Webサイトやサービスの成果を高めるうえで重要なのが、ユーザー体験を見直す「UX改善」です。使いやすさだけでなく、サービスを知ってから利用するまでの体験全体を改善することで、継続利用やCVの向上につながります。
本記事では、UX改善の意味や具体的な方法、進め方、成功のポイントを事例とあわせて解説します。
UX改善とは
UXとは?UIとの違いも解説
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、商品やサービスを通じてユーザーが得る「体験」全体を指します。Webサイトであれば、使いやすさだけでなく、「情報を見つけやすい」「迷わず操作できる」「また利用したい」と感じることまで含まれます。
一方、UI(ユーザーインターフェース)は、ボタンやメニュー、文字の大きさなど、ユーザーが実際に見たり操作したりする接点のことです。つまり、UIはUXを構成する要素のひとつであり、UIを改善することがより良いUXにつながります。UXの意味やUIとの違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
UX改善が重要な理由
UX改善が重要なのは、ユーザーの使いやすさを高めるだけでなく、サービスの成果にもつながるためです。どれだけ魅力的な商品やサービスでも、「必要な情報が見つからない」「操作方法が分かりにくい」といった不便があれば、ユーザーは途中で離脱してしまいます。
反対に、ユーザーが迷わず目的を達成できる体験をつくることで、離脱の防止や継続利用、問い合わせ・購入といったCVの向上が期待できます。そのためUX改善は、ユーザー満足度と事業成果の両方を高めるうえで重要な取り組みといえます。
UX改善によって期待できる効果・メリット
ユーザー満足度を高め、離脱を防ぎやすくなる
UXを改善すると、ユーザーがストレスなくサービスを利用できるようになり、満足度の向上につながります。たとえば、必要な情報にすぐたどり着ける、操作に迷わないといった体験は、サイトやサービスへの印象を大きく左右します。
一方で、使い方が分かりにくかったり、欲しい情報が見つからなかったりすると、ユーザーは途中で離脱しやすくなります。ユーザー目線で不便なポイントを見直すことで、離脱を防ぎ、継続的に利用してもらいやすくなります。
CVRや売上の改善につながる
UX改善は、問い合わせや購入までの流れをスムーズにし、CVRや売上の改善にもつながります。たとえば、入力フォームを簡潔にしたり、購入ボタンを見つけやすくしたりすることで、ユーザーが途中で迷ったり離脱したりする可能性を減らせます。
商品やサービス自体に魅力があっても、申し込みまでの導線が分かりにくければ成果にはつながりません。ユーザーが迷わず行動できる設計に整えることで、より多くのユーザーをCVへつなげやすくなります。
リピート率やLTV・顧客ロイヤリティの向上につながる
UXを改善し、ユーザーが「使いやすい」「また利用したい」と感じる体験を提供できれば、リピート率の向上も期待できます。継続して商品やサービスを利用してもらうことで、一人の顧客が長期的にもたらす利益であるLTVの向上にもつながります。
また、満足度の高い体験を積み重ねることで、サービスへの信頼や愛着が生まれ、顧客ロイヤリティも高まりやすくなります。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係を長く維持するうえでも、UX改善は重要です。
UX改善の具体的な方法・手法
UX改善を進めるうえでは、まずユーザーがどのように行動し、何を感じているのかを把握する「UXリサーチ」が重要です。アンケートやユーザーインタビュー、行動観察などを通じて課題を明らかにすることで、感覚ではなくユーザーの実態に基づいた改善につなげられます。
UXリサーチの具体的な調査手法や進め方について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ユーザーインタビュー・アンケート・ユーザビリティテストで課題を把握する
UX改善では、まずユーザーがどこで迷い、何に不満を感じているのかを把握することが重要です。ユーザーインタビューでは、行動の背景や利用時の悩みを深掘りでき、アンケートでは多くのユーザーから傾向を把握できます。
また、ユーザビリティテストでは、実際にサイトやサービスを操作してもらうことで、ユーザー自身も気づいていない使いにくさを発見できます。複数の調査手法を目的に応じて使い分けることで、改善すべき課題をより具体的に特定できます。
アクセス解析・ヒートマップ・ログ分析でユーザー行動を把握する
