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ユーザーインタビューでは事実に着目せよ!ユーザーも気づいていない本質的ニーズを発見するには

今回の記事では、ユーザーインタビューで本質的なニーズを発見するために、「事実」に着目したインタビュー設計について解説していきたいと思います。

UXデザインやユーザーリサーチに携わったことがある方は、「ユーザーインタビューは主観的な意見より事実に着目する」というTIPSを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

ユーザーインタビューの目的は様々ありますが、ユーザーが本質的に求めていることや課題に感じていることを発見したり検証することが目的に含まれることがほとんどだと思います。


つまり、ユーザーインタビューが成功したと言えるには、その人自身ですら気づいていない、もしくは言語化できていないようなユーザーの根本にあるニーズや課題をインタビューを通じて発見することができたかが重要になります。

既に誰もが当たり前に知っているニーズを抽出しても、それではわざわざインタビューを実施した意味がありません。

では、そんなユーザーの本質的なニーズを発見するには、インタビューでどんなことを意識してユーザーの声に耳を傾ければ良いのでしょうか。

ユーザーの本質的ニーズは「意見」ではなく「事実」にあり

ズバリ、その答えは冒頭でも触れた通り、ユーザーの主観的な「意見」ではなく客観的に不変な「事実」(実際に取った行動)に着目することになります。なぜなら、実はユーザー自身も自分の本質的な欲求を理解できていない場合がほとんどだからです。

わかりやすく恋愛で例えてみましょう。

よく「好きなタイプと実際に付き合う人は違う」と言いますが、好きなタイプ(=主観的な意見)と実際に付き合った人(=事実)どちらに着目すれば、他者を好きになる時の本質的なニーズを抽出できるでしょうか。

言うまでもなく、後者である実際に付き合った人(=事実)に着目するとその人自身が本当に好きになる人に求めていたもの、つまり本質的なニーズを発見することができます。

と言ったように、ユーザーインタビューにおいても注目するべきはユーザーの「・・・したい」「・・・がほしい」といった主観的な意見ではなく、「実際にどんな行動をしたか」という事実に着目することが本質的ニーズの発見に繋がります

「意見」というのは、あくまでもその時の主観であり、状況や盤面の変化に応じて、いくらでも変化し得るものです。一方で、「事実」はその人自身の本質的な欲求から突き動かされた結果となっていることがほとんどです。実際に取った行動というのは意見よりも確かな証拠となるのです。

では、どうすればユーザーインタビューで意見ではなく、事実をうまく聞き出していくことができるでしょうか?

事実を聞き出すユーザーインタビューのコツ

「事実」をユーザーからうまく聞き出すためには、質問の仕方が重要なポイントになってきます。

基本的に、質問の抽象度が上がったり、一般化していくほど「意見」が集まりやすくなります。

ですので、インタビューの質問を設計する際には意識的に「事実」を集める質問の仕方になっているかを確認しましょう。例えば以下2つの質問で考えてみましょう。

  • 普段休日は何をして過ごすことが多いですか? → 意見
  • 今月の休日は何をして過ごすことが多かったですか? →事実

このときに『普段は「旅行」に行くことが多い』と回答したユーザーが、実際に旅行に行くのは多くても月1回くらいで、ほとんどの休日は『「近所の温泉」に行くことが多い』だとしたら、意見と事実にはずれが生じています。

このように事実を引き出すには5Wをうまく活用して、具体的なエピソードを引き出す質問にすることが必要になってきます。

質問が抽象的にならないようにするためには、できるだけその質問の時間軸を現在に近づけて質問していくことです。そうすれば、事実に近い情報がユーザーから得られてきます。

具体的には質問の中に「直近で」「昨日」「今週」といった言葉を含めて、具体的なエピソードを深掘りしていくと事実をより多く知ることが出来ます。

ユーザーが「重要だと思うこと」(意見)と「実際に行動したこと」(行動)には違いがある、ということを常に意識しながら質問設計に取り組んでみてください。

終わりに

私自身、最初の方のユーザーインタビューで「・・・したい」や「・・・がほしい」といった一見ニーズにも見えるユーザーの発言に注目して深掘りしてしまうということが多々ありました。

ですが、ユーザーの本質的ニーズは「事実」にあるということを意識し、なるべく具体的な事実を聞き出せる質問になっているかを事前に確認した上で、ユーザーインタビューを実践してみてください。

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