「Webサイトをリニューアルしたものの、問い合わせが全く増えない」「マーケティングの強化を命じられたが、具体的に何から手をつければ良いかわからない」といった課題を感じることはないでしょうか。
多くの製造業では、これまで紹介や既存顧客への対面営業が中心だったこともあり、デジタルを活用して「見込み顧客を自ら獲得し、育成する」という体制が整っていないケースが多く見られます。その結果、新しい施策を試そうにも、具体的に何から着手し、どう成果を測れば良いのか判断が止まってしまうという状況に陥りがちです。
本記事では、製造業におけるマーケティングの定義や重要性、具体的な施策から成功事例までを網羅的に解説します。初めてマーケティングを担当することになった方でも、自社で取り組むべきステップが明確になる内容となっています。
目次
製造業のマーケティングとは
製造業におけるマーケティングとは、「自社の技術や製品を必要とする顧客を特定し、効率的に売れる仕組みを作ること」です。
単にWebサイトを制作したり、展示会に出展したりといった個別の販促活動だけを指すのではありません。市場のニーズを分析し、自社の強みを活かせるターゲットを定め、認知から購買に至るまでのプロセス全体を設計・最適化する一連の活動を意味します。
特にBtoB(企業間取引)を中心とする製造業には、以下のような特有のビジネス構造があります。
- 製品の単価が高く、導入までの検討期間が長い
- 購買決定にエンジニア、購買部門、経営層など複数の担当者が関わる
- 製品の仕様や技術的な要件が複雑である
このような特徴があるため、製造業のマーケティングでは、単発的なプロモーションを行うだけでは成果に繋がりません。「顧客の検討フェーズに合わせて、適切なタイミングで必要な情報(技術データや導入効果など)を提供し、信頼関係を構築していくこと」が極めて重要となります。
マーケティングの基本について整理したい方は、こちらの記事をご覧ください。
製造業におけるマーケティングの重要性
重要性が高まっている背景には、主に以下の3つの変化があります。
- 市場構造の変化: 製品の差別化が困難になり、価格競争が激化している。
- 購買プロセスの変化: 顧客が営業と接触する前に、Webで情報収集を終えている。
- 人手不足への対策: 限られた営業リソースで成果を出す仕組みが必要とされている。
市場構造の変化
技術の成熟やグローバル化により、製品の差別化が困難になっているためです。国内外に類似品が溢れる現代では、「良い製品を作れば売れる」という考え方だけでは価格競争に巻き込まれます。自社の独自価値を定義し、適切な市場へ届けるマーケティングが不可欠です。
購買プロセスの変化
顧客の購買プロセスがデジタル中心へと移行したためです。現在のBtoB取引では、担当者は営業に接触する前にWebで情報収集を行い、候補を絞り込みます。つまり、デジタル上での顧客接点を持っていなければ、商談の検討土台にすら残れない時代になっています。
人手不足への対策
製造業界全体で深刻化している労働力不足へ対応するためです。限られた営業リソースで成果を最大化するには、非効率な飛び込み営業ではなく、関心の高い見込み顧客を自動で集める仕組みが求められます。営業効率を高める武器としてマーケティングの導入が急務です。
製造業のマーケティング戦略
- 市場・顧客・競合の分析: 自社を取り巻く環境を分析し、勝てる領域を見つけ出す。
- ターゲットの明確化: 自社製品を届けるべき理想の顧客像を具体的に絞り込む。
- ターゲットへのアプローチ: Webや展示会など最適なチャネルで自社を認知させる。
- 継続的な接触と育成: 定期的な情報提供により、顧客との信頼関係を構築する。
市場・顧客・競合の分析
まずは、自社を取り巻く市場環境を客観的に把握します。市場の動向、顧客が抱えている課題、競合他社の製品や訴求内容、自社の強み・弱みを整理し、どの領域で勝負すべきかを明確にすることが重要です。