アクセス解析やヒートマップ、ログ分析を活用すると、ユーザーがサイト内でどのように行動しているのかを客観的なデータから把握できます。たとえば、離脱が多いページやよくクリックされている箇所、ユーザーがどの順番でページを閲覧しているかなどを確認できます。
こうしたデータから「どこでつまずいているのか」「どの導線が機能していないのか」を特定することで、根拠に基づいたUX改善を進めやすくなります。インタビューなどの定性的な調査と組み合わせれば、行動だけでなく、その背景にある理由まで捉えやすくなります。
ペルソナ・カスタマージャーニーでユーザー体験を可視化する
UX改善では、ペルソナやカスタマージャーニーを作成し、ユーザーがどのような状況でサービスを利用し、どこで課題を感じているのかを整理する方法も有効です。ペルソナでは代表的なユーザー像を具体化し、カスタマージャーニーでは認知から比較・検討、利用までの行動や感情を時系列で可視化します。
ユーザー体験を一連の流れとして捉えることで、個別の画面や機能だけでは見つけにくい課題にも気づきやすくなります。改善すべきポイントを関係者間で共有しやすくなる点もメリットです。
情報設計・導線を改善し、プロトタイプやABテストで検証する
ユーザーの課題が見えてきたら、必要な情報に迷わずたどり着けるように情報設計や導線を見直します。たとえば、メニュー構成を整理したり、重要なボタンの位置や文言を調整したりすることで、ユーザーが次に取るべき行動を分かりやすくできます。
改善案は、いきなり本番環境へ反映するのではなく、プロトタイプを使って操作性を確認したり、ABテストで複数の案を比較したりすることが重要です。検証結果をもとに改善を繰り返すことで、ユーザーの感覚ではなくデータに基づいてUXを高められます。
UX改善の進め方|5つのステップ
STEP1.UX改善の目的・KPIを明確にする
UX改善を始める前に、まず「何を改善したいのか」と、その成果をどの指標で判断するのかを明確にします。目的やKPIが曖昧なままでは、施策を実施しても本当に効果があったのかを評価できません。
ユーザー満足度やタスク完了率、継続率など、UXを数値化する具体的な指標について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
STEP2.ユーザーと現状の体験を調査する
次に、ユーザーが現在どのようにサービスを利用し、どこで迷いや不満を感じているのかを調査します。ユーザーインタビューやアンケート、アクセス解析、ヒートマップなどを活用し、実際の行動や心理を把握していきます。
この段階では、担当者の感覚だけで課題を決めつけず、ユーザーの声やデータをもとに現状を整理することが重要です。改善すべきポイントを正確に把握できれば、次のステップで優先順位を付けやすくなります。
STEP3.データを分析してUX上の課題を特定する
調査で集めたデータをもとに、ユーザーがどこでつまずいているのか、どの体験が満足度やCVを下げているのかを分析します。アクセスデータだけでなく、インタビューやアンケートで得た意見もあわせて見ることで、数値だけでは分からない課題の背景まで捉えやすくなります。
課題が複数見つかった場合は、影響の大きさや改善のしやすさを踏まえて優先順位を付けます。すべてを一度に改善するのではなく、成果への影響が大きい課題から取り組むことが重要です。
STEP4.改善案を立案し、プロトタイプを作成する
特定した課題をもとに、どのように改善すればユーザー体験が良くなるかを具体化します。たとえば、情報の並び順を変える、導線を分かりやすくする、入力項目を減らすなど、課題に応じて改善案を検討します。
改善案が固まったら、実装前にプロトタイプを作成し、実際の操作感や使いやすさを確認します。早い段階で検証することで、手戻りを抑えながら、より効果の高い改善につなげやすくなります。
STEP5.施策を実施・検証し、改善を繰り返す
改善案が固まったら、実際に施策を実施し、事前に設定したKPIをもとに効果を検証します。アクセス解析やユーザーの反応を確認し、想定した成果が出ているかを見極めます。
UX改善は、一度施策を実施して終わりではありません。検証結果から新たな課題を見つけ、改善と検証を繰り返すことで、より使いやすく成果につながるユーザー体験へと近づけていくことが重要です。
UX改善を成功させるポイント
【ポイント1】事業目標とユーザーのニーズを両方踏まえる
UX改善では、ユーザーにとって使いやすい体験をつくるだけでなく、売上や問い合わせ、継続利用といった事業目標につながるかどうかも踏まえて施策を考えることが重要です。
