「新規顧客を増やしたいのに、何から手を付ければいいのかわからない……。広告費ばかりがかさんで、肝心の成果が見えてこない……」そんなお悩みはありませんか?
本記事では、新規顧客獲得の主なマーケティング手法をどのような企業・ターゲットに向いているのか、オンライン・オフライン別に整理し、その特徴を成功事例とあわせてわかりやすく解説します。読み終える頃には、明日から自社でどの施策に取り組むべきか、具体的なイメージが持てているはずです。
目次
新規顧客を獲得する3つのプロセス
①ターゲットの明確化
まずは、自社の商品・サービスを最も必要としている相手を具体的にイメージします。年齢や職業、業種・企業規模といった属性だけでなく、情報収集の方法や意思決定の流れまで整理し、ペルソナとして言語化することで、訴求メッセージや使うべきチャネルが決めやすくなります。
②ターゲットの課題やニーズを見極める
次に、そのターゲットが抱えている不満や悩み、理想の状態を洗い出します。既存顧客へのヒアリングや、営業・カスタマーサポートからの声、口コミなどを参考にしながら、「なぜそれに困っているのか」「何が障害になっているのか」まで深掘りしておくと、コンテンツや提案の方向性が明確になります。
③ターゲットへアプローチ
ターゲット像とニーズが固まったら、検索エンジン、広告、SNS、メール、ウェビナーなどから、自社にとって成果につながりやすいチャネルを選びます。たとえば、SEOに強みがある場合は、ターゲットが検索しそうなキーワードを軸に記事を制作し、資料請求や問い合わせにつながる導線を用意する、といった形で自社の得意分野を活かしたアプローチを設計していきます。
オフラインで新規顧客を獲得する9つの施策と向いている会社・ターゲット【オンライン編】
オンラインで新規顧客を獲得する方法と一口に言っても、Web広告やSNS、自社メディア運用など選択肢はさまざまです。ただし、どの施策が効果を発揮するかは、自社のビジネスモデルや体制、狙いたいターゲットによって大きく変わります。ここでは、代表的な8つのオンライン施策について、「どんな施策なのか」と「あえて言うならどんな会社・ターゲットと相性が良いのか」を整理しながら見ていきます。
サイト運営
自社サイトを「置いておくだけ」にせず、新規顧客を連れてくる営業ツールとして育てていく施策です。自社サービスの内容や料金、事例、お客様の声などを分かりやすく整理し、常に最新の情報に更新していきます。また、問い合わせや資料請求への導線をわかりやすく設計し、アクセス解析でユーザーの動きを見ながらページ構成やコンテンツを継続的に改善していきます。
サイト運営をやるべき会社
- Webからの問い合わせや資料請求を増やしたいBtoB企業、制作会社・士業・コンサルなど無形サービスを扱う会社
- 広告やSNSをすでに実施していて、その受け皿としてサイトの成果(CV)を最大化したい企業
サイト運営で成果が出やすいターゲット
- 複数社を比較検討し、サイトの情報量や実績を見て問い合わせ先を決める法人担当者・経営者
- まずは公式サイトでサービス内容を詳しく確認してから行動したい、慎重に検討するユーザー
Web広告
検索広告やディスプレイ広告、SNS広告などに出稿し、短期間でアクセスや問い合わせを増やす施策です。キーワードやターゲティング、クリエイティブを調整しながら、成果が出るまでチューニングしていきます。
Web広告をやるべき会社
- 月ごとに広告予算を確保でき、数字を見ながら改善できるマーケティング体制がある会社
- リード獲得や資料請求など、明確なKPIがあり短期的に問い合わせを増やしたいSaaS・人材サービス企業
Web広告で成果が出やすいターゲット
- 課題がはっきりしていて、Google検索や比較サイトで解決策を探している中小企業の経営者・担当者
- 転職・引っ越し・スクール選びなど、まさに今行動を起こそうとしている「今すぐ客」
自社メディア運用
自社サイト内でブログ・コラム・事例記事などを継続的に発信し、SEO経由で見込み客を集める施策です。専門的な情報を蓄積することで、「この分野に詳しい会社」として認知されやすくなります。
自社メディア運用をやるべき会社
- コンサル・士業・制作会社など、専門知識や実績が強みで情報発信しやすい会社
- 広告だけに依存せず、中長期で安定した流入・リード獲得の土台を作りたいBtoB企業
自社メディア運用で成果が出やすいターゲット
- 導入前にじっくり情報収集し、複数社を比較する企業のマーケ担当・バックオフィス担当・経営層
