「施策は色々試しているのに、成果になかなか繋がらない」「他社の成功事例を読んでも、抽象的すぎて自社にどう活かせばいいかわからない」。BtoBマーケティングにおいて、こうした壁にぶつかっている企業は少なくありません。
本記事では、セブンデックスが実際に支援した企業8社の事例から、法人顧客の認知・検討・問い合わせ・継続に活かせるBtoBマーケティングの取り組みを紹介し、成功のポイントと実践のロードマップを解説します。
BtoBマーケティングとは
BtoCとの違い
BtoB(Business to Business)マーケティングとは、企業が企業に対して商品・サービスを提供する際のマーケティング活動を指します。個人消費者を対象とするBtoC(Business to Consumer)マーケティングとの最大の違いは、意思決定プロセスの複雑さです。
BtoCでは購入者自身が比較的短期間で意思決定を行うのに対し、BtoBでは決裁者・利用部門・情報システム部門など複数の関係者が関わり、検討期間も数ヶ月から1年以上に及ぶことが珍しくありません。また購買金額が大きく、失敗した際の損失も大きいため、機能的なメリットだけでなく「信頼できる企業か」というブランドへの信頼感が意思決定に強く影響します。
BtoBマーケティングが難しいとされる理由
BtoBマーケティングが難しいとされる理由は、主に3つあります。
1つ目は、ターゲットが「個人」ではなく「組織」であるため、決裁者・現場担当者それぞれに刺さる情報設計が必要になること。
2つ目は、検討期間が長期化するため、初回接点から受注まで継続的な関係構築(リードナーチャリング)が欠かせないこと。
3つ目は、マーケティング部門だけで完結せず、営業部門との連携なしには成果に繋がりにくいことです。
これらの特性を理解しないまま施策だけを実行しても、成果は出にくいのが実情です。
BtoBマーケティングの主な手法
BtoBマーケティングにはさまざまな手法がありますが、代表的なものを4つ紹介します。
コンテンツマーケティング(オウンドメディア)
自社が運営するオウンドメディアで、顧客の業務課題を解決する専門的な情報を発信し、信頼を獲得しながら見込み顧客を育成する手法です。検索数の多さだけを追うのではなく、顧客が実務で直面する課題に寄り添ったテーマ設計が成果を左右します。広告費に頼らず自社の資産として蓄積・再利用できる点も大きなメリットです。
ホワイトペーパー・ウェビナー
検討初期段階の潜在層に対して、業務課題の解決に役立つ資料(ホワイトペーパー)やオンラインセミナー(ウェビナー)を無料提供し、リード情報を獲得する手法です。「明日から使える」実践的な内容であるほど、ダウンロード・参加のハードルが下がります。
休眠リードの発掘とMA活用
過去に名刺交換や資料請求はあったものの、商談化に至らなかった「休眠リード」に対して、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)を活用し、リードのスコアリングを行いながら再アプローチする手法です。新規のリードジェネレーションに比べてコストを抑えながら商談化率を高められる点が特徴です。
展示会・Web広告
オンライン・オフラインの展示会への出展や、リスティング広告・SNS広告の活用も、認知拡大と短期的なリード獲得の手段として引き続き有効です。ただし広告は投資である以上、費用対効果を継続的に検証する体制が欠かせません。
BtoBマーケティング成功事例8選|課題・施策・成果で比較
BtoBマーケティングでは、広告やコンテンツ制作といった個別施策だけでなく、ターゲットの理解、ブランドの伝え方、Webサイトやサービスの体験設計まで含めて考えることが重要です。
ここでは、セブンデックスが実際に支援した企業の中から、BtoBマーケティングにおける課題や施策が分かりやすい8つの事例を紹介します。まずは各社の課題と取り組みを比較してみましょう。
| 企業 | 課題・目的 | 主な施策・取り組み |
|---|---|---|
| 東邦ガス株式会社 | 事業環境の変化に伴う企業ブランドの再定義 | 市場・顧客・従業員調査をもとにブランドを再定義し、ブランドサイトなどへ展開 |