この段階では、3C分析やSWOT分析などのフレームワークを活用すると整理しやすくなります。たとえば、顧客がどのような課題を持っているのか、競合はどのような技術や価格帯で訴求しているのか、自社は品質・納期・対応力・技術力のどこに強みがあるのかを洗い出します。
製造業の場合、自社では当たり前だと思っている技術や対応力が、顧客にとっては大きな選定理由になることもあります。そのため、営業担当者へのヒアリングや既存顧客へのインタビューを通じて、顧客が実際に評価しているポイントを把握することも大切です。
分析を行うことで、自社が狙うべき市場や訴求すべき強みが明確になり、後の施策が「なんとなくの情報発信」ではなく、成果につながるマーケティング活動になります。
分析の際には用いるフレームワークについて、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ターゲットの明確化
次に、分析結果をもとに、自社の製品や技術を届けるべきターゲットを明確にします。製造業では、業種や企業規模だけでなく、担当者の部署、役職、検討段階、抱えている課題まで具体化することが重要です。
たとえば、同じ製品であっても、生産技術部門は「現場の作業効率」や「導入後の運用負荷」を重視する一方で、購買部門は「価格」「納期」「安定供給」を重視することがあります。また、経営層は「投資対効果」や「事業成長への影響」を見ることが多く、相手によって伝えるべき情報は変わります。
ターゲットが曖昧なまま施策を進めると、Webサイトや広告、展示会での訴求が広く浅くなり、見込み顧客に刺さりにくくなります。反対に、ターゲットを具体化できていれば、必要なコンテンツや訴求軸、優先すべきチャネルを判断しやすくなります。
製造業のマーケティングでは、「どの業界の、どの部署の、どのような課題を持つ人に届けるのか」まで落とし込むことで、施策全体の精度を高めることができます。
ターゲットへのアプローチ
ターゲットが明確になったら、その顧客が情報収集を行う接点に合わせてアプローチします。製造業では、Webサイト、SEO記事、ホワイトペーパー、展示会、セミナー、メール配信、営業資料など、オンラインとオフラインを組み合わせて接点をつくることが重要です。
特に、BtoBの製造業では、顧客が営業担当者に問い合わせる前にWeb上で情報収集を行い、候補企業をある程度絞り込んでいるケースが多くあります。そのため、Webサイト上に製品情報、技術情報、導入事例、よくある課題への解決策などを掲載し、比較検討に必要な情報を整えておくことが大切です。
また、ターゲットの検討段階によって適したアプローチは異なります。まだ課題が明確でない潜在層には、業界課題や技術ノウハウを伝えるコンテンツが有効です。一方で、具体的な製品や加工方法を比較している顕在層には、仕様、導入効果、事例、価格の考え方など、意思決定に近い情報が求められます。
ターゲットへのアプローチでは、単に接点を増やすのではなく、顧客の検討段階に合わせて必要な情報を届けることが重要です。これにより、認知獲得から問い合わせ、商談化までの流れをつくりやすくなります。
継続的な接触と育成
製造業では、初回接点からすぐに受注につながるとは限りません。製品単価が高い、導入リスクが大きい、社内承認に時間がかかるなどの理由から、検討期間が長期化しやすいためです。
そのため、一度問い合わせや資料ダウンロード、展示会で接点を持った見込み顧客に対して、継続的に情報提供を行い、関係を育てていくことが重要です。具体的には、メルマガ、セミナー案内、導入事例の共有、技術資料の提供、営業からの定期フォローなどが挙げられます。
このとき大切なのは、すべての見込み顧客に同じ情報を送るのではなく、検討状況や関心テーマに合わせて情報を出し分けることです。たとえば、情報収集段階の顧客には課題解決型のコンテンツを届け、具体的に比較検討している顧客には導入事例や仕様情報を届けることで、商談化の可能性を高められます。
