「マーケティングセグメントとは何か」「どのように顧客を分ければよいのか」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
マーケティングセグメントは、顧客の特徴やニーズを整理し、効果的なマーケティング施策を考えるうえで重要な考え方です。
この記事では、マーケティングセグメントの意味や分類方法、具体例をわかりやすく解説します。
マーケティングセグメントとは
マーケティングセグメントとは、年齢や居住地、価値観、購買行動などの共通点をもとに、市場や顧客を分けたグループのことです。
顧客をいくつかのセグメントに分けることで、それぞれの特徴やニーズを把握しやすくなり、商品開発や広告、販促などのマーケティング施策に活かせます。
| 用語 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| セグメント | 共通する特徴を持つ顧客・市場のグループ | 分類した結果 |
| セグメンテーション | 市場や顧客を複数のグループに分けること | 分類する作業 |
| ターゲット | 自社が重点的に狙う顧客層 | 選択した対象 |
| ターゲティング | 狙うセグメントを決めること | 対象を選ぶ作業 |
セグメントとセグメンテーションの違い
セグメントとは、共通する特徴やニーズを持つ顧客をまとめた「分類後のグループ」を指します。一方、セグメンテーションは、市場や顧客を一定の基準で分け、複数のセグメントをつくる「分類する作業」です。
たとえば、顧客を年齢や購買頻度で分ける行為がセグメンテーションで、その結果できた「20代の顧客」「月1回以上購入する顧客」がセグメントです。マーケティングでは、まずセグメンテーションを行い、その結果できた各セグメントを比較して、狙う市場を決めていきます。
セグメントとターゲットの違い
セグメントは、共通する特徴やニーズをもとに分類した顧客のグループです。一方、ターゲットは、複数のセグメントの中から自社が重点的にアプローチすると決めた顧客層を指します。
たとえば「20代の会社員」「30代の子育て世帯」などに分けたうえで、自社の商品と最も相性のよい「20代の会社員」を選ぶ場合、その層がターゲットです。つまり、セグメントは市場を整理する単位、ターゲットはその中から実際に狙う対象です。分類と選択を分けて考えると理解しやすいでしょう。
顧客セグメント・市場セグメント・カスタマーセグメントの違い
顧客セグメント・市場セグメント・カスタマーセグメントは、共通する考え方を持ち、何を対象に分類するかによって使い分けられる言葉です。市場セグメントは市場全体を分けた区分、顧客セグメントやカスタマーセグメントは顧客を特徴やニーズごとに分けたグループを指す場面で使われます。
マーケティングでは名称の違いより、「誰を、どの基準で分け、どの施策につなげるのか」を明確にすることが重要です。対象が市場全体なのか既存顧客なのかを示すと、意味が伝わりやすくなります。
マーケティングセグメントを活用する目的
マーケティングセグメントを活用する目的は、顧客の特徴やニーズを整理し、施策の精度を高めることです。
狙うべき顧客層が明確になることで、商品開発や情報発信にも活かしやすくなります。
顧客層を絞り込める
マーケティングセグメントを活用すると、顧客を年齢や行動、ニーズなどの違いによって整理し、自社が優先してアプローチすべき層を明確にできます。限られた予算や人員を、成果につながりやすい顧客へ集中させやすくなる点が大きなメリットです。
同じ商品でも、価格を重視する人と品質を重視する人では、響く訴求や選ぶチャネルが異なります。顧客層ごとの違いを整理して優先順位をつけることで、誰に何を伝えるかが明確になり、広告や営業、コンテンツの精度も高めやすくなります。
商品開発やマーケティング施策の精度が上がる
顧客をセグメントごとに分けることで、それぞれが抱えている課題や求めている価値を具体的に把握しやすくなります。結果として、商品開発だけでなく、広告やWebサイト、CRMなどの施策も顧客に合わせて設計できます。
たとえば、同じサービスでも「機能性を重視する層」と「手軽さを重視する層」では必要な価値が異なります。セグメントごとの違いを整理することで、どの機能を優先するか、何を訴求するかまで判断しやすくなり、顧客ニーズと施策のずれを減らし、改善の精度も高められます。