- 価格だけでなく、ノウハウや事例・サポート体制を重視してパートナーを選ぶ慎重な発注側ユーザー
SNS運用
X、Instagram、TikTok、などで継続的に情報発信し、認知拡大とファンづくりを目指す施策です。投稿、ストーリーズ、ライブ配信などを組み合わせて、ブランドの世界観や「人」を伝えていきます。
SNS運用をやるべき会社
- アパレル・コスメ・インテリア・飲食など、写真や動画で世界観を伝えやすいBtoC商材を扱う会社
- 採用やブランディングを強化したいスタートアップ・中小企業で、社風やメンバーの雰囲気を見せていきたい会社
SNS運用で成果が出やすいターゲット
- 日常的にInstagramやTikTokで情報収集し、好きなブランド・お店をフォローしている10〜30代ユーザー
- 企業の価値観や雰囲気を重視して就職・転職先を探す就活生や若手ビジネスパーソン
動画コンテンツ
YouTubeやショート動画、自社サイトの解説動画などを使い、サービスの特徴や使い方、事例を「見てわかる」形で伝える施策です。テキストでは伝わりにくい内容も、動画なら直感的に理解してもらえます。
動画コンテンツをやるべき会社
- 機能が多く、画面操作やワークフローを見せたほうが理解されやすいSaaS・業務ツールを提供している会社
- 店舗・スクール・住宅・観光など、施設や雰囲気・体験が重要なビジネスを展開している会社
動画コンテンツで成果が出やすいターゲット
- 文章より動画で情報を得ることに慣れていて、YouTubeやショート動画をよく視聴するユーザー
- 「実際の画面やサービスの様子を見ないと不安」で、導入前に具体的なイメージを持ちたい現場担当者・来店予定者
ランディングページの運用
広告・SNS・メールなどからの流入を1ページで受け止め、「このサービスは自分向けだ」と理解してもらい、問い合わせ・資料請求・購入につなげる施策です。構成や訴求、CTAをABテストしながら、コンバージョン率の改善を続けます。
ランディングページの運用をやるべき会社
- 広告やメルマガをすでに運用していて、その流入をより効率よくCVにつなげたいSaaS・人材サービス企業
- 単品ECや定期購入型D2Cなど、1つの商品やキャンペーンを集中的に訴求したい会社
ランディングページで成果が出やすいターゲット
- サービスにある程度興味があり、実績・料金・導入イメージを短時間でまとめて知りたい見込み客
- スマホで情報収集し、複数ページを回るより1ページで判断材料を得てすぐ行動したいユーザー
アフィリエイト広告
ASPや自社アフィリエイトプログラムを通じて、ブロガーや比較サイト運営者に商品を紹介してもらい、成果発生時のみ報酬を支払う施策です。第三者視点のレビューやランキング記事を通じて信頼感のある導線を作れます。
アフィリエイト広告をやるべき会社
- ECサイト、オンライン講座、サブスクサービスなど、オンライン完結で申込み・購入できるサービスを持つ会社
- ガジェット・金融・ダイエットなど、ニッチで専門ブログや比較サイトが多い市場に参入している企業
アフィリエイト広告で成果が出やすいターゲット
- 購入前にレビューサイトやブログ記事を読み込み、メリット・デメリットを比較してから決める慎重なユーザー
- 「おすすめランキング」「○○比較」といったキーワードで検索し、第三者の評価を重視して選ぶ消費者
インフルエンサーマーケティング
自社と相性の良いインフルエンサーに実際に商品・サービスを使ってもらい、SNSや動画で紹介してもらう施策です。フォロワーとの信頼関係を活かし、「知るきっかけ」と「試してみたい気持ち」を同時に生み出せます。
インフルエンサーマーケティングをやるべき会社
- コスメ・美容・食品・ガジェットなど、使用感やビフォーアフターを見せやすい商材を扱う会社
- 新ブランドや新商品の立ち上げ期で、短期間に認知度を高めたいD2C・メーカー企業
インフルエンサーマーケティングで成果が出やすいターゲット
- 日ごろからインフルエンサーの投稿をチェックし、「推しが勧めているかどうか」を判断材料にする10〜30代
- トレンド感度が高く、SNSで話題になった新商品やスポットを「とりあえず試してみたい」ライトユーザー層
口コミアプリ・サイト
食べログやホットペッパー、美容系口コミサイト、旅行サイト、BtoB向けレビューサイトなどに情報を掲載し、ユーザーからの評価・レビューを蓄積する施策です。口コミへの返信や改善対応も含めて運用することで、信頼度を高めていきます。