また、施策を実施した後は、問い合わせ数、資料ダウンロード数、メールの開封率、商談化率、受注率などを確認し、改善を続けることも欠かせません。製造業のマーケティングは、施策を一度実行して終わりではなく、顧客の反応を見ながら改善し続けることで成果につながります。
継続的な接触と育成を行うことで、顧客が必要性を感じたタイミングで自社を思い出してもらいやすくなり、結果として問い合わせや商談の機会を増やすことができます。
マーケティング戦略について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
製造業におけるマーケティングの課題点
製造業がマーケティングを成功させるためには、特有の障壁を乗り越える必要があります。多くの企業が直面しやすい課題点は以下の2点です。
人手とノウハウの不足
多くの製造業では営業部門が販促活動を兼任しており、マーケティング専門の組織や人材が不足しています。デジタルマーケティングを始めようにも、社内に知見を持つ人がいないため、施策の選定や効果測定を正しく行えず、手探りの状態から抜け出せないケースが多く見られます。
製品中心の思考
技術力に強みを持つ企業ほど「優れた製品を作れば自然と売れる」というプロダクトアウトの思考に陥りがちです。そのため、Webサイトなどで製品のスペックや技術的な凄さばかりをアピールしてしまい、顧客が「自社の課題をどう解決できるか」という顧客視点の情報を発信できていない課題があります。
製造業のマーケティング施策10選
製造業のマーケティングでは、オンラインとオフラインの施策を組み合わせ、ターゲットに合わせたアプローチを行うことが重要です。
SEO対策
SEO対策は、検索エンジンで自社サイトを上位表示させ、ニーズのある顧客を安定的に集客する施策です。ターゲットが検索する「技術名」や「加工方法」などのキーワードで上位に入れば、広告費をかけずに継続的なアクセスを確保できます。
具体的には、顧客の抱える課題や技術的な悩みに応える有益なコラム記事を定期的に発信します。専門性の高いコンテンツを蓄積していくことで、検索エンジンからの評価が高まるだけでなく、業界内での権威性を示すことにも繋がります。
SEO対策の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
サイト運営
Webサイトはあらゆるマーケティング施策の受け皿となる基盤であり、24時間稼働する営業窓口です。会社概要だけでなく、製品仕様、導入実績、技術コラムなどを充実させることで、顧客が求める情報を網羅し、信頼感を醸成します。
成果を出して問い合わせを増やすためには、見込み顧客が迷わず資料ダウンロードや問い合わせができる導線設計が重要です。特に製造業では技術者がスペックを確認しにくるため、図面データや仕様書へのアクセスをスムーズにすることが鍵となります。
サイト制作リニューアルを検討されている方は、制作会社探しにこちらの記事をお役立てください。
Web広告
Web広告は、検索画面やWeb媒体に広告を掲載し、短期間で狙ったターゲットへアプローチする施策です。特定のキーワードを検索したユーザーに表示するリスティング広告などが代表的で、即効性が高い点が特徴です。
新製品の認知拡大や、特定の展示会に合わせた集客など、短期間で確実にリードを獲得したい場合に適しています。予算に合わせて柔軟に掲載量をコントロールできるため、費用対効果を見極めながら運用することが可能です。
SNS運用
SNS運用は、X(旧Twitter)やLinkedInなどを活用し、企業の認知拡大や親近感の醸成、人材採用に繋げる施策です。これまで接点のなかった潜在層に対して、自社の技術力や企業文化をリアルタイムで発信できます。
BtoB向けの製造業では、ビジネス層が多く利用する媒体の選定が重要です。日々の開発の裏側や技術的な知見を専門的に発信し続けることで、業界内での認知度を高めるだけでなく、企業の信頼性をアピールする場としても機能します。
動画コンテンツ