マーケティングセグメントの代表的な分類軸
マーケティングセグメントを作る際には、地理的変数・人口動態変数・心理的変数・行動変数の4つが代表的な分類軸として用いられます。ここでは、それぞれの特徴に加え、BtoBで活用する企業属性についても紹介します。
| 分類軸 | 主な項目 | 例 |
|---|---|---|
| 地理的変数 | 地域・気候・都市規模 | 関東在住 |
| 人口動態変数 | 年齢・性別・所得・職業 | 30代会社員 |
| 心理的変数 | 価値観・ライフスタイル | 品質重視 |
| 行動変数 | 購買履歴・利用頻度 | 月1回以上購入 |
| 企業属性 | 業種・従業員数・売上規模 | 従業員500名以上の企業 |
地理的変数(ジオグラフィック)
地理的変数(ジオグラフィック)とは、国や地域、都道府県、都市規模、気候など、地理的な違いをもとに市場や顧客を分類する方法です。地域によって生活環境や需要が変わる商品・サービスで特に活用しやすい分類軸です。
たとえば、寒冷地域では防寒性の高い商品を訴求し、都市部では公共交通機関を利用する人向けの商品を展開するなど、地域特性に合わせて商品や訴求、販売チャネルを変えられます。店舗展開やエリア別広告など、地域ごとに施策を最適化したい場合にも有効です。
人口動態変数(デモグラフィック)
人口動態変数(デモグラフィック)とは、年齢、性別、職業、所得、家族構成、学歴など、顧客の属性情報をもとに分類する方法です。比較的データを取得しやすく、商品開発から広告配信まで幅広いマーケティング施策で使われます。
たとえば、「20代の会社員」「子育て中の30代世帯」「高所得の経営者」などに分けることで、それぞれの生活環境や購買力に応じた商品設計やメッセージを考えやすくなります。ただし、属性が同じでもニーズは異なるため、他の変数と組み合わせて見ることも重要です。
心理的変数(サイコグラフィック)
心理的変数(サイコグラフィック)とは、価値観、ライフスタイル、趣味、興味・関心、性格など、顧客の内面的な特徴をもとに分類する方法です。年齢や所得などの属性だけでは捉えにくい「なぜ選ぶのか」を理解する際に役立ちます。
たとえば、同じ30代でも「価格を重視する人」と「品質を重視する人」では商品を選ぶ理由が異なります。価値観まで含めて分類することで、より顧客に合った商品やコミュニケーションを設計しやすくなります。アンケートやインタビューなどを通じて把握するのが一般的です。
行動変数(ビヘイビアル)
BtoBでは、個人の年齢や価値観だけでなく、企業そのものの特徴を分類軸として使うことが重要です。代表的な企業属性には、業種、従業員数、売上規模、所在地などがあります。さらに、担当者の部署・役職や、導入しているサービス、抱えている課題も組み合わせて分類します。
たとえば、「初回購入者」「定期購入者」「一定期間利用していない顧客」に分ければ、それぞれに異なるキャンペーンや情報を届けられます。実際の行動を基準にするため施策へ直接つなげやすく、購買データやアクセスデータが蓄積されている企業ほど活用しやすい方法です。
BtoBでは企業属性も分類軸になる
BtoBでは、個人の年齢や価値観だけでなく、企業そのものの特徴を分類軸として使うことが重要です。代表的な軸には、業種、従業員数、売上規模、所在地、部署・役職、導入しているサービス、抱えている課題などがあります。
たとえば同じSaaSでも、中小企業の担当者と大企業の部門責任者では、課題や決裁プロセス、重視する条件が異なります。企業属性と担当者のニーズを組み合わせることで、営業やマーケティング施策へつながるセグメントを設計しやすくなります。BtoBでは特に有効です。
具体例|顧客セグメントに応じて訴求や施策を変える
顧客を分類した後は、それぞれの課題に合わせて、伝える内容や提供する情報を変えます。たとえば法人向け業務ソフトなら、「導入状況」と「運用体制」を組み合わせることで、顧客が導入時に不安を感じる点を整理できます。
以下は、分類から施策へのつなげ方を説明するための仮想例です。複数の組み合わせのうち、2つのセグメントを取り上げています。
| セグメントの例 | 主な課題・重視すること | 訴求・施策への反映例 |
|---|---|---|
