清水建設株式会社は、建設事業を中心に、社会インフラや都市づくりを支えてきた企業です。
同社におけるインキュベーション・イノベーション推進を担う拠点「NOVARE」では、社員の挑戦を促すために複数の社内公募制度を展開しています。
一方で、それぞれの制度の目的や位置づけ、応募までの導線が分かれ、社員が「自分はどの制度に挑戦すべきか」を判断しづらい状況がありました。
本記事では、セブンデックスが支援した清水建設株式会社の社内公募制度への応募サイト制作プロジェクトを振り返りながら、社員の挑戦意欲を高め、行動を後押しする情報設計・コンテンツ設計・クリエイティブ制作のプロセスを紹介します。
プロジェクトの詳細は、下記実績ページにまとまっていますので、ぜひご覧ください。
1. 清水建設が抱えていた課題

NOVAREでは、社員の挑戦を後押しするために、3つの社内公募制度を展開していました。
社外起業を支援する「CV制度」、現場発の改善アイデアを検証する「課題・アイデア募集制度」、新市場の開拓や新製品開発を目指す「Zテーマ」です。
それぞれの制度には異なる目的や対象、応募後のプロセスがあります。
しかし、制度ごとの違いや位置づけが十分に整理されておらず、社員が「自分のアイデアや関心は、どの制度に合うのか」を判断しづらい状況がありました。
また、制度ごとに応募導線も分断されていたため、関心を持った社員がスムーズに応募や投稿へ進みにくい状態でもありました。
制度そのものを分かりやすく伝えるだけでなく、社員が自分に合う挑戦の場を見つけ、一歩踏み出せる応募体験をつくることが求められました。
2. 制度の違いを整理する
最初に取り組んだのは、3つの制度の目的や対象、ゴールを横断的に整理することです。
社内公募制度は、制度名だけを並べても、それぞれの違いが伝わりづらいものです。
業務上の課題を解決したい人、日常の気づきをアイデアとして共有したい人、社外起業を目指したい人では、挑戦したい内容も、応募に対する心理的なハードルも異なります。
そこで、各制度の特徴を比較しやすい構成に整理しました。
自分のアイデアの成熟度や挑戦したい方向性に合わせて、どの制度に応募すべきかを直感的に判断できるようにするためです。
また、要件が固まり切っていない部分については、仮説で制作したワイヤーをもとに議論を重ねながら、サイト上で伝えるべき情報を具体化していきました。
制度を正確に説明するだけでなく、社員が自分ごと化できるように整理することが、情報設計における重要なポイントでした。
3. 応募までの導線を設計する
制度の違いを整理した後は、社員が応募まで迷わず進める導線を設計していきました。
社内制度のサイトでは、情報を掲載するだけでは十分ではありません。
社員が制度を理解し、自分に関係があると感じ、応募や投稿に進むまでの流れを設計する必要があります。
特に「課題・アイデア募集制度」では、匿名で投稿した社員同士を運営側が仲介してつなぐ仕様があり、運営側の負担も課題となっていました。
そこで、ヒアリングを通じて業務フローを明らかにし、投稿から運営側の対応までの流れを可視化しました。
サイト上の見せ方だけでなく、制度運営のオペレーションも踏まえながら、無理なく運用できる仕様へ落とし込んでいきました。
応募数を増やすためには、社員側の分かりやすさだけでなく、運営側が継続して制度を回していける状態をつくることも重要です。
4. 挑戦者の声を届ける
情報設計の中で重視したのは、制度の説明だけで終わらせないことです。
社内公募制度に興味があっても、いざ応募するとなると、不安や迷いを感じる社員も少なくありません。
「自分のアイデアで応募してよいのか」
「まだ具体化しきれていない状態でも参加できるのか」
「応募した後にどのような経験が得られるのか」