たとえば、ユーザーが「入力項目が多くて面倒」と感じている場合、フォームを簡略化することで使いやすさを高めながら、問い合わせ完了率の改善も期待できます。このように、ユーザーの不満や要望をそのまま反映するのではなく、事業側が達成したい成果との接点を見つけることがポイントです。ユーザーのニーズと事業目標の両方を満たす改善を積み重ねることで、使いやすさだけで終わらない、成果につながるUX改善を進めやすくなります。
【ポイント2】定量データと定性データの両方から課題を特定する
UX改善では、アクセス数や離脱率、CVRといった定量データだけでなく、ユーザーインタビューやアンケートなどから得られる定性データもあわせて確認することが重要です。
たとえば、アクセス解析から「特定のページで離脱が多い」と分かっても、その数値だけでは、なぜ離脱しているのかまでは判断できません。そこで、ユーザーの声や実際の行動を確認することで、「必要な情報が見つからない」「操作方法が分かりにくい」といった背景まで把握しやすくなります。数値から課題が起きている場所を見つけ、ユーザーの声からその原因を深掘りすることで、思い込みに頼らず、より精度の高いUX改善につなげられます。
【ポイント3】小さく検証しながら継続的に改善する
UX改善では、最初から大きな改修を行うのではなく、改善案を小さく試しながら効果を確かめ、ユーザーの反応やデータを確認しつつ、段階的に改善の精度を高めていくことが重要です。
たとえば、ボタンの文言や配置、フォームの項目数など、一部の要素から変更してユーザーの反応を確認します。ABテストやアクセス解析を活用すれば、どの変更が成果につながったのかを判断しやすくなります。一度の改善で理想的なUXが完成するとは限りません。検証結果をもとに修正を重ね、ユーザーの行動やニーズの変化に合わせて継続的に改善していくことが、UX改善を成功させるポイントです。
UX改善で確認したいチェックポイント
UX改善では、見た目や操作性だけでなく、ユーザーの目的を正しく捉えられているか、必要な情報へ迷わずたどり着けるかといった体験全体を確認することが重要です。また、改善して終わりではなく、その後の効果を検証できる状態になっているかも確認しておきましょう。UX改善を行う際は、以下のポイントをチェックしてみてください。

UX改善を行う際の注意点
見た目やUIの変更だけで終わらせない
UX改善というと、デザインやボタンの配置など、見た目やUIの変更に目が向きがちです。しかし、見た目を整えるだけでは、ユーザーが抱えている本質的な課題を解決できない場合があります。
たとえば、ページが見やすくなっても、必要な情報にたどり着きにくかったり、申し込みまでの流れが複雑だったりすれば、ユーザー体験は十分に改善されません。ユーザーがどこで迷い、なぜ離脱しているのかを把握したうえで、情報設計や導線、機能、コンテンツなども含めて見直すことが重要です。UIはUXを構成する一要素と捉え、サービスを利用する一連の体験全体を改善していきましょう。
改善施策を増やしすぎず、優先順位をつける
UX改善では、見つかった課題すべてに一度に対応しようとせず、優先順位をつけて取り組むことが重要です。施策を増やしすぎると、開発や運用の負担が大きくなるだけでなく、どの施策が成果につながったのかも判断しにくくなります。
優先順位を決める際は、ユーザーへの影響の大きさや事業成果への貢献度、実施にかかるコストなどを踏まえて整理します。たとえば、離脱率が高く、多くのユーザーが利用するページの課題は、優先的に改善する価値が高いと考えられます。効果が期待できる施策から順番に実施し、検証結果を見ながら次の改善へ進むことで、限られたリソースでも効率よくUXを高められます。
短期的な数値だけで改善効果を判断しない
UX改善の効果は、施策を実施した直後の数値だけで判断しないことが重要です。CVRや離脱率などは短期間でも変化を確認しやすい一方で、ユーザー満足度や継続率、リピート率といった指標は、効果が表れるまでに時間がかかる場合があります。
たとえば、一時的にCVRが上がったとしても、その変更によって使いにくさが増し、長期的な継続利用が減ってしまっては、本質的なUX改善とはいえません。短期的な成果とあわせて、中長期的なユーザー行動や満足度の変化も確認する必要があります。複数の指標を一定期間追いながら、ユーザー体験と事業成果の両面で改善できているかを判断することが大切です。
セブンデックスの支援事例から見るUX改善の成功事例
株式会社クラシアン|顧客理解からUXを再設計しCVR127%を実現

株式会社クラシアンでは、SEOを目的としたサイトリニューアルによって流入数が増えた一方、離脱率が上がり、CVRが大きく低下するという課題を抱えていました。そこでセブンデックスは、Search ConsoleやGA4、ヒートマップによる定量分析に加え、トイレ交換経験者へのインタビューを実施。ユーザーが何を不安に感じ、どのような情報をもとに依頼先を選ぶのかを掘り下げました。
