程式を立てた後は、データを取得し、その方程式が成立するかを検証していきます。

先程の一例で言うと、

  • 初回アクセス日
  • 2回目のアクセス日

の2つを元にリテンション率を算出し、加えて

  • 最終アクセス日

のデータを元に、アクティブユーザーかどうかを判定することで、

アクティブユーザーとそうでないユーザーにおける、リテンション率の相関関係が見えてきます。

ですので、この場合は「初回アクセス日」「2回目のアクセス日」「最終アクセス日」の3つのデータが必要です。

このように、検証に必要なデータを明確にし、取得していきます。

データをトラッキングできていない場合

この時、必要なデータが全て取得できる状態であれば良いのですが、そのようなことはあまり多くありません。

立証するために必要なデータを集めるところから始めなければいけないことも多く、その時はトラッキングを設計する必要が出てきます。

また、直接的に取得できるデータであれば良いのですが、複数のデータを足し算・掛け算したりすることで取得できるデータもあるため、データの取得条件を考えた上でエンジニアの方にトラッキングをお願いできると良いでしょう。

⑤収集データの読解/原因解明

最後に、取得したデータを読み解き、考察を導き出します。

取得したデータは、膨大な数字の羅列であることも多いと思うので、グラフにしたり平均値を取ったりすると読み解きやすいでしょう。

上記で立てた方程式と照らし合わせ、どの仮説が正しかったかを結論づけ、課題に対する原因を特定します。

まとめ

ここまでが、プロダクトグロースにおける課題原因の特定プロセスになります。

ここから、特定した原因に対して「どのような解決施策が適切か」考えていくフェーズに入っていきますが、原因特定の段階で正しく特定できていないと、当然ですが正しい改善施策は生まれてきません。

原因特定のプロセスは、日本語と数値を行き来したり、膨大な情報から解を導いたりするので非常に頭を使う仕事ですが、グロースの軸になる大事な部分でもあります。

データ分析が得意な人材の力も借りながら、プロダクトの課題における原因を正しく特定できるようにしていきましょう。

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新卒入社でマイナビに入社し、企画営業としてマイナビ転職や、求人広告販売を担当。全社表彰/社長賞獲得。CX(Candidate Experience)を通して広義のデザインに可能性を感じ、また自分の仕事の領域を広げたいと思い、セブンデックスに入社。現在はPM/UXデザイナーとして様々な案件に携わりつつ、採用人事など幅広く担当している。