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UXデザインの成功事例から読み解く、3つのポイント

日本でも自社サービスのUXデザインに力を入れてきた企業が増えてきましたね。UXデザインを取り入れることでユーザー体験が向上し、サービス成長に繋がります。
ただ、初めてUXデザインを行う場合、慣れていないと成功イメージが湧きづらいですよね。

そこでこの記事ではUXデザインに力を入れていきたい企業向けに、UXデザインの成功事例と、成功事例から読み解く重要なポイントをご紹介します。

UXデザインにおける成功の定義とは

UXデザインの成功事例をご紹介する前に、そもそも『成功の定義』について述べたいと思います。

UXデザインとは『ユーザー視点で体験を構築し、利益を上げる仕組みを設計する』ことです。間違えないで欲しいのは、ユーザー視点で体験設計するだけがUXデザインではない、ということです。
私たちはサービスを通してビジネスを行っています。たとえ良いユーザー体験ができてもビジネスとして成り立たずサービス提供できなくなってしまったら、それは最悪のUXデザインになってしまうのです。

UXデザインによってユーザーが心地よいと感じ、適切なタイミングで有料転換する。ビジネスロジックまで設計できて初めてUXデザインであり、売上に繋がることこそが成功の定義なのです。

UXデザインの成功事例

次に、企業がどの様にUXデザインを取り入れたのか、株式会社セブンデックスで行った案件の成功事例を元に見ていきましょう。

株式会社ライトオン

ライトオンではUXデザインを取り入れた、ECサイトリニューアルを行いました。UXデザインを取り入れることで、ECサイト経由の売上が倍増しました。

経営陣と目線のすり合わせ

リニューアル前のサイトは、事業戦略が決まっているのに戦略がアウトプットとして反映されていない状態。この状態を解決するために、経営陣とUXデザイン観点の課題整理とアクションプランのすり合わせを行いました。すり合わせを挟むことで「ユーザーの視点を入れるとここが抜け落ちていたんだ」と共通認識が持て、現場へスムーズに課題共有を行うことができました。

第三者目線による客観的評価から課題の詳細を抽出

次にデザイン専門家や店舗に来店したユーザーを対象に、第三者目線での客観的な調査を実施しました。机上で考えたものは、視野が狭くなりがちです。客観的な評価を取り入れることで、見え方から本質的な課題を抽出、そこからブランドのあるべき姿を描き、ギャップを埋めていくことができました。

改善がどのKPIに寄与するか予測する

課題解決方法の仮説検証を行うにあたって、施策だけ行い評価しなければそれが事業成長に繋がったか把握できません。そこで、施策実施前にKPIツリーを作成。その施策はどのKPIを改善するのか整理しました。KPIとの紐付けによって、UXデザインの効果がビジネス視点で把握できました。

株式会社うるる

うるるでは事業成長のためにSFA/CRMを導入。構築/浸透支援を行いました。現場セールスフロー設計、コミュニケーション設計、データ設計など、CRMを中心に情報、人を最適化し、売上向上に寄与しました。

現場を徹底的に知り、意図を把握する

既存の運用をただツールに載せ替えただけでは効果がありません。そこで営業活動に関わる全チームのヒアリングを実施。これらをつなげて1つのフロー図を作成しました。フロー図を見ながら「なぜこの運用を行っているんだろう」と裏の意図を考察。最適化を図るために解決すべき本質的課題の抽出を行いました。

ビジネスインパクトのある改善を見える化する

セールスフローを構築するにあたって、理想はすべてのUXデザインを実現することですが、限られた時間の中で機能を絞る必要がありました。
そこで、どの機能が売上に一番寄与するかビジネスインパクトを試算し、優先度を立てて実施しました。

実現優先度を決め実装したことで、UXデザインの効果を複利的に得ることができました。

UXデザインを成功させるポイント

今回ご紹介した事例から、UXデザインを取り入れるにあたって重要なポイントをご紹介します。

全員が同じ課題認識を持つ

UXデザインを進めるにあたって、認識相違の積み重ねが大きなズレを生みます。設計を行うにあたり事業の全メンバーのベクトルを合わせましょう。ベクトルを合わせる際には以下を意識してみるのがおすすめです。

  • Who:誰の課題を解決する/ニーズを満たすのか
  • What:何の課題を解決/ニーズを満たすのか
  • How:どの様に満たすのか

徹底的なユーザー目線

ターゲットを決め、ユーザー像が見えてきたら、徹底的にそのユーザーを理解することが非常に大切です。ユーザー視点がないと、「個人的にはこっちの方が好み」など、主観による判断しかできなくなってしまいます。
また、ユーザーの解像度が低いことで、本当に必要ではない機能を取り入れるなど、選択ミスを起こします。

個人的によく例にあげるのが電子レンジ。多くの企業が「機能が多ければすごいと思って買ってくれるはず。」「調査で◯◯が面倒とわかったから、やらなくて良い機能を追加しよう」と、多機能な電子レンジを作りました。

そんな中注目を浴びたのが、バルミューダの電子レンジ。バルミューダの電子レンジは大きくあたためとオーブン機能しかついていません。バルミューダの調査によると、多機能レンジを使いこなせないユーザーがほとんどでした。確かに普段電子レンジを使う中で、「水を入れてメニューの52番を選んでグリルプレートを置いて」とはやらないですよね。そこでバルミューダはあえて機能をシンプルにする課題解決方法を取りました。
ユーザーは機能に課題があるのではなく、あたためる体験が複雑になっていることに課題を持っていたのです。

ユーザー目線に立つことで、本当に求められていることはなにか、言動の裏側を見つけることこそUXデザインの醍醐味です。

売上(ビジネス視点)との整合性を取る

どんなにユーザー目線で考えた素晴らしいものだとしても、ビジネスとして成立しなければ意味がありません。その施策はビジネスインパクトがあるのか、それはどのくらいが見込めるか、整合性を取っておきましょう。

逆算思考が持てるかどうかで、UXデザインが成功するかが大きく変わる重要なポイント。整合性のとり方として、KPIツリーやロジックツリーを使って整理、当てはめる方法がおすすめです。


ここまで成功事例から読み解く重要なポイントをご紹介しました。UXデザインにおける成功のポイントは意外とシンプルでしたね。この3つを常に意識しながらUXデザインに取り組んでみてください!
この記事がお役に立てば幸いです。

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事業/組織開発
アメリカ/ボストン生まれ。新卒のナビタイムジャパンでフロント/サーバーサイドエンジニアを経験後、グッドパッチでプロジェクトマネージャー、UXデザイナー、マーケティングを担当。2019年セブンデックスに入社。事業・組織開発として、マーケティング、プロジェクトグロースに従事。SalesfoceなどCRMを活用した事業支援を行なっている。