口コミアプリ・サイトをやるべき会社
- 飲食店・美容院・エステ・クリニック・ホテル・旅館など、来店前に口コミをチェックされやすい店舗ビジネス
- SaaS・業務ツール・クラウドサービスなど、レビューサイト上で比較されることが多いBtoBプロダクトを提供する企業
口コミアプリ・サイトで成果が出やすいターゲット
- 初めて利用する店やサービスについて、必ず評価点やレビューを確認してから決める慎重派ユーザー
- 同業他社や自分と同じ課題を持つ人の声を参考にし、失敗リスクを減らしたい企業担当者・個人ユーザー
新規顧客を獲得する5つの施策と向いている会社・ターゲット【オフライン編】
オフラインで新規顧客を獲得する方法には、展示会・セミナーやDM、チラシ、看板など、オンラインとは違う強みを持つ施策がいくつもあります。ただし、これらも業種や商圏、ターゲットの行動特性によって向き・不向きがはっきり分かれます。ここでは、代表的な5つのオフライン施策について、「どんな施策なのか」と「どんな会社・ターゲットに特にフィットしやすいのか」を整理して見ていきます。
折込チラシ
新聞折込やポスティングで、特定エリアの家庭・事業所にチラシを配布する施策です。来店促進やキャンペーン告知など、地域密着型ビジネスと相性が良い手法です。
折込チラシをやるべき会社
- スーパー、ドラッグストア、不動産仲介、学習塾など、商圏が限定される店舗・サービス業
- 新規オープンやリニューアル、期間限定キャンペーンなど、特定のタイミングで集中的に集客したい会社
折込チラシで成果が出やすいターゲット
- 近所のお店・サービスをチラシで確認し、価格やキャンペーン内容で行き先を決める主婦・ファミリー層
- 通える範囲の学習塾、習いごと、クリニックなどをエリアで比較している地域住民
展示会・セミナー
業界イベントや自社主催セミナーで、見込み顧客と直接対面しながら商談機会をつくる施策です。製品デモや事例紹介を通じて、短時間で信頼関係を築きやすいのが特徴です。
展示会・セミナーをやるべき会社
- BtoB向けの高単価商材を扱い、営業1件あたりのLTVが高いメーカー・SaaS・サービス企業
- 専門性の高いソリューションを提供し、「相談しながら決めたい」ニーズに応えたいコンサル・士業・システム会社
展示会・セミナーで成果が出やすいターゲット
- 導入前に詳細を直接聞きたい情報システム部門・経営者・現場責任者
- 業界トレンドや他社事例をまとめて情報収集したい、決裁に関わるビジネスパーソン
マス広告
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・交通広告など、大規模なリーチを狙う施策です。認知度向上やブランドイメージの形成に強く、多くの人に「名前を知ってもらう」段階で力を発揮します。
マス広告
- 全国展開しているメーカーやチェーン店など、広いエリアで一気に認知度を上げたい企業
- ブランド力やイメージが売上に直結する消費財・飲料・自動車・金融サービスなどを扱う企業
マス広告で成果が出やすいターゲット
- テレビやラジオ、新聞・雑誌といった従来メディアへの接触頻度が高いファミリー層・シニア層
- 通勤・通学中に交通広告を日常的に目にしており、繰り返し見ることで興味を持ちやすい都市部のビジネスパーソン・学生
ダイレクトマーケティング
DM(郵送)、テレアポ、FAX、ポスティングなどで、見込み顧客に直接アプローチする施策です。ターゲットリストをもとに一社一社にアクションできるため、母数は限られても濃い反応が得られやすい手法です。
ダイレクトマーケティングをやるべき会社
- 法人リストや顧客データベースを保有しており、特定業種・エリアに集中してアプローチしたいBtoB企業
- リピート率が高く、1社との取引継続期間が長い商材を扱う会社(印刷、備品、物流など)
ダイレクトマーケティングで成果が出やすいターゲット
- 日中オフィスに常駐しており、電話・郵送物を通じて情報収集する中小企業の総務・管理部門
- 忙しいが、資料やサンプルが送られてくれば比較検討のきっかけにしやすい経営者・決裁者
のぼり・看板広告
店舗前ののぼり、ロードサイド看板、ビルボード、屋外サインなど、視覚的な露出を通じて通行人・ドライバーにアピールする施策です。日常的な接触頻度を高めることで、「ふとしたタイミングの来店」や指名検索を促します。
のぼり・看板広告をやるべき会社
