ロゴに関する本は数多く出版されており、どれを手にとるべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はロゴを初めて制作する方に向けて、インプットのケース別におすすめの本をいくつかご紹介したいと思います。
良質なロゴのインプット
良質なアウトプットは良質なインプットから。ここでは、著名なクリエイティブディレクター、アートディレクターが手がけるロゴデザインが多く掲載されている書籍をご紹介します。
究極のロゴデザイン:精鋭クリエイティブディレクター、アートディレクターの思考と表現から学ぶ。
本書ではなんとロゴが1,000点も収録されており、日本を代表するクリエイティブディレクター、アートディレクターの、ロゴデザインを大量にインプットできます。これだけ大量のロゴが収録されているにも関わらずそれぞれ使用フォントも掲載されており(中にはフォントの選定からプロセスを交えて紹介されているロゴもある…!)まさに「究極」の書籍です。
ロゴデザインの教科書:良質な見本から学べるすぐに使えるアイデア帳
ロゴが550点以上収録されており、こちらも良質なロゴをたくさんインプットできる良書です。印象別にロゴが分類されているうえに、印象を形成させるTIPSが学べるのが特徴です。本書でどのように印象形成がされているのかを学びつつ、前述で紹介した『究極のロゴデザイン』と併せて読むのも楽しいです。
先鋭アートディレクター、デザイナーの思考をインプット
はじめてロゴをつくる場合、何かはじめたらいいか、どう考えていけばいいか右往左往してしまうと思います。ここではそんなときに参考になりそうな、先鋭ディレクターによるアウトプットのプロセスや考え方がインプットできる書籍をご紹介します。
デザインノート No.92:最新デザインの表現と思考のプロセスを追う
最前線で活躍しているアートディレクターの「ロゴ&マークに対する向き合い方」「ロゴ&マークにおけるポイント」「プロセス」などが語られている雑誌です。先鋭アートディレクターが何を考え、何を追求してアウトプットに至るのか。プロセスはもちろん、個人の信念や流儀を知ることができます。
ロゴデザインの現場:事例で学ぶデザイン技法としてのブランディング
アイディアの発想から案出し(そして大量のお蔵入りとなった案)までが収録されている本です。どのようなプロセスを経て最終アウトプットとなったのか、デザイナーの思考と現場をよりリアルに知ることができます。
佐藤可士和展 図録
2021年に国立新美術館で開催された佐藤可士和展の図録です。これまでのプロジェクトが一挙収録されているのはもちろんのこと、各プロジェクトの背景やプロセスが記載されています。現在は絶版となっているようですが、佐藤可士和さんのアウトプットと思考が詰まっている大変学びになる図録ですので紹介させていただきました。
基礎知識のインプット
ロゴをつくる上で切り離せないフォントとの関係。ここでは欧文書体を扱う上で必要な基礎知識をインプットできる書籍をご紹介します。
欧文書体:その背景と使い方、 欧文書体2:定番書体と演出法
「『現場で活躍するプロのデザイナーのお役に立つこと』を念頭に書いたハンドブックです。」の言葉通り、欧文書体の成り立ちパートは簡潔にまとめられており、定番書体の解説はもちろんのことスペーシングなど実践で使えるテクニックや、書体を活かす使い方などを学ぶことができます。また、堅苦しく感じる内容ですが著者の語り口が軽快でとっつきやすい本となっています。
欧文書体のつくり方:美しいカーブと心地よい字並びのために
線が綺麗に見えるパスの調整など、なめらかなカーブを描くための技が紹介されています。感覚でやってしまいがちなディテールの調整ですが、法則を覚えれば安定したクオリティでアウトプットできると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
おまけ|プロジェクト進行のインプット
ロゴをデザインするということ。成功と失敗から伝える、君へのアドバイス:ロゴデザイン・ラブ!
クライアントとのやりとりや、どのようにデザイン案の承認を得たのかなど、自社以外では知ることができないようなプロジェクトの細部のプロセスが描かれている書籍です。話し合いの技術など、ロゴが最終決定されるまでプロジェクトが円滑に進むためのTIPSを学ぶことができるのでおすすめです。
あとがき
ロゴを作成するにあたり、マストで読んだ方がいいと思う本を紹介してみました。本当におすすめの本ばかりですので、ぜひ一度手に取っていただけたらと思います。
戦略策定フェーズで役立った書籍も紹介しているので、こちらもぜひ読んでみてください。