株式会社ディオントーキョーは『最先端のテクノロジーで最高のゴルフ体験を』を企業理念に掲げ、高性能ゴルフシミュレーターを販売しています。全国のインドアゴルフ練習場、個人宅等への設置実績を有し、インドアゴルフ業界をリードしてきた企業です。
セブンデックスは製品価値を正しく届けるために、事業戦略に基づいたウェブサイトのリブランディングに携わりました。
ウェブサイト完成までのプロセス。そして完成に辿り着くに至る意志や視座とは。
本プロジェクトに携わった株式会社ディオントーキョー 代表取締役 田中さん、セブンデックス UXディレクター 坂田、UIデザイナー 正木にお話しを伺いました。
目次
社運をかけたリブランディング。共創の可能性を感じたセブンデックスの意志
ーウェブサイトのリブランディングに至った経緯について教えてください
田中様:私が経営に携わることになって最初にやりたいと思っていたのが、サイトリブランディングでした。それまでのウェブサイトはかなり勿体無い印象で。製品の価値は高いのに、アピールポイントの伝え方も分かりづらくて、例えば画像や動画もとりあえず配置した状態、文章も結局何を伝えたいのか分かりづらい状態。せっかくゴルフシミュレーターに興味を持って訪れたユーザーにとって、どこから見ていけば良いのか分からない状態になっていたことが大きな課題でした。特にスマホ版は、UIデザインの観点からもどこに遷移するのか分からないなど、価値を届ける以前の部分にも課題がある状態でした。
課題解決したい中で見つけたのがセブンデックスさんだったのですが、『企業に寄り添いつつ事業にコミットする』というキーワードに興味を持って。
今回のプロジェクトでは、ただ雰囲気を変えるだけではなくて、「正しく価値を届け、事業成長に寄与したい」と言う想いがあったんですよね。
なので、ただ要件を聞くと言うより提案をもらいながら一緒に作って行きたいと思っていたんですが、まさに自分のイメージにぴったりだと感じました。
特に印象的だったのが商談を何度か重ねた後、最後直接お会いしたいとお願いしてオフィスにお邪魔させてもらったんですよ。その時に「御社の製品はここがすばらしいのにこの表現がもったいない」「こう言う状態を実現したいですよね」の様なディスカッションがその場で始まったのがすごく心地よくて。
最初に抱いた印象そのまま、この人たちとなら何か一緒にできると肌で感じられたので、セブンデックスさんと一緒に進めていこうと決めました。
5年後を見越した最初の一手。製品の価値・優位性を引き出す視座
ープロジェクトを始動する上で心掛けたことはなんですか?
坂田:田中さんには、プロジェクト開始前のヒアリングで5年後の目標を共有頂きました。今回のリブランディングは『5年後を見越した初手』となるので、自分たちも将来の成長を見据えた一手として相応しいか意識しました。あとは、僕と正木がゴルフ未経験者ということもあり、“誰にどのような価値を提供をするのか”をしっかり訴求できるよう、田中さんやプロジェクトメンバーの皆様と密なコミュニケーションを取り、ユーザーの解像度を合わせました。
正木:ゴルフプレイヤー目線に立つことで見えてきた情報はかなりありました。一方でゴルフシミュレーターを購入する人たちはまた違う属性なので、意思決定要因は何か、その為に表現として見せるべき情報項目は何か、購入者の輪郭を掴むことを心がけました。
田中様:後で知ったんですが、坂田さんと正木さんが受注前に一度弊社運営の店舗にゴルフシミュレーターを体験しに来てくれてたんですよ。イメージを合わせるためにここまでやるとは思っていなくて、大事だと思いましたし、これが本当のユーザー理解なんだなと勉強になりました。
良い関係値、良い議論、そして導いた最高のアウトプット
ーここからどの様にプロジェクトを進めたんですか?
坂田:ゴルフプレイヤー、購入者の解像度が上がった状態で、製品価値を理解するために、改めて店舗へ伺いました。製品の魅力、優位性がどこにあるのかなど、製品に関する前提知識から、田中さんが会社にかける想いまで細かくヒアリングしました。製品の優位性として、ボールスピンを正確に計測する最高性能のカメラセンサーがあります。6台のハイスピードカメラセンサーで、スピン量を正確に測定し、実際の弾道を99%再現できる。製品の優位性について直接伺うことができたので、何を一番伝えたいのか、情報優先度を整理できました。実際に体感した情報、直接聞いた情報を元に、どうサイトで表現するか、情報設計、UIデザインに落としていきました。
正木:田中さんの中に明確な答えは無いものの、何となく想像している世界観はあって。ヒアリングで聞いたり、イメージに近いサービスを見せてもらいながら、「ディオントーキョーは〇〇らしさがある」を言語化し、調整していきました。細かな部分ではアウトプットベースだと伝わらない部分もあったので、提案時には全体感を伝えつつ要所は『ここはこの様な理由で今回のデザインをしています』と詳細まで説明することを心掛けました。らしさを表現しながら細かな要件まで落としていくのは難しいですが、密なコミュニケーションを取りながら改善を繰り返したので、満足行くアウトプットが出せたかなと思っています。
ー今回のデザインをアウトプットするにあたって、積極的に議論・すり合わせされてますよね
田中様:建設的な議論ができていたことは大きかったと思います。実際に足を運んで頂いたり、お二人が遠慮せずに伝えてくれたり、良いものを作るための議論ができていたなと。「こうすべきだ」の様な変なこだわりはなく、フラットに“価値を届けるための最善”を一緒に突き詰められたなと感じています。
坂田:表層的にアウトプットするだけなら簡単だと思うんです。でも大事なのは非言語的な、意志、熱意、空気、これらをサイト訪問者に感じてもらうこと。そうなると必然的に密にコミュニケーションを取りながら、言葉や表情のニュアンスを拾う。そしてアウトプットに反映する。提案時にはロジックを丁寧に説明し意図を伝える。より良くするための議論を行いすり合わせる。デザインを通して想いを紡ぐ。セブンデックスの強みでもあり期待頂いた、事業成長にコミットするパートナーとして、最高のクリエイティブを作るためのコミュニケーションが取れたと思っています。
5年後の目標達成に向けた次の一手
田中様:今回は5年後を見据えた初手でもあり、ここからはゴルフシミュレーター製品の販売以外にも、ゴルフを中心に色々な事業展開を考えています。そうなるとグロースやマーケティングなどの様々な領域強化が必要で、セブンデックスさんには助けてもらいたいと思っています。どんな形でも何かやってくれると思っているので。
坂田:5年後の目標、マイルストーンをお聞きして、スタートはここからだと感じています。今回は問い合わせを阻害する穴を塞いだようなもの。ここからは問い合わせを加速させるための広告、受注するための営業、事業活動を管理するためのデータ、事業を支える人材、様々なイシューがあります。セブンデックスとして事業成長を最大化させるために、随時支援したいと思っています。
正木:デザイン面でも可能性はまだ多いにあると思っています。ゴルフシミュレーターは価格が高く、意思決定者の変数も非常に多いです。意思決定が少しでも楽になる様に、例えば動画でより直感的に理解してもらう、資料で補足するなど、できることはまだたくさんあります。今回のリブランディングを起点に、ゴルフシミュレーターの価値をより訴求し、購買意欲を高められる様な取り組みができればと思っています。