企業ブランディングとは? KNOWLEDGE
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企業ブランディングとは?意味や目的、手順を解説!成功事例やメリットも紹介

企業ブランディングとは、自社のブランドがステイクホルダーから見られる自社のイメージを確立する為に大切な要素となります。この記事では「企業ブランディング」の意味や、作成する目的・実施手順などを解説します。日本の中小・大手企業の事例もご紹介するので、参考になれば幸いです。

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企業ブランディングとは?意味・目的を簡単に解説

企業ブランディングとは?企業ブランドとの関係も説明

企業ブランディング(コーポレートブランディング)は、企業ブランドを構築・強化するための戦略的活動です。

企業ブランドは、企業の名前、ロゴ、歴史、評判、価値観、文化などから成り立ち、市場での認識を示します。

一方、企業ブランディングは、これらの要素を活用して企業の価値を高め、ステークホルダーに共通のイメージを浸透させる施策の事を指します。 自社の強みを活かし、顧客や取引先から「安心できる」企業として選ばれることを目指して行われます。

企業ブランディングを行う目的

ブランディングの主な目的は以下の通りになります。

  1. 顧客の共通イメージを浸透させる
  2. 競合他社との差別化を図る
  3. 選ばれる企業としての地位を確立する

これにより、高価格でも選ばれる可能性が高まり、企業価値や信頼性の向上が期待されます。また、優秀な人材の採用や資金調達にも寄与する為、企業にとって長期的な成長を支える重要な戦略となります。

プロダクトデザインとの違い

プロダクト・製品ブランディングは、製品のパッケージや品質を向上させ、消費者に良いイメージを与えることで製品ブランドを構築する施策です。

製品ブランディングは価格競争を避け、リピート購入を促進することが目的にであることに対し、企業ブランディング企業全体の価値を高める事が目的になります。

企業ブランディングによって得られるメリット

企業ブランディングには3つのメリットがあり、その効果は企業の成長に直結します。

マーケティングの費用対効果の向上

まず、マーケティングの費用対効果が向上し、ブランドの認知度が高まることで、消費者が「このブランドなら安心」と感じ、購買行動を促進します。

従業員のモチベーションの向上

また、強固なブランド力は従業員のモチベーションをアップさせ、企業理念が浸透することで組織文化が統一され、業務効率が向上します。

優秀な人材確保

さらに、企業ブランディングは人材採用にも有利に働き、優秀な人材を獲得しやすくなります。高い企業価値を持つことで、資金調達が容易になり、新規市場への進出や競合他社との差別化が可能となり、長期的な企業の成長と成功に寄与します。

ブランディングに関する詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
ブランドコンサルティング企業をお探しの方はこちらの記事もご覧ください。

企業ブランディングの事例を中小企業と大手企業に分けて5つ紹介

中小企業のブランディング事例を紹介

近畿編針株式会社

近畿編針株式会社
参照:https://www.seeknit.jp/

近畿編針株式会社は、2016年創業100周年を迎えらた、老舗の編針メーカーです。 同社は2016年12月に「編み物の世界を追求する」という意味を込めた「Seeknit」という新ブランドを立ち上げ、企業ブランディングを行いました。

ターゲット顧客の明確化
同社は、顧客層を絞り込むことで効果的なブランディングを実現しました。特定のニーズや嗜好を持つ顧客に焦点を当てることで、より的確なマーケティング戦略を立てることができます。

ブランドコンセプトの策定
ターゲット顧客に合わせたブランドコンセプトを設定しました。これにより、顧客の価値観や期待に沿った製品開発やサービス提供が可能となりました。

デザインの一貫性
ブランドロゴや製品パッケージに一貫性を持たせることで、視覚的な統一感を創出しました。これにより、顧客の記憶に残りやすいブランドイメージを構築することに成功しました。

株式会社グレープストーン「東京ばな奈」

東京ばな奈
参照:https://www.tokyobanana.jp/

株式会社グレープストーンは1978年に設立したお菓子メーカーです。
1991年に「東京ばな奈」の販売を開始しました。 東京ばな奈の企業ブランディングは以下のようになります。

「東京」というブランド価値を活用
同社は、日本で初めて商品名に「東京」を取り入れた商品です。この先駆的なネーミングや「東京みやげに東京ばな奈」というリズミカルなキャッチフレーズを使用して消費者に発信する事で、東京のお土産=東京ばな奈というイメージがついたブランドを確立しました。