| A:業務ソフトを初めて導入する、専任担当者がいない企業 | 設定や操作を自社で進められるか不安があり、導入の手軽さやサポートを重視する。 | 初期設定の支援内容や導入手順を紹介する。Webサイトに操作例を掲載し、導入ガイドやデモの案内につなげる。 |
| B:既存ソフトから乗り換え、複数部門で利用する企業 | データ移行や部門間の管理が課題となり、既存業務との連携や権限管理を重視する。 | データ移行の方法や連携機能を紹介する。移行ガイドや個別デモを用意し、自社の運用に合うか確認できるようにする。 |
このように、同じ商品でも顧客が求める情報は異なります。「どのグループに分けたか」だけでなく、「分類した結果、何を変えて伝えるか」まで整理することが、セグメントを施策に活かすポイントです。
セグメンテーションの指標「4R」
セグメンテーションでは、分類した市場が有効かどうかを判断するために「4R」という指標が使われます。ここでは、4Rを構成する4つの要素について紹介します。
Rank(優先順位)
Rank(優先順位)とは、複数のセグメントを比較し、どの顧客層から優先してアプローチするべきかを判断する観点です。市場規模や成長性だけでなく、自社の商品・サービスとの相性や競合状況も含めて評価します。
たとえば、市場規模が大きくても競合が強く、自社の優位性を出しにくい場合は優先度が下がることがあります。反対に、自社の強みが顧客ニーズと合致しているセグメントであれば、限られたリソースでも成果につながる可能性が高まります。複数の候補を同じ基準で比較することが重要です。
Realistic(有効規模)
Realistic(有効規模)とは、そのセグメントが事業として十分な売上や利益を見込める規模かを確認する観点です。ニーズが明確であっても、対象となる顧客が少なすぎれば、施策にかけるコストに対して十分な成果を得られない可能性があります。
顧客数だけで判断するのではなく、市場規模、購入単価、購入頻度、継続率なども踏まえて確認します。自社が投資する価値のある市場かを数字で捉えることで、実現可能性の低いセグメントへ過剰にリソースを使うことを防げます。
Reach(到達可能性)
Reach(到達可能性)とは、対象となるセグメントに対して、自社の商品やサービスの情報を実際に届けられるかを確認する観点です。魅力的な顧客層でも、接点を持てなければマーケティング施策を実行できません。
Web広告、SEO、SNS、メール、展示会、営業などを通じて対象顧客へ接触できるか、どのチャネルなら効率よく届けられるかを確認します。顧客の存在だけでなく、接触可能なチャネルまで設計することで、施策として実行できるセグメントかを判断しやすくなります。
Response(測定可能性)
Response(測定可能性)とは、セグメントごとに施策の反応や成果を測定できるかを確認する観点です。反応を把握できなければ、どの顧客層に施策が効いたのかを判断できず、その後の改善にもつなげにくくなります。
たとえば、広告のクリック、資料請求、問い合わせ、購入、継続率などをセグメント別に確認できる状態をつくります。施策実施前に「何を成果として測るか」まで決めておくことで、仮説検証と改善を繰り返せるセグメント設計になります。計測できない分類は運用面でも扱いにくくなります。
4Rを活用して有効なセグメントを見極める
4Rは、複数のセグメントを同じ観点で比較し、自社が優先して狙う顧客層を検討するために使います。自社の強みと合うかだけでなく、売上や利益を見込めるか、顧客と接点を持てるか、成果を測定できるかまで確認しましょう。
たとえば、前述の業務ソフトを提供する会社が「初期設定の支援に強みを持つ一方、大規模なデータ移行への対応は限られる」と仮定すると、次のように評価できます。
| 4Rの観点 | A:初めて導入・専任担当者なし | B:既存ソフトから乗り換え・複数部門で利用 |
|---|---|---|
| Rank:優先順位 | 初期設定の支援という自社の強みが課題と合うため、優先候補にする。 | 移行支援の要件を満たせるか確認し、対応に必要な体制も含めて判断する。 |
| Realistic:有効規模 | 対象企業数や想定売上に加え、初期設定・運用サポートの費用を確認する。 | 対象企業数や想定契約額に加え、データ移行・連携対応の費用を確認する。 |