動画コンテンツは、写真や文章だけでは伝わりにくい製品の動きや、複雑な技術の仕組みを視覚的にわかりやすく伝える施策です。大型機械の動作や細かな加工プロセスを直感的に理解してもらうのに非常に効果的です。
実際の製造工程や導入企業のインタビューなどを動画化することで、顧客の導入検討ハードルを下げられます。作成した動画は自社サイトやYouTubeだけでなく、展示会ブースでの放映や営業資料としても幅広く活用可能です。
メルマガ
メルマガは、過去に名刺交換や資料ダウンロードで接点を持った見込み顧客に対し、定期的に情報を届けて関係を維持する施策です。中長期的な検討が必要な製造業において、顧客に自社を忘れさせないための重要な役割を持ちます。
新製品の案内だけでなく、技術的なノウハウや業界動向などの役立つ情報を配信することがポイントです。定期的な接触を続けることで、顧客の購買意欲が高まったタイミングでの問い合わせを確実にキャッチできます。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、顧客の課題解決に役立つ技術資料やノウハウ集を提供し、引き換えに見込み顧客の情報(リード)を獲得する施策です。単なる製品カタログとは異なり、技術的な専門知識をまとめた「お役立ち資料」を指します。
Webサイトに掲載し、ダウンロード時に企業名や連絡先を入力してもらう仕組みを構築します。自社の技術に関心を持つ質の高い見込み顧客の情報を効率的に集めることができ、その後の営業アプローチの起点となります。
展示会
展示会は、業界特化型の大規模なリアルイベントに出展し、製品の実物を見せながら直接顧客と対話する施策です。Webだけでは伝わりにくい製品のサイズ感、質感、実際の稼働状況を体験してもらえる点が最大の強みです。
来場者は具体的な課題を持って参加していることが多いため、その場で深い商談に発展するケースもあります。ブースで名刺交換を行い、一度に多くの新規リードを効率的に獲得するための重要なオフライン施策です。
セミナー・ウェビナー
セミナー・ウェビナーは、自社の専門知識や技術ノウハウを解説する講座を開催し、顧客の信頼感と購買意欲を高める施策です。特定のテーマについて深く解説することで、自社の技術力の高さを直接証明できます。
オンライン開催(ウェビナー)であれば、遠方の顧客も気軽に参加できるため集客のハードルが下がります。参加後のアンケートを通じて、顧客の具体的な検討状況や現在の課題を詳細に把握できる点もメリットです。
電話営業
電話営業は、資料請求やセミナー参加などの特定のアクションがあった顧客へ個別に連絡し、商談化を狙う施策です。無差別に行うテレアポとは異なり、すでに自社に関心を持っている顧客を対象とするため効率的です。
電話口では、顧客が現在抱えている具体的な課題や検討時期を丁寧にヒアリングします。Web施策で温まった見込み顧客に対して適切なタイミングでアプローチすることで、スムーズに次の商談へと繋げられます。
製造業マーケティングの成功ポイント
製造業のマーケティングで成果を出すためには、施策を実行するだけでなく、顧客理解や社内連携、改善の仕組みづくりが重要です。特に意識したいポイントは以下の4点です。
- 顧客の購買プロセスの理解:顧客がどのように情報を集め、比較し、問い合わせに至るのかを把握する。
- 顧客視点での価値訴求:製品の特徴だけでなく、顧客の課題をどう解決できるかを伝える。
- 営業との連携:マーケティングで得た情報を営業活動に活かし、商談につなげる。
- データを活用した改善:施策の結果を数値で確認し、継続的に改善する。
顧客の購買プロセスの理解
製造業では、製品やサービスの検討期間が長く、すぐに問い合わせや購入につながらないケースも多くあります。顧客はWebサイトや資料で情報を集め、社内で比較・検討したうえで、問い合わせや商談に進む流れが一般的です。
そのため、顧客がどの段階で、どのような情報を求めているのかを理解することが重要です。情報収集の段階では課題解決に役立つ記事、比較検討の段階では導入事例や技術資料、問い合わせ前の段階では相談フォームや見積もりへの導線を用意することで、商談につながりやすくなります。