| TIS株式会社 | 新規事業群の市場認知・リード獲得 | ブランドサイトを構築し、認知から顧客獲得までのWeb上の顧客接点を設計 |
| 日本鋳鉄管株式会社 | 企業価値の再定義・発信 | ブランド戦略からコーポレートサイトまで一貫して刷新 |
| GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 | 電子契約サービスのユーザー体験改善 | ユーザー調査をもとにUX/UIを改善し、継続的な改善体制を構築 |
| 株式会社ホールエナジー | サイトから問い合わせにつながりにくい | 顧客理解をもとに導線・情報設計を見直し、問い合わせ獲得を支えるサイトへ刷新 |
| BRANU株式会社 | 顧客層の変化に伴うサービス改善 | 顧客像を再定義し、BtoBマーケティングツールのUX/UIを改善 |
| 株式会社青山財産ネットワークス | 認知拡大・新規リード獲得 | 市場分析からターゲットを定め、リード獲得につながるLPを設計 |
| 株式会社うるる | 継続的な情報発信基盤の構築 | オウンドメディアを構築し、自社の情報・ナレッジを蓄積できる基盤を整備 |
東邦ガス株式会社|市場・顧客・従業員調査からブランドを再定義
東邦ガス株式会社では、事業環境が変化する中で、これからの企業としての方向性を整理し、社内外へ一貫して伝えていくことが求められていました。
セブンデックスは、約6,000名の従業員へのサーベイに加え、一般消費者2,000名を対象としたブランド認知度調査や顧客インタビュー、市場・競合調査を実施。得られた情報をもとにブランドアイデンティティを定義し、ブランドサイトやムービーなどの顧客接点へ展開しました。
企業側の思いだけでブランドを定義せず、市場や顧客からの見え方まで調査したうえでコミュニケーションを設計した点がポイントです。
TIS株式会社|市場認知とリード獲得を見据えたブランドサイトを構築
TIS株式会社では、新規事業群のブランド認知向上とリード獲得を目的に、ユーザーが事業内容を直感的に理解できるブランドサイトの構築が求められていました。
セブンデックスは、部門長や現場社員へのインタビューから事業の方向性を整理し、キーメッセージやキービジュアル、情報設計、UIまで一貫して設計。ユーザーが必要な情報へ迷わず到達できるサイトを構築し、ブランドの心象形成から顧客獲得までを支えるWeb上の顧客接点を整えました。
BtoBマーケティングでは、集客だけでなく、流入後に「何を提供する企業なのか」「自社にどう役立つのか」を理解できる受け皿を設計することが重要です。TISの事例は、認知とリード獲得を分断せず、一つの顧客体験として設計した事例といえます。
日本鋳鉄管株式会社|企業価値を再定義し、顧客接点となるブランド・Webを刷新
日本鋳鉄管株式会社では、市場縮小による成長鈍化や社内文化への課題に加え、企業としての価値をステークホルダーへ十分に伝えられていないという課題がありました。
セブンデックスは、経営陣や社員との対話、調査・分析から企業の理想像とステークホルダーとの関係性を整理。ブランドDNAやビジュアルを策定し、コーポレートサイトを含む顧客接点へ展開しました。
BtoBでは商品・サービスの機能だけでなく、長期的な取引相手として「どのような企業なのか」も比較検討材料になります。企業価値の定義から外部への伝達までを一貫させたことが、この事例のポイントです。
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社|顧客理解を起点に電子契約サービスのUX/UIを改善
電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」では、紙での契約を含む契約業務全体を捉え直し、ユーザーが迷わず利用できるサービス体験へ再構築することが求められていました。
セブンデックスは、ユーザーテストや競合調査を通じて契約業務の流れと使いづらさを可視化し、情報設計とUIを改善。部署間の書類共有やユーザー追加など、企業規模を問わず利用しやすいサービスへと刷新しました。