| Reach:到達可能性 | 初めての導入について調べる企業と、解説記事や広告などで接点を持てるか確認する。 | 乗り換えを検討する企業と、移行ガイドや営業活動などで接点を持てるか確認する。 |
| Response:測定可能性 | 問い合わせ時などに導入状況・運用体制を把握し、商談や契約まで追跡できるか確認する。 | 乗り換えの予定や利用部門を把握し、商談や契約まで追跡できるか確認する。 |
この想定では、Aを優先候補として調査や小規模な施策検証を進めます。ただし、自社の強みと合うだけで最終決定せず、市場規模や採算、顧客への到達可能性も確認することが必要です。情報が不足している項目は「未確認」とし、追加調査の対象にしましょう。
マーケティングセグメントの作り方・進め方
マーケティングセグメントは、顧客を分類するだけでなく、その後のターゲット設定や施策につなげることが重要です。ここでは、市場・顧客の調査からセグメントの作成、評価までの流れを4つのステップに分けて解説します。
セグメンテーションを含むマーケティング全体の進め方については、以下の『マーケティングプロセスとは?』もあわせてご覧ください。
ステップ1.市場・顧客について調査する
はじめに、新規顧客の獲得や既存顧客の継続利用など、セグメントを何に活用するかを明確にします。そのうえで、購買データや問い合わせ内容、アンケート、インタビューなどから、顧客の属性・課題・商品を選ぶ理由を調べます。
新規顧客の獲得を目指す場合は、既存顧客の情報だけで判断せず、未購入者や競合商品を利用している人のニーズも確認しましょう。「確認できた事実」と「追加で検証する仮説」を分けて整理すると、思い込みによる分類を避けやすくなります。
ステップ2.顧客を分ける軸を決める
調査で得た情報から、顧客のニーズや購買行動に違いが生まれる分類軸を選びます。年齢や地域などの把握しやすい属性だけで決めず、購入目的、重視する価値、利用頻度など、商品や訴求の違いにつながる軸を検討しましょう。
たとえば法人向け業務ソフトでは、企業規模だけでなく「初めての導入か、乗り換えか」「専任担当者がいるか」といった軸も候補になります。必要なデータを集められるか、分類後に施策を変えられるかを確認し、実際に運用できる軸に絞ります。
ステップ3.セグメントを作成し特徴を整理する
選んだ分類軸を使って顧客をグループに分け、それぞれの課題、求める価値、購買行動、規模を整理します。前述の業務ソフトの例なら、「初めて導入し、専任担当者がいない企業」など、分類条件が伝わる名前を付けると比較しやすくなります。
各セグメントについて、顧客が何に困り、何を基準に商品を選び、どこで情報を集めるのかを書き出しましょう。違いが曖昧な場合は分類軸を見直し、訴求や提供する情報を変える必要がある顧客層として整理できているかを確認します。
ターゲットとなる顧客像をさらに具体化する場合は、セグメントをもとにペルソナを設計します。詳しい作り方は、以下の『ペルソナデザインとは?』で解説しています。
ステップ4.4Rで評価し、狙うターゲットを決める
作成したセグメントを4Rの観点で比較し、自社が重点的にアプローチする対象を選びます。市場の規模だけでなく、自社の強みと顧客の課題が合うか、必要な利益を確保できるか、顧客へ情報を届けられるかまで確認しましょう。
すべてのセグメントを同時に狙うのではなく、提供できる価値と実行体制を踏まえて優先順位を付けます。判断に必要なデータが足りない場合は、仮の優先候補として扱い、追加調査や小規模な施策検証を通じて、狙う対象が適切かを確かめます。
施策に反映し、成果を検証する
選んだターゲットに合わせて、伝える価値、掲載する情報、接点となるチャネルを具体化します。たとえば初めて導入する企業には導入手順や支援内容を、乗り換えを検討する企業には移行方法や連携機能を伝えるなど、課題に応じて施策を変えます。
実施前には、問い合わせ、商談、契約など、目的に合った評価指標を決めておきましょう。施策の反応をセグメント別に確認し、想定した顧客から相談や購入につながっているかを検証します。結果をもとに、訴求やチャネル、分類軸を見直します。
マーケティングセグメントで失敗しないためのポイント