顧客視点での価値訴求
製造業では、技術力や製品の品質を伝えることも大切ですが、専門的な説明だけでは顧客に価値が伝わりにくい場合があります。重要なのは、製品の特徴ではなく、「顧客のどのような課題を解決できるのか」をわかりやすく伝えることです。
たとえば、「高精度な加工ができる」と伝えるだけでなく、「部品のばらつきを抑えられる」「不良品を減らせる」「作業の手間を減らせる」といったように、顧客にとってのメリットに置き換えることが大切です。導入後の効果を具体的に伝えることで、顧客が自社で活用するイメージを持ちやすくなります。
営業との連携
製造業のマーケティングでは、Webサイトや広告、展示会などで見込み顧客を集めるだけでなく、その後の営業活動につなげることが重要です。問い合わせや資料ダウンロードがあっても、営業への引き継ぎがうまくできていなければ、商談の機会を逃してしまう可能性があります。
そのため、どのような状態の顧客を営業に引き継ぐのか、誰がどのタイミングで対応するのかを決めておくことが必要です。また、営業担当者が日々聞いている顧客の悩みやよくある質問を活用することで、より顧客に合った記事や資料を作成できます。
データを活用した改善
マーケティング施策は、実施して終わりではなく、結果を見ながら改善を続けることが大切です。Webサイトのアクセス数、問い合わせ数、資料ダウンロード数、広告のクリック率、商談につながった数などを確認することで、施策の効果を把握できます。
たとえば、アクセス数は多いのに問い合わせが少ない場合は、ページの内容や問い合わせ導線に課題があるかもしれません。資料ダウンロードは多いのに商談につながらない場合は、資料の内容や営業への引き継ぎ方法を見直す必要があります。データをもとに改善を続けることで、成果につながるマーケティング活動を行いやすくなります。
製造業のマーケティング事例
日本鋳鉄管株式会社
- 業種: 鋳鉄管・水道用パイプの製造
- 支援内容: Webサイトリニューアルとインサイドセールス体制の立ち上げ支援
伝統的な対面営業や紹介に依存する体制から脱却し、デジタルを活用した組織的な営業体制(DX)を構築した事例として、日本鋳鉄管株式会社が挙げられます。
創業100年を超える老舗鋳鉄管メーカーとして長年日本のインフラを支えてきましたが、伝統的な営業スタイルや紹介に依存しており、デジタルを活用した新規顧客の開拓やマーケティングを組織的に推進するノウハウが不足していることが課題でした。
取り組んだ主な施策:
- 顧客体験(UX)を重視したWebサイトの刷新: 製品スペックの羅列にとどまらず、技術の強みや事例をわかりやすく発信し24時間稼働する営業窓口へ転換。
- インサイドセールス体制の立ち上げ: Webサイトから獲得した見込み顧客に対して、効率的にアプローチを重ねて商談化する組織体制を構築。
- マーケティング基盤のデータ可視化: 顧客のアクセス履歴や問い合わせ経路を数値化し、客観的な根拠に基づいて次の施策を判断できる環境を整備。
この結果、紹介や対面中心だった従来の営業スタイルから脱却し、Webを通じて新規顧客を自動的に呼び込む仕組みが確立されました。属人的な営業から組織的・デジタル主導の営業体制へと刷新されたことで、自走できるDXの土壌が整っています。
より詳しく支援内容を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
株式会社MAKERS(uFit)
- 業種: トレーニングギア・サプリメント等の製造(EC・D2C)
- 支援内容: 自社ECサイトのUX設計とマーケティング戦略立案
デジタル上での単発の広告運用や価格競争から脱却し、自社ECサイトでの価値訴求によって購入率向上とファン獲得を実現した事例として、株式会社MAKERSがわかりやすい例でしょう。
