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現役UXデザイナーが感じる、ユーザーテストを成功させる3つのポイント

ワイヤーフレームやUIデザイン・プロトタイプなど、実際にユーザーの方に触っていただき、改善に繋げたいときに実施するユーザーテスト。UXデザイナーが実践で意識している3つのポイントを紹介します。

実施の背景や目的の共有

ユーザーテストをより良くするには、実はユーザーに実際に触ってもらう前に重要なポイントがあります。それは、ユーザーテストの実施の背景や目的を参加者へ事前に明確に伝えることです。とても単純なことですが、これによって得られる結果やテストのスムーズさは変わってきます。

実際、ユーザーにサービス概要やテストの目的を説明する場合、都度スライドを作成し、冒頭にそれを使って参加者に説明しています。(準備には時間がかかるので、準備時間をしっかりととることをお勧めします。)

情報の共有を丁寧にした方がいい理由は、テストをする前に参加者へ伝える必要があることがたくさんあり、その共有コストが想像以上に大きいからです。限られた時間の中で、手短にそれらを伝える必要があります。そのためには、口頭だけでは伝えるのが難しいので、スライドを用いた方がスムーズになります。

また参加者が質問に回答しやすいと思えるような安心ができる雰囲気や環境を作れると、より価値ある情報をキャッチアップすることができます。ユーザーテストでは「このボタンだど使いづらいかもしれません。」など、少しネガティヴなことを初対面の相手に、インタビューという慣れない状況下で伝えてもらわなくてはなりません。

そのためには、ユーザーテストの実施背景や目的をしっかりと伝え、認識を合わせることが大切です。それが出来ていないと、目的がはっきりと分からないがために「自分が発話する内容が間違っているのでは?」と不安に思って、答えるのを控えてしまうことに繋がってしまいます。

ですので、ユーザーテストの実施の背景や目的を参加者へ事前に明確に伝えること、つまり少し広げて考えるのなら、テスト参加者の目線でユーザーテストの体験をデザインする意識を持って準備することが大切だと思います。

インタビュイーとのコミュニケーション

ユーザーテストでは参加者に実際にデザインやプロタイプを利用してもらい、使いづらい箇所を発見したり、実際の利用環境について教えていただくこともあります。特にユーザーとテスト中の参加者とのコミュニケーションの取り方ですが、参加者にいつでも話しかけて良いという風に私は考えています。一連のタスクが終わった後にまとめて聞くのも1つの手です。また事前に想定しなかった動き、例えばボタンを見つけられずにずっと止まっているなどの行動をユーザーがしたときに、その場で聞いてしまっても構いません。

ここでポイントになるのは、違和感を持ったり、質問をしたいと思えるためには理想の体験やユーザーの動き・想定ユーザー・利用環境などに対してシミュレーションしておく必要があるということです。

たとえば、不動産業界のサービスのユーザーテストを実施する場合、不動産業界は専門的な知識が多かったりするのですが、そうした業界の知識が理解できていることで、はじめてユーザーとフラットに話すことができます。ですので、そうした業界の理解や、ユーザーの利用方法・利用状況に関する情報を持っておくことで、想定していなかった参加者の動きに対して、瞬時に反応して質問を投げかけ、ユーザーの思考や知らない業界や現場情報などを明らかにすることができるのです。

また、思考発話法も有効です。操作してもらいながら、自分の考えていることを口に出してもらいます。自分でやってみるとわかりますが、普段することではないため、負荷がかかる作業ではありますが、ユーザーの思考をキャッチアップできるのでおすすめです。

考えていることを口にするというのは、普段しないことなので、最初の方は戸惑われる方が多いです。また、最初の方が発話できていたけれど、途中から発話量が少なくなることもありますので、そういったときは、随時「いま、どのようなこと考えられえいますか?」と尋ねてみるといいでしょう

先ほど、話しやすい環境を作ることがここでの重要だとお伝えしましたが、それがユーザーテスト中のコミュニケーションの取りやすさにも良い影響を与えます。

議事録の取り方

ユーザーテストでは質問者とは別に議事録を取る人が必ず必要です。ここまででご紹介してきたとおり、質問者は本番中かなりの集中が求められます。質問と議事録の執筆を決して1人ではできません。必ず議事録担当者に参加してもらいましょう。

また、ユーザーテストでの議事録の書き方ですが、テスト後に発言・行動を切り分けて把握できるように、それぞれ別でメモをすることをおすすめします。ただ、発言と行動合わせて議事録を取るのもなかり難しいので、本番中は発話の記録を残し、テスト後に録画を見て行動に関してメモするとよいかと思います。

発話と行動の両方の記録がファクトとして残すことで、デザインの改善に活かすことができると思います。以上、ユーザーテストで実際に使える3つポイントの紹介でした。ぜひ、実践してみてください。

おわりに

本記事ではユーザーテストで心がけるべきポイントをご紹介しました。テスト参加者とのコミュニケーションを通して、必要なデータや改善点を洗い出しましょう。

また、ユーザーテストはUXの設計、改善において避けては通れない道です。UXデザインの詳細な解説は以下の記事でしていますので、ぜひ合わせてお読みください。

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