一貫したブランドイメージ
よく目立つ黄色い看板が印象的ですが、それに合わせて商品のパッケージも黄色に統一するなど一貫したブランドイメージを構築しています。

お客様のニーズに適した工夫
同社は「東京ばな奈見いつけたっ」というキャッチフレーズのもと、 老若男女誰にでも喜ばれる味を目指し。積極的に新商品開発やリニューアルを行っています。また、出張の為東京駅を訪れたサラリーマンを意識し、A4サイズのパッケージにする工夫を行っています。

BALMUDA(バルミューダ)

BALMUDA(バルミューダ)
参照:balmuda.com/jp/↗

家電メーカーのBALMUDA(バルミューダ)は2003年に設立された家電メーカーです。
現在は日本だけでなくアジア各国、一部のヨーロッパでも事業を展開し、ブランド力を強めています。

ユーザーへの体験価値提供に注力
同社は単なる製品の販売ではなく、消費者の使用体験に重点を置いたマーケティングを実施ました。例えば、トースターなら食べ物を温める機能を追求し、窯から出したばかりのパンの味を再現しました。こういった製品は日常的な家電に新しい価値を付加し、顧客に感動体験を提供しています。

デザイン重視
バルミューダの製品と言えば、シンプルなデザインであるイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に同社ではシンプルで洗練されたデザインを追求し、インテリアの一部として認識されるような製品を開発しています。

ストーリー性の重視
同社は商品を販売する際に、公式ウェブサイトで製品ごとの開発秘話を紹介したり、 代表者の体験から生まれた製品開発ストーリーの共有などを行っています。消費者に各製品の開発背景や思いを積極的に伝える事で「体験を届ける」企業スタイルと一貫している取り組みとなっています。

これらの取り組みから国内外から高い認知度を獲得し、 高級家電ブランドとしての地位を確立しました。

大手企業のブランディング事例を紹介

トヨタ自動車

参照:https://global.toyota/jp/

トヨタ自動車は自動車業界において世界最高レベルのブランド力を誇っています。インターブランド社の「ベスト・グローバル・ブランド100」ランキングでは、自動車部門で2004年以降18年連続1位を獲得した経歴を持ちます。

一貫した品質を重視している
同社は、製品の品質を最優先に考えています。具体的には 生産プロセスの各段階で厳しい品質チェックを行うなどの厳重な品質管理や、新車開発の徹底的なテストを実施し、耐久性や安全性の確認を行います。また、部品の選定にも高いこだわりを持ち、信頼性の高い車両を提供しています。

品質の高い商品により高い信頼の獲得
上記のような取り組みを通じて高品質な製品を提供し続けることで、顧客の信頼を獲得しています。信頼は企業ブランドの根幹であり、高い信頼を得る事ができれば、リピート購入や口コミ効果が拡大し、結果としてたな顧客を獲得する機会の増加が見込まれます。

これらの取り組みにより、トヨタ車は「壊れにくい」「長持ちする」といったイメージが定着しており、消費者に安心感を与えています。

イオン株式会社

イオン株式会社
参照:https://www.aeon.info/company/

イオン株式会社は国内のモータリゼーションが進展する中、1992年に1号店をオープンしました。そこから人々の暮らしの変化を見据えて企業ブランディングを行ってきました。

顧客中心主義
同社は「お客様第一」の理念を掲げ、積極的に顧客中心のアプローチを行っています。総合小売業としてのブランドイメージを確立し、お客様の声を取り入れる仕組みを導入、それによって多様な顧客ニーズに応える幅広い商品展開を実現しています。具体的には「トップバリュ」をはじめとするプライベートブランド商品の展開により、品質と価格の両面で顧客満足を追求しています。

環境・社会貢献への取り組み
同社は環境保護や社会貢献活動を通じて、企業の社会的責任(CSR)を重視するブランドイメージを構築しています。例えば、「脱炭素社会の実現に向けた取り組み」として2025年までに国内全モールの使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替える目標を設定しています。実際に、Web明細サービスの推進により、2022年度には年間約6.5万トンのCO2排出量削減を実現した実績などを持ちます。

このように。イオン株式は顧客中心主義を基盤としながら、総合小売業としての強みを活かす事で常に進化し続けるブランドとしての地位を確立しています。

企業ブランディングの成功に必要なこと

成果が出るまでに時間がかかることを理解する

企業ブランディングとは、「企業の価値を高め、ステークホルダーに認識してもらう」ことが必要です。つまり、ブランディングを行ってすぐに効果を出すことは難しく、企業が作成したブランドアイデンティティやブランディング施策が顧客に受け入れられるまでには時間がかかることを理解する必要があります。