- 飲食店、美容院、クリニック、カーショップなど、立地・通りがかりの集客が重要な店舗ビジネス
- ロードサイド型店舗や郊外型店舗を多店舗展開しているチェーン店・フランチャイズ企業
のぼり・看板広告で成果が出やすいターゲット
- 通勤・通学や買い物の動線上で、同じ看板やのぼりを繰り返し目にする地域住民・ドライバー
- 「近くで良さそうなお店があれば入りたい」と考えている、その場の直感で行き先を決めるライトユーザー
新規顧客獲得の成功事例5選
大和ハウス工業株式会社
大和ハウス工業の賃貸住宅ブランド「D-room」では、調査にもとづいてブランドの立ち位置や強みを再定義し、商品構成・ネーミング・Webサイトまで一貫してリニューアルしました。単なるデザイン変更ではなく、「誰に・どんな価値で・どう選ばれるか」を言語化し、それをオンライン上の情報設計やビジュアルに反映させたことで、新規の入居検討者にも魅力が伝わりやすい状態をつくった事例です。さらに、社内のステークホルダーを巻き込みながらブランドを浸透させるプロセスを設計したことで、中長期的に“新規顧客を取りにいけるブランド”へと育てている点が特徴と言えます。
積水ハウス株式会社
積水ハウスでは、コーポレートサイトのトップページと展示場検索ページをリニューアルし、ブランドの世界観が伝わるビジュアルと、欲しい情報にたどり着きやすい導線を両立させました。これにより、家づくりを検討し始めたユーザーが自分に合った展示場をスムーズに見つけられるようになり、「ブランドを知る → 共感する → 来場する」という流れをオンライン上で設計できています。新規顧客との最初の接点であるWebサイトを起点に、展示場来場や相談につながる機会を着実に増やしている成功事例と言えるでしょう。
株式会社MIXI
株式会社MIXIの美容サロン予約アプリ「minimo」では、サービス成長と新規顧客獲得を見据え、「誰に・どんな価値を届けるのか」を改めて整理し直したことが大きな成果となりました。
セブンデックスの支援により、事業戦略に基づいたユーザー像(ペルソナ)と提供価値が明確になり、それを起点とした行動指針を策定したことで、開発・マーケ・運用などあらゆる施策が同じユーザー像に向かって一貫性を持って進められるようになっています。
その結果、「minimoらしい体験」を軸にプロダクトとコミュニケーションを磨き込める体制が整い、新しいユーザーにも選ばれやすく、継続利用にもつながるサービスづくりを実現している、株式会社MIXIの成功事例と言えます。
ヴェルヌクリスタル株式会社
ヴェルヌクリスタル株式会社は、機能性結晶材料という専門性の高い事業内容を、営業先や投資家などの新規ステークホルダーにわかりやすく伝える会社説明パンフレットを制作しました。事業特性や成長ポテンシャルを整理し、「どんな課題に対して、どんな価値を発揮する企業なのか」を一目で理解できる構成とビジュアルに落とし込んだことで、新しい取引先候補や投資家に対して、自社の魅力を的確に訴求できるようになった、ヴェルヌクリスタル株式会社の新規顧客獲得につながる成功事例です。
株式会社うるる
株式会社うるるは、自社オウンドメディア「ULUlog」を新規立ち上げし、ブランド認知と新規顧客との接点づくりを強化しました。ターゲットユーザーの理想的な体験から情報設計を行い、必要な情報に直感的にたどり着ける構造を設計。あわせて、うるるが大切にしている価値観や目指す方向性をデザインコンセプトとトンマナに落とし込み、企業らしさが伝わるビジュアル表現を整えました。その結果、従来の公式ブログから進化した情報発信の場として、「うるるを知る・共感する」入口が強化され、新規顧客やパートナー候補との接点拡大につながっている成功事例です。
新規顧客獲得のマーケティングは、セブンデックスにおまかせ
新規顧客獲得のマーケティングは、世の中にある手法を片っ端から試せばいいわけではなく、自社のビジネスモデルや体制に合った方法を選ぶことが欠かせません。ターゲットがどこで情報を集め、何を判断軸にしているのかを踏まえたうえで、オンライン・オフラインの施策を取捨選択し、それらをどう組み合わせるかを考える必要があります。
そのうえで、セブンデックスはブランド戦略の整理からサイト・コンテンツ・営業資料まで一気通貫で設計し、「誰に・何を・どう伝えるか」を軸に新規顧客との接点づくりを支援してきました。単発の施策ではなく、継続的に“選ばれる仕組み”をつくりたい企業にとって、心強い伴走パートナーになれる存在です。