セグメントを作っても、分類が細かすぎたり、顧客の実態と合っていなかったりすると、施策に活用しにくくなります。分類そのものを目的にせず、運用できる粒度、顧客のニーズ、施策の結果という3つの観点から確認しましょう。
セグメントを細かく分けすぎない
セグメントを細かく分けるほど顧客理解が深まるように見えますが、細分化しすぎると各グループの規模が小さくなり、施策や運用が複雑になります。セグメントごとに広告やコンテンツを作り分ける場合、その分だけ制作・運用コストも増えます。
重要なのは、違いを見つけることではなく「分けることで施策が変わるか」です。訴求や商品、チャネルに大きな差が生まれない顧客層はまとめるなど、実際に施策を運用できる粒度まで絞りましょう。4Rの観点でも確認すると判断しやすくなります。
属性だけでなくニーズや行動も見る
年齢や性別、企業規模などの属性は把握しやすい一方、それだけでセグメントを作ると、顧客が商品を選ぶ理由や抱えている課題を十分に捉えられないことがあります。同じ属性でも、求める価値や購買行動が異なるケースは少なくありません。
属性情報に加えて、購入理由、利用場面、価値観、行動データ、インタビューで得た課題などを組み合わせて確認しましょう。「どんな人か」だけでなく「なぜ選ぶのか」まで捉えることで、施策につながるセグメントを作りやすくなります。特に心理・行動面の情報は重要です。
施策の結果をもとに定期的に見直す
一度作ったセグメントを固定したまま使い続けるのではなく、施策の反応や市場環境の変化に合わせて定期的に見直すことが重要です。顧客ニーズや競合状況、利用チャネルは変化するため、以前は有効だった分類がそのまま機能するとは限りません。
問い合わせ率や購入率、継続率などをセグメントごとに確認し、想定した違いが実際の行動にも表れているかを検証します。成果に差が出ない場合は、分類軸やターゲット設定そのものを見直し、より実態に合ったセグメントへ更新しましょう。
マーケティングセグメントとSTP分析
マーケティングセグメントは、STP分析の中でも重要な考え方です。ここでは、STP分析を構成する3つの要素について紹介します。
STP分析の具体的な進め方やテンプレートについては以下の『STP分析とは?進め方やテンプレート、企業事例をわかりやすく解説』で詳しく解説しています。
セグメンテーション
STP分析におけるセグメンテーションは、市場や顧客を共通する特徴やニーズごとに分け、複数のグループに整理する工程です。年齢や地域などの属性だけでなく、価値観、課題、購買行動なども使って市場の違いを明らかにします。
ここで重要なのは、単に細かく分類することではなく、その後のターゲティングにつながる形で市場を捉えることです。顧客ごとのニーズや行動の違いを明確にしておくことで、自社が優先すべき市場を比較しやすくなります。STP分析の出発点となる工程です。
ターゲティング
ターゲティングとは、セグメンテーションで分けた複数の顧客層から、自社が重点的にアプローチするセグメントを選ぶ工程です。市場規模や成長性だけでなく、顧客ニーズ、自社の強み、競合状況、顧客への到達可能性などを踏まえて判断します。
すべてのセグメントを狙うのではなく、自社が価値を届けやすく、事業成果にもつながりやすい層へリソースを集中させることが重要です。ここで選んだターゲットが、次のポジショニングや商品・コミュニケーション設計の前提になります。
ポジショニング
ポジショニングとは、選んだターゲットに対して、自社の商品やサービスをどのような存在として認識してもらうかを決める工程です。競合と比較しながら、自社ならではの強みや顧客に提供できる価値を整理し、「なぜ自社を選ぶのか」を明確にします。
たとえば品質を重視する顧客を狙う場合、低価格ではなく品質や耐久性を中心に訴求するなど、伝える価値を定めます。ポジショニングが明確になることで、商品設計、広告、Webサイトなどのメッセージにも一貫性を持たせやすくなります。
セブンデックスのマーケティングセグメントの事例
セグメントを施策に活かすには、顧客の違いを整理した後に、誰へどのような価値を届けるかを決めることが必要です。ここでは、セブンデックスが顧客調査をもとに、ECサイト・アプリの体験設計や新規事業の方向性の具体化を支援した事例を紹介します。
株式会社ライトオン

セブンデックスは、株式会社ライトオンのECサイトリニューアルとアプリ開発を支援しました。顧客の属性や購買動機を調査し、セグメントごとにペルソナを作成することで、誰に価値を届けるのかを関係者が共通の言葉で語れる状態を整えました。
さらに、経営層へのインタビューも踏まえて、ライトオンが顧客へ届けたい価値をコンセプトとして定義。そのコンセプトをもとにECサイトのUIを刷新し、調査で得たユーザー情報をアプリの体験設計にも活用しました。
本プロジェクトでは、自社EC比率が20%から60%へ向上し、コンバージョン率が300%改善しました。これらはセグメント設計だけではなく、UI改善やKPIの確認、ABテストによる継続的な検証を含む支援全体の成果です。
株式会社ライトオンへの詳しい支援内容については、以下の実績ページをご覧ください。
日本特殊陶業株式会社

セブンデックスは、日本特殊陶業株式会社の新規事業立ち上げに初期構想から参画しました。定量調査で市場全体の傾向を把握し、定性インタビューで顧客の課題やニーズを掘り下げることで、新規事業で狙う顧客セグメントを特定・絞り込みました。
絞り込んだ顧客像をもとにペルソナとカスタマージャーニーマップを作成し、解決すべき課題と提供する体験を整理。想定する顧客へのインタビューやプロトタイプを使った価値検証を通じて、サービスコンセプトを具体化しました。
さらに、市場規模も算出し、プロジェクトの方向性や戦略に反映しました。顧客を分類して終わるのではなく、「誰の課題を解決する事業にするか」を検証し、サービス設計と事業判断につなげた事例です。
日本特殊陶業株式会社への詳しい支援内容については、以下の実績ページをご覧ください。
マーケティングセグメントに関するよくある質問
ここでは、マーケティングセグメントの意味や関連用語との違い、顧客の分類方法について、よくある質問に回答します。
マーケティングセグメントとは何ですか?
マーケティングセグメントとは、年齢や地域、価値観、購買行動など、共通する特徴をもとに分類した顧客や市場のグループです。複数のセグメントに分けることで、自社が狙う顧客を明確にし、商品や広告などの施策を最適化しやすくなります。
セグメントとターゲットの違いは何ですか?
セグメントは、市場や顧客を特徴ごとに分類したグループです。一方、ターゲットはその中から自社が重点的に狙うと決めた顧客層を指します。市場を分けるのがセグメンテーション、狙う市場を選ぶのがターゲティングです。
顧客セグメントと市場セグメントの違いは何ですか?
市場セグメントは市場全体を一定の基準で分類したグループ、顧客セグメントは顧客を属性やニーズ、行動などで分類したグループを指す場合が一般的です。ただし、マーケティングの実務では近い意味で使われる場合もあります。
マーケティングセグメントはどのように分けますか?
代表的には、地域などの地理的変数、年齢や職業などの人口動態変数、価値観などの心理的変数、購買履歴などの行動変数で分類します。BtoBでは、業種や企業規模、部署・役職、課題などの企業・担当者属性も活用します。
まとめ
マーケティングセグメントとは、共通する特徴やニーズをもとに、市場や顧客を分けたグループのことです。属性だけでなく、顧客の課題や購買行動も踏まえて分類すると、それぞれに必要な商品・サービスや情報を考えやすくなります。
重要なのは、分類後の違いを具体的な施策へ反映することです。顧客調査で分類軸を見つけ、4Rで優先する対象を選び、訴求やチャネルを設計したうえで成果を検証しましょう。自社で取り組む際は、まず「どの施策の判断に使う分類なのか」を明確にすることから始めてみてください。
マーケティングセグメントの設計・活用ならセブンデックスにご相談ください
「どの軸で顧客を分ければよいかわからない」「優先する顧客層を決められない」「分類したものの、広告やWebサイトで何を変えるべきかわからない」といった課題はありませんか。
セブンデックスでは、顧客調査を通じたニーズの把握やターゲットの整理から、マーケティング戦略の策定、Webサイト・アプリの体験設計、施策の実行・改善まで支援しています。顧客を分類するだけでなく、誰にどのような価値を届けるかを整理し、具体的な施策へつなげます。
ご相談の際は、対象の商品・サービス、現在の顧客層、施策で困っていることなど、わかっている範囲でお知らせください。顧客理解から施策への落とし込みまで、自社の状況に合った進め方をご検討いただけます。