さらに、プロジェクトをきっかけに開発・デザイン・営業・CSが連携して改善を進める体制も構築されています。ユーザー理解を施策だけで終わらせず、継続的な改善の仕組みまでつなげた点がポイントです。
株式会社ホールエナジー|顧客理解をもとに問い合わせ獲得を見据えたサイトへ刷新
株式会社ホールエナジーでは、従来のコーポレートサイトで企業の価値を十分に伝えられておらず、問い合わせ獲得につながりにくいことが課題となっていました。
そこで、経営層から営業、人事、新入社員まで幅広くヒアリングし、企業独自の価値を整理。さらに、実際に問い合わせを行ったユーザーへのインタビューから行動を分析し、問い合わせまでの導線や情報設計を再構築しました。
結果として、企業の世界観を伝えながら、問い合わせ獲得の改善を支えるサイト基盤を構築しています。企業側が伝えたい情報だけでなく、顧客が意思決定するまでの行動からサイトを設計した事例です。
BRANU株式会社|顧客像を再定義し、BtoBマーケティングツールのUX/UIを改善
BRANU株式会社が提供するBtoBマーケティングツール「eat」では、事業拡大によって顧客層が変化し、従来想定していたユーザー像と実際のニーズにズレが生まれていました。
セブンデックスは既存顧客へのインタビューから仮説を検証し、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成。ユーザーが必要な情報や次に取るべき行動を直感的に理解できるUX/UIへ刷新しました。
その結果、サービスの利用継続率や満足度が向上しています。施策を考える前に顧客像を再定義し、その理解をサービス体験へ落とし込んだことがポイントです。
株式会社青山財産ネットワークス|市場分析からターゲットを定め、リード獲得LPを設計
株式会社青山財産ネットワークスでは、経営統合を契機とした認知拡大に加え、新たな顧客接点をつくり、リード獲得につなげることが課題となっていました。
セブンデックスは市場構造を分析し、注力すべきターゲットの特徴・課題・理想状態を整理。そのうえで、顧客が課題を認識してから相談に至るまでのプロセスを設計し、LP上で訴求すべき情報やストーリーへ落とし込みました。
「まずLPを作る」のではなく、市場・ターゲット・意思決定プロセスを整理してからクリエイティブへ進んだ点が、BtoBのリード獲得施策を考えるうえで参考になる事例です。
株式会社うるる|継続的な情報発信を可能にするオウンドメディアを構築
株式会社うるるでは、ブランド認知を促進するとともに、自社の情報を継続的に発信・蓄積できるプラットフォームを持つことが課題となっていました。
セブンデックスは、ターゲットユーザーの理想的な体験を定義したうえで情報の優先順位を整理し、UIやデザインコンセプトを設計。運用開始後も継続して情報発信できるよう、CMS運用マニュアルまで整備しました。
その結果、従来の公式ブログに代わるオウンドメディア「ULUlog」を構築。単発の施策ではなく、自社に情報やナレッジが蓄積されるマーケティング基盤をつくった事例です。
事例から見るBtoBマーケティング成功の共通パターン
8社の事例を横断すると、取り組んだ施策は異なっていても、成果につなげるための考え方にはいくつかの共通点があります。
顧客理解を起点に施策を設計する
BtoBマーケティングでは、自社が伝えたい情報から施策を考えるのではなく、顧客が抱えている課題や意思決定の流れを理解することが重要です。
BRANUでは既存顧客へのインタビューから想定していたユーザー像を見直し、ホールエナジーでは実際に問い合わせたユーザーの行動を分析してサイトを設計しています。施策を決める前に顧客理解の解像度を高めることが、その後の施策精度を左右します。
部門を横断して顧客体験を改善する
BtoBでは、マーケティングだけで顧客体験が完結するケースは多くありません。営業やCS、プロダクトなど、複数の部門が顧客との接点を持っています。
GMOグローバルサイン・ホールディングスでは、UX/UIの改善に加えて、開発・デザイン・営業・CSが一緒にサービスを改善する体制が構築されました。部門ごとに施策を最適化するのではなく、顧客体験全体を共通の視点で改善することが重要です。
単発施策ではなく継続的に使える資産をつくる