こうした気持ちに寄り添い、一歩踏み出すきっかけをつくるために、過去の挑戦者へのインタビューを実施しました。

挑戦者一人ひとりの想いや、応募後に起きた出来事、得られた学びをリアルに伝えることで、「自分にもできるかもしれない」と感じてもらえるコンテンツを目指しました。
また、課題・アイデア募集制度では、投稿アイデアの成果や進捗だけでなく、投稿を通じて生まれた交流や共創のエピソードも紹介しています。
制度の価値を、仕組みとして説明するだけでなく、人の体験として伝えることを大切にしました。
5. 行動を後押しする言葉をつくる
コンテンツ設計の後は、社員の挑戦意欲を高めるためのコピーとビジュアルを制作しました。
今回のサイトで大切にしたのは、強く背中を押すだけではなく、不安や迷いを抱えながらも前を向こうとする社員の気持ちに寄り添うことです。
そのため、想定されるオーディエンスを設定し、それぞれが一歩踏み出せるようなクリエイティブコンセプトを検討しました。
プロジェクトの中では、不安や迷いを抱えながらも心の奥で静かに燃える意志を、信頼と希望で支えるトーンとして定義しました。
そのトーンをもとに、「信頼性」「安心感」「創造性」「意欲喚起」「共感性」という5つのキーワードを設定し、ビジュアルコンセプト「希求の芽吹き」を策定しました。
コピーにおいても、制度ごとの役割に合わせて表現を変えています。
CV制度では、挑戦を前向きに後押しするメッセージを。課題・アイデア募集制度では、日常の気づきを行動へ変える言葉を。
社員が共感し、一歩を踏み出したくなる言葉を目指して、複数のコピー案を検討しました。
6. 短期間で品質を担保する
今回のプロジェクトでは、9月初旬のリリースに向けて、短いスケジュールの中で情報設計からデザイン、実装までを完遂する必要がありました。
そのため、工程を順番に進めるだけではなく、情報設計・デザイン・実装を段階的に並走して進める制作体制を構築しました。
要件が変化する可能性もある中で、まずは仮説をもとにワイヤーを制作し、議論を重ねながら必要な情報や仕様を磨き込んでいきました。
デザイン面でも、コピーやコンテンツの世界観を視覚的に捉えやすくするために、複数のパターンを検討しながらサイト全体へ落とし込んでいきました。
短期間であっても、制度の理解促進、応募意欲の醸成、運用しやすさのすべてを満たすためには、制作チームとクライアントが密に連携しながら進める必要があります。
今回のプロジェクトでは、スピードと品質の両立を意識しながら、社員の挑戦を後押しするサイト制作を行いました。
7. 社員の挑戦は、体験設計から始まる
今回のプロジェクトは、清水建設の社員が自分に合う社内公募制度を見つけ、挑戦へ踏み出しやすくするための応募サイト制作でした。
3つの制度の違いを整理し、応募までの導線を設計し、挑戦者の声を届ける。
そのうえで、社員の不安や迷いに寄り添うコピーとビジュアルを制作し、短期間で実装まで進めていきました。
社内制度は、制度そのものを用意するだけでは十分に活用されません。
社員が制度の意味を理解し、自分に関係があると感じ、一歩踏み出してみようと思える体験を設計することが重要です。
そのためには、情報を分かりやすく整理するだけでなく、社員の感情や迷いに寄り添うコンテンツやクリエイティブも必要になります。
今回制作したサイトは、制度を紹介するためだけのものではありません。社員一人ひとりの挑戦を見つけやすくし、行動へつなげるための接点です。
セブンデックスでは、情報設計、コンテンツ設計、コピーライティング、UIデザイン、実装まで、目的に応じたサイト制作を一気通貫で支援しています。
社内制度を整えているものの、社員に十分伝わっていない。
制度ごとの違いや応募導線が分かりづらい。
社員の行動を後押しするサイトやコンテンツを制作したい。
そのような課題をお持ちの場合は、ぜひ一度ご相談ください。