ブランディング会社に依頼することも検討する

その上でブランディングを行う際には、自社の現状を綿密にリサーチし、正確に実施することが求められます。この情報を踏まえて自社のポジショニングを考え、自社の強みを活かしたブランディングを行うことが重要です。

また、企業当事者の思い込みを排除して、客観的な現状分析を行いたい場合は、外部の専門企業の協力を得て、第三者の視点を入れながら行うことがおすすめです。必要がある場合は自社の経営理念に寄り添ってくれるようなブランディング会社に依頼すると効果的な戦略を考案してくれるでしょう。

企業ブランディングの依頼におすすめの企業

株式会社セブンデックス

株式会社セブンデックス
参照:https://sevendex.com/

弊社セブンデックスは、マーケティング×デザインに特化した「企業に寄り添い、事業成長にコミットするデザインコンサルティングファーム」です。企業ブランディングにも強みを持ちます。

UXUI / ブランディング / マーケティングを主戦場としており、顧客体験からコミュニケーションまで一気通貫でデザインし、多角的な視点から企業価値の向上と事業成長を支援致します。

サービスやブランドの戦略部分からともに考え、デザインの分野を主軸に伴走してくれるのが特徴です。また、UXUIを主戦場にしつつも、飲食店の店舗デザインやパッケージデザインなどオフラインのプロダクトデザインも行うなど、幅広い分野の実績をもつ会社です。

弊社では、その他にブランディングの依頼におすすめの企業を以下の記事内で紹介しております。更なる情報が必要な方はぜひご覧ください。

ブランディング支援企業をお探しの方は以下の記事もご参考ください。

企業ブランディングを実施する際の5つのステップ

企業ブランディングを実施する際に正しく進める為の5つのステップをご紹介いたします。
これから自社で企業ブランディングを行う予定のある方はぜひ参考にしてください。

自社の現状を把握する

自社のサービスや商品、競合と比較したときの立ち位置などを確認しましょう。

自社・競合他社については3C分析・SWOT分析・PEST分析などのフレームワーク、自社の市場におけるポジショニングに関してはSTEP分析を活用する事がおすすめです。

2ブランドを定義する

現状把握によって自社の強みを確認できたら、自社の魅力を打ち出すブランドを定義しましょう。他にはない、独自の魅力・特徴は、企業価値や社会的な意義を伝えるための軸として重要です。 ここで注意するべきなのは「客観的に強みを捉える事」です。ブランドの定義を好みで決定しない事を徹底しましょう。

戦略を立案する

ステップ2で定義したブランド軸を元に、実際にブランディングを進めていく為の戦略を策定します。ここでは具体的な商品のブランド名や特徴、社会的な役割、商品パッケージデザイン、企業全体のブランディングなどを行います。

また、定めたターゲットに対してどうブランド価値を届けていくかについてもこの段階で検討します。手段としては具体的な商品のブランド名や特徴、社会的な役割、商品パッケージデザイン、企業全体のブランディングなどが使用される場合が多いです。

運用

ブランドの戦略が策定できたら、次は実際に運用に移りましょう。この段階では、ブランドの価値を最大化するために、経営者から従業員まで全員がブランド定義に沿って行動することが求められます。 経営者は、末端の従業員に至るまでブランド定義の理解と実行を促すために、頻繁に内部でアクションを起こす必要があります。具体的には、定期的なコミュニケーションやトレーニングを通じて、ブランドの理念や価値を浸透させることが重要です。

5検証

最後に、運用データを分析し、実際の効果を測定・運用を進めましょう。ユーザーのニーズは日々、目まぐるしく変化する為、ニーズを意識しながら根気強くブランドを高めていく必要があります。一般的に短期間で企業ブランディングを確立することは難しいので、PDCAサイクルを回しながら粘り強く運用・検証を行いましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では企業ブランディングについての解説と企業様の事例をご紹介してきました。読者の皆様のお役に立てる情報がありましたら幸いです。

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アシスタントディレクター
大学でマーケティングを実践的に学ぶゼミに所属し、商品企画のインターンシップに参加。仲間と熱量を持って切磋琢磨しながら価値を創造する、セブンデックスのカルチャーに魅力を感じ、インターンとして入社。法政大学キャリアデザイン学部在籍。