BtoBは検討期間が長いため、一度広告やキャンペーンを実施するだけではなく、中長期的に顧客と接点を持つ仕組みが必要です。
うるるでは、自社の知識や情報を蓄積しながら継続発信できるオウンドメディアを構築しました。記事や事例、ホワイトペーパーなどのコンテンツは、蓄積することで継続的な顧客接点になります。施策を「実施して終わるもの」ではなく、自社に残る資産として設計する視点が重要です。
データやユーザーの声をもとに改善する
顧客ニーズを仮説だけで決めず、実際のデータやユーザーの声をもとに検証することも共通しています。
BRANUではユーザーインタビューから当初の仮説と実際の課題のズレを発見し、GMOグローバルサイン・ホールディングスではユーザーテストを通じて使いづらさを特定しました。最初から完成形を目指すのではなく、顧客から得られた情報をもとに改善を繰り返すことが重要です。
集客だけでなく受け皿となる顧客体験まで設計する
広告やコンテンツによってサイトへの流入を増やしても、その後に必要な情報を見つけられなかったり、サービスを使いづらかったりすれば成果にはつながりません。
TISでは市場認知とリード獲得を見据えたブランドサイトを設計し、ホールエナジーでは問い合わせまでのユーザー行動をもとにサイト導線を改善しています。集客施策と、その先にあるWebサイトやサービスのUX/UIを分断せず設計することが、BtoBマーケティングの成果を高めるポイントです。
BtoBマーケティング成功企業のロードマップ
事例で紹介した企業に共通する取り組みのステップを、実行の流れとして整理します。
現状分析と課題の特定
まずはアクセス解析やユーザーインタビュー、市場・競合調査などを通じて現状を可視化し、成果を妨げている課題を特定します。東邦ガスの事例では、約6,000名の従業員へのサーベイに加え、一般消費者2,000名へのブランド認知度調査や顧客インタビュー、市場・競合調査を実施しました。
企業側の認識だけで判断せず、顧客・市場・社内など複数の視点から現状を把握することで、優先して解決すべき課題を明確にできます。そのうえで、達成したいゴール(KGI)と進捗を測る指標(KPI)を設定します。
施策の選定と実行計画
現状分析の結果をもとに、コンテンツマーケティング・ホワイトペーパー・LP制作・UX/UI改善など、自社の課題に合った施策を選定します。青山財産ネットワークスの事例のように、市場構造分析に基づいてターゲットとコミュニケーション戦略を明確にしてから実行に移すことで、施策の精度が高まります。
効果測定と改善サイクルの構築
施策を実行したら終わりではなく、ユーザーテストやプロトタイプ検証を通じて定期的に効果を測定し、改善を繰り返す体制を構築します。
GMOグローバルサインの事例のように、部門を横断したプロダクトチームを組成することで、改善のスピードと精度を両立できます。
まとめ|BtoBマーケティングの成功は「事例に学ぶ具体性」と「一気通貫の設計」で決まる
BtoBマーケティングを成功につなげるには、顧客理解を起点に施策を設計し、部門を横断して顧客体験を改善することが重要です。また、集客施策だけを見るのではなく、その受け皿となるWebサイトやサービスのUX/UI、継続的な情報発信まで一気通貫で考える必要があります。
今回紹介した8社の事例を参考に、自社では「誰の、どの課題を解決するのか」「どの顧客接点にボトルネックがあるのか」を整理したうえで、優先順位をつけて施策を実行していきましょう。
BtoBマーケティングにお悩みならセブンデックスにご相談ください
ここまで紹介してきた通り、BtoBマーケティングの成果は、コンテンツやリード獲得施策単体ではなく、その受け皿となるWebサイトやサービスのUX/UI、そして企業としてのブランドの一貫性まで含めて設計することで最大化されます。セブンデックスは、ブランドデザイン・UX/UIデザイン・マーケティンググロースを一気通貫で支援できる体制を強みとしています。
「施策は打っているが成果に繋がらない」「デザインの力でマーケティング成果を伸ばしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。




