その結果をもとに顧客像やカスタマージャーニーを設計し、必要なコンテンツや問い合わせまでの導線を整理。ユーザーが不安を解消しながら相談へ進めるサイトへと改善した結果、ホームページ全体のCVRはリニューアル前比127%を実現しました。顧客理解からUXを再設計し、実際のUIへ落とし込んだ具体的なプロセスについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
→ 【UI/UX改善事例】CVR127%を実現したホームページリニューアル|クラシアン支援の裏側
株式会社Gakken|購買導線のUX改善で送客率351%向上

株式会社Gakkenが運営するECサービス「イエベン」では、豊富なコンテンツを持つ一方で、サイト構造が複雑なため購買に至るまでの離脱が発生し、コンテンツの魅力も十分に伝えきれていないという課題がありました。そこでセブンデックスは、定量分析とユーザーインタビューを組み合わせて課題を整理し、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成。コンテンツやボタン、ページ遷移など、購買までの導線を再設計しました。
さらに、ユーザーテストによる仮説検証を重ねながらUIや情報設計を改善した結果、コンバージョンポイントへの送客率は351%向上しました。ユーザー理解から導線設計、仮説検証まで、具体的なUX改善のプロセスについては以下の事例をご覧ください。
→ 株式会社Gakken|送客率351%向上を実現したECサービス「イエベン」のUIUX刷新
Yper株式会社「OKIPPA」|UX/UI改善でアプリの継続率を7.9%向上

Yper株式会社の置き配サービス「OKIPPA」では、サービスをまず提供するフェーズから、ユーザー体験を見直しながら成長させるフェーズへ移行するなかで、スピード感を持ったUX改善が求められていました。そこでセブンデックスは、理想のユーザー体験を定義したうえで情報設計を見直し、誰でも直感的に操作できるシンプルなUX/UIへリニューアルしました。さらに、事業戦略からKGI・KPIの設計、データ分析、改善施策の検討まで一貫して支援しています。
その結果、アプリの継続率(1か月後の再利用率)は7.9%向上。さらに、月間アクティブユーザー数は4〜5倍増を継続的にキープするなど、サービスの成長にもつながりました。UX/UIの再設計からKPI設計、改善施策までの具体的なプロセスについては、以下の事例をご覧ください。
→ Yper株式会社|新規事業「OKIPPA」のUXUIデザイン、グロースハックでの成長戦略支援

今回紹介した3つの事例以外にも、UI・UX改善によってユーザー体験や事業成果の向上につながった事例はあります。業界やサービスによって抱える課題は異なるため、複数の事例を見ることで、自社のUX改善に活かせる考え方や進め方を見つけやすくなります。
具体的な改善内容や成果をさらに知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ|UX改善はユーザーを理解し、検証を繰り返すことが重要
UX改善で重要なのは、見た目やUIを整えることだけではなく、ユーザーがどこで迷い、何に不満を感じているのかを正しく理解することです。インタビューやアンケート、アクセス解析などを通じて課題を把握し、ユーザーの行動や心理に基づいて改善策を考える必要があります。
また、改善施策は一度実施して終わりではありません。事前に設定したKPIをもとに効果を検証し、結果を踏まえて次の改善につなげることが大切です。ユーザーのニーズと事業目標の両方を意識しながら、小さな改善と検証を積み重ねることで、ユーザー満足度だけでなく、CVRや継続率などの事業成果につながるUXを目指せます。
UX改善を事業成果につなげるなら、セブンデックスにご相談ください
セブンデックスでは、ユーザーリサーチやデータ分析を通じた課題の特定から、UX/UI設計、改善施策の実行・検証まで、一貫してUX改善を支援しています。
UX改善では、単にサイトやアプリを使いやすくするだけでなく、ユーザーが抱える課題を正しく捉え、事業目標と結びつけながら改善を進めることが重要です。自社だけでは「どこから改善すべきか分からない」「ユーザー調査や分析まで手が回らない」といった場合も、課題整理の段階からご相談いただけます。
UX改善を通じて、ユーザー体験と事業成果の両方を高めたい方は、ぜひセブンデックスまでお問い合わせください。