スポーツ・フィットネスブランド「uFit」を展開し順調に成長を続けていましたが、単発のWeb広告や値引きキャンペーンに依存しており、自社ECサイト上で製品のこだわりや本質的な価値が顧客に伝わりきらず、ECサイトの購入率(CVR)やリピート率の向上に伸び悩んでいるという課題を抱えていました。
取り組んだ主な施策:
- ペルソナと顧客インサイトの徹底分析: 理想の顧客像を抱える悩みのレベルまで具体化し、自社ECサイトを訪れるターゲットが真に求めるニーズを抽出。
- 自社ECサイトのUX/UI最適化: プロダクトの開発背景から決済にいたるまでの購入導線を見直し、顧客が触れるすべての接点でブレのないブランド体験を構築。
- 顧客視点のECマーケティング戦略: 単なる機能訴求や値引きではなく、顧客の課題解決パートナーとしての価値を伝えるコンテンツ発信をECサイト内で仕組み化。
この結果、ターゲットに深く刺さる一貫したメッセージの発信が可能になり、ECサイトでの離脱率が大幅に改善され、コンバージョン率(CVR)向上とファン層の拡大を実現しました。価格競争に巻き込まれないブランド価値が確立されたことで、リピート購入が増加し、確実な売上成長を牽引する基盤が整っています。
こちらの記事では、より詳しく支援内容を解説しております。
日本特殊陶業
- 業種: スパークプラグ・総合セラミックス製品の製造
- 支援内容: 新市場開拓マーケティングとリブランディング
産業構造の変化に伴う既存市場の縮小に対応し、技術力を活かした新領域への進出と市場開拓マーケティングを実践している事例として、日本特殊陶業が挙げられます。
内燃機関向けスパークプラグで世界トップシェアを誇りますが、電気自動車(EV)へのシフトという劇的な産業構造の変化に直面し、新領域(医療、環境、エネルギーなど)へ進出するための「新規市場の開拓」と「新たなターゲット層へのアプローチ」が急務となっていました。既存の製品イメージが強いゆえに、新市場の顧客に対して自社の技術がどう役立つのかを認知させ、効率的に見込み顧客(リード)を獲得していくマーケティング戦略の構築が課題でした。
取り組んだ主な施策:
- 新市場におけるターゲット・ニーズの明確化: 培ったセラミックス技術を基盤に、医療や環境など進出先となる新市場の顧客課題を徹底的に分析し、自社が勝てるターゲット領域を特定。
- ソリューション型のマーケティング訴求への転換: 従来の「製品機能」を伝えるプロダクトアウトのマーケティングから、新市場の顧客が抱える課題を解決する「ソリューション」を軸としたマーケットインの価値提案へ転換。
- 新領域向けの認知拡大とリード獲得施策の展開: 2023年の「Niterra」へのブランド刷新と連動し、新たなターゲット層との接点を作るための効果的な情報発信と、国内外でのリード獲得(リードジェネレーション)を推進。
この結果、新領域の市場におけるターゲット顧客からの認知度が飛躍的に高まり、新たなビジネスパートナーの開拓や見込み顧客からの問い合わせ獲得に成功しました。「エンジン部品メーカー」という固定概念を覆し、新市場において「課題解決型パートナー」としてのポジショニングを早期に確立した、市場開拓マーケティングの先駆的な事例となっています。
支援内容をより詳しく知りたい方あは、こちらの記事をご覧ください。
製造業に限らず、マーケティングの成功事例について幅広く知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
製造業のマーケティングならセブンデックスに相談
製造業におけるマーケティングでは、社内に専門ノウハウがなく手探りの状態が続いていたり、製品スペックばかりをアピールして顧客視点の発信ができていないという状況に陥ってしまうことがあります。
セブンデックスは、製造業独自の強みを分析し、プロダクトアウトから顧客視点のブランド体験(UX)への転換を支援します。戦略立案から、マーケティング戦略の設計、実装まで一貫して伴走支援いたします